“がんと生きる想い”を作品とエッセイで伝えるコンテスト『リリー・オンコロジー・オン・キャンバス がんと生きる、わたしの物語。』 第16回の受賞作品発表
日本イーライリリー株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:カーラ・アルカサル、以下、日本イーライリリー)および認定NPO 法人キャンサーネットジャパン(本部:東京都文京区、理事長: 岩瀨 哲、以下、キャンサーネットジャパン)は、「リリー・オンコロジー・オン・キャンバス がんと生きる、わたしの物語。」デジタル×アート・アナログ×アート コンテストの受賞作品を発表しました。
本コンテストは、“今日を生きる、明日へつなぐ”を、テーマに、デジタル×アート・アナログ×アートとエッセイで自由に表現するもので、53点の応募作品が集まりました。3名の審査員により、デジタル×アート・アナログ×アートの2部門でそれぞれ最優秀賞1名、優秀賞1名、入選2名の、計8作品を選出しました。


※受賞作品の詳細は「受賞作品・エッセイ」をご覧ください
●受賞者 ※敬称略

●受賞作品の公開について
リリー・オンコロジー・オン・キャンバスのウェブサイト( https://www.lilly.com/jp/locj/ )で公開しています。
●『リリー・オンコロジー・オン・キャンバス がんと生きる、わたしの物語。』について
がん患者さんやそのご家族、ご友人を対象に、がんと告知された時の不安や、がんと共に生きる決意、がんの経験を通して変化した生き方などの「がんと生きる想い」を、アート作品とエッセイで表現するコンテストです。選考は作品の技術的・芸術的な評価ではなく、“想いの表現”を重視しています。日本イーライリリーが2010年に創設してから今回で第16回目となりました。
●募集・審査概要

日本イーライリリーについて
日本イーライリリー株式会社は、米国イーライリリー・アンド・カンパニーの日本法人です。人々がより長く、より健康で、充実した生活を実現できるよう、革新的な医薬品の開発・製造・輸入・販売を通じ、がん、糖尿病、筋骨格系疾患、中枢神経系疾患、自己免疫疾患、成長障害、疼痛、などの領域で日本の医療に貢献しています。詳細はウェブサイトをご覧ください。 https://www.lilly.co.jp
認定NPO 法人キャンサーネットジャパン について
がんになっても生きがいのある社会の実現を目指して、『がんを知る・学ぶ・集う』をキャッチフレーズに、主にがん患者・患者家族を対象として、専門医による講演会の実施や疾患解説等をまとめた冊子の制作・配布、教育事業など、多様な形式で科学的根拠に基づいた情報発信を行っています。 https://www.cancernet.jp/
受賞作品・エッセイ
【最優秀賞】 デジタル×アート部門
横塚 久美子(ヨコヅカ クミコ)さん(埼玉県)
『新しい一歩』

■作品エッセイ(抜粋)
脳腫瘍サバイバーとして術後数年は、生活をこなすことで精一杯で、帰宅後は泥のように眠る毎日だった。
そんな当時の私には、子育てなんて考えられなかった。
でも、どこかで「命をつなぎたい」という思いもあった。
もし、再発して子どもを残して逝くことになったら?
家族に迷惑をかけるのでは?
でも、自分の命のバトンは渡せる?
それは、自分勝手なのかな?
何年かの間は葛藤し、答えはなかなか出なかった。
ある日、私はついに身体を壊してしまい、慌ただしい生活から距離を置くことにした。
せっかく助けてもらった命を、日常に埋没する中で、犠牲にしてしまっていたことに気がつき反省した。
それから約半年後、新しい命が宿った。
自分の身体を大切にしたからこそ、訪れて来てくれたのかもしれないと、今は思う。
これから、新しい命と共に、私の命が許す限り、精一杯そして楽しく進んでいきたい。そんな決意を、新しい季節が歓迎してくれた様な気がした。
【最優秀賞】 アナログ×アート部門
松島 貴衣(マツシマ タカエ)さん(埼玉県)
『ばばとかいりくん』

■作品エッセイ(抜粋)
私の母は十年前に乳がんが判明し、当時はがんになったことにおちこみ、何をするにも心ここにあらずという状態でした。
私は離れて暮らしていたため側にいられない悲しさ、痛みやつらさを分かってあげられないことに胸をしめつけられました。
私は、今から三年前に結婚、昨年男の子を出産しました。
母は出産に立ち合い涙を流していました。「がんになった時はもうだめだと何度も思ったけれど、こんな未来が待っているならがんばって良かった」と言いました。
この作品は里帰り出産のためお世話になった母のもとを離れる際に、息子のかいりとほほをすり合わせた瞬間です。「ばばはかいりくんに会えて良かったよ」と声をかけていました。
私も、家族ががんになった、これだけで全てが無になったような、側にいたほうが良いのだろうかという罪悪感をかかえていました。
子どもと会うことができて母への罪悪感が消え、未来へと目を向けることができました。
【優秀賞】 デジタル×アート部門
瀧戸 裕一(タキド ユウイチ)さん(神奈川県)
『今を生きる』

■作品エッセイ(抜粋)
私は悪性リンパ腫に罹り、3回再発しました。
脳に再発した時には、ここまでかと死を覚悟しましたが、幸いにも寛解となり、今に至っています。
この写真は、やり場のない気持ちを落ち着かせようと、江の島と相模湾の壮大な景色を眺めて、鎌倉の大仏様を拝むという旅を暫くしていた時の写真です。
抗がん剤の副作用などの影響で電動車椅子を使うようになっていました。そのため、江ノ電では駅員さんにスロープを出してもらって、電車に乗り降りしました。
鎌倉では小町通りで磯揚げや団子の食べ歩きをするなど、それなりに楽しみながら、人生を振り返ったりして、自分は医療関係者や家族をはじめとする多くの方々のおかげで、こうして生かされている、過去を悔やまず未来を憂えず今を生きるのだ、ということに思いが至りました。
また再発する不安は常にありますが、それを憂えていないで、家内が育てる草花や愛猫と共に、穏やかに日々を過ごしたいと願っています。
【優秀賞】 アナログ×アート部門
北川 里子(キタガワ サトコ)さん(愛知県)
『共に生きた証を』

■作品エッセイ(抜粋)
健康診断で見つかったのは、腎臓に居座る腫瘍の影でした。
下された決断は「全摘出」。
迎えた手術前夜、私を支配したのは、申し訳なさでした。
長年、懸命に働いてくれた腎臓が、切り離されてしまう。そのやるせなさに、ただ涙がこぼれました。
退院後、失った腎臓への感謝を形にしたいと、筆を手に取りました。最初はただ、腎臓を「美しく、健やかな姿」で再現しようとしました。綺麗な姿ばかりを追い求めていたのです。
しかし4年が経過したころ、やっと心の景色が変わりました。私の体の一部として、役割を果たしてくれた腎臓の姿こそ、愛おしいと思えるようになったのです。
そして今年、描いたのは病を抱えた「ありのままの腎臓」です。
癌も、あの時の私の一部。それを認めることで、私はようやく過去を抱きしめ、今日を肯定することができました。
この絵は、私の体内で生きた命の証。
その輝きを胸に、私はまた明日へと、新しい物語を繋いでいきます。
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