ヴイエムウェア、ソブリンクラウド向けの新しい開発者用サービス、データサービス、セキュリティサービスを発表
新機能、世界規模での利用拡大、エコシステムソリューションを通じてVMware Sovereign Cloudパートナーが顧客の俊敏性と耐障害性の向上、迅速なイノベーション推進を支援
【2023年11月14日(日本時間)東京発】
ヴイエムウェア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山中 直)は、世界中の顧客がデジタル主権のイノベーションを促進するとともにセキュリティを強化するための新しいイノベーションとテクノロジーパートナーシップを発表しました。現在、VMware Sovereign Cloudのプロバイダは33ヵ国、50以上の企業に上ります。これらのプロバイダは、相互接続された強力で多様なエコシステムを形成し、顧客のソブリンクラウドの要件に対応したサービスを提供しています。VMwareとVMware Sovereign Cloudのパートナーは、データプライバシー規制を順守しながらデータの持つ革新的な力を活用できるよう顧客を支援しています。
VMware Sovereign Cloud initiativeは、データプライバシー関連の法令が急速に拡大/変化している中、法令順守に努める顧客を支援するための通信サービス事業者(CSP)のグローバルエコシステムです。VMware Sovereign Cloudプロバイダには、規範となる原則やベストプラクティス、技術アーキテクチャ要件のフレームワークに対して自ら適合の検証を行った上で、そのクラウドが運用される特定の管轄地域で関連する行政機関や営利団体が義務付けるデータ主権要件に準拠したクラウドサービスを提供することが求められます。
ソブリンクラウドのワークロードでのセキュリティ強化
ソブリンクラウドのユーザはデータに対する最大限のコントロールとアクセスの実現を求めています。クラウドでの独自の暗号化キーを持つことにより、顧客が求める水準の制御が可能になります。今回、VMware Sovereign Cloudに独自キーの持ち込み(BYOK)と独自キー管理システムの持ち込み(BYO-KMS)のサポートが追加されました。顧客自身によるデータの「キー」の作成と所持が可能になり、顧客以外はCSPでさえ許可なしに情報の表示や情報へのアクセスが行えません。
BYOKの利用により、データ暗号化での柔軟性と可搬性が実現し、ビジネスや規制に関連する個別のキー管理ポリシーへの準拠が可能になります。さらに、特定の管轄地域内でのデータに関する法的要件にも対処できます。キーを所有することは、キーの管理に対して責任を負うことを意味します。そして、暗号化されたデータへの侵害や不注意でキーを紛失することでデータが使用できなくなることを防ぎます。
キー管理サービス(KMS)を提供するタレス (Thales) 社がVMwareのエコシステムパートナーに新たに加わりました。Thales CipherTrust Data Security PlatformとVMware Cloud DirectorによるBYO-KMSを導入することにより、ソブリンクラウド環境のデータセキュリティを強化でき、認証無しでのアクセスを実行不可とし、各国のデータ主権標準への準拠が可能になります。Thales CipherTrust Data Security Platformは、VMware Sovereign Cloud上で堅牢な暗号化とキー管理の統合データセキュリティソリューションを提供します。このプラットフォームにより、データキーを完全に制御し、厳しい規制への順守を推進できます。また、VMware Cloud Directorインスタンスとの統合により、顧客独自のキー管理サービスにも容易にアクセスできます。
新しいソブリンデータサービスの提供
VMware Cloud Director extension for VMware Data Solutionsにより、ソブリンクラウドの顧客は、大規模なオンデマンドキャッシュ、メッセージング、データベースソフトウェアのポートフォリオを開発者に提供できます。CSPはテナントに統合ソリューションを提供できるため、プライベート/ソブリンクラウドにわたり、サービスとして利用できるデータをテナントが運用管理できます。また、VMware Cloud Directorの利用により、ソブリンクラウド プロバイダはエコシステムパートナーと連携することで、統合されたデータサービスを提供できます。VMwareは次の機能を追加します。
MongoDBを主としたNoSQL as a Service:規制の厳しい業界ではNoSQLの利用が進んでいます。NoSQLはスケーラビリティが高く、多様なデータ型を処理でき、データ構造の変化に対して大幅な再設計を行うことなく適応できる特長があります。NoSQLデータベースは、高速なトランザクション処理、データの継続的な可用性、暗号化やロールベースのアクセスなどの強固なセキュリティ対策をサポートします。大量のトレーニングデータセットを処理できるため、AI(人工知能)/ML(機械学習)アプリに適しています。
Kafka as a Service:Kafkaはリアルタイムの分析アプリに最適です。金融業界でのリアルタイムの不正検知や医療業界での患者のモニタリングに加え、データの整合性やコンプライアンス、タイムリーな意思決定が重要となる規制の厳しい業界での利用に適しています。
Greenplum as a Service:Greenplumは大規模で包括的なデータの分析に適しているため、データの保管場所と地域の規制の遵守が重要であるソブリンクラウドには特に適しています。Greenplumの利用により、規制の厳しい業界でもサイバー脅威分析など、地域の境界や法律に従ってデータに基づく意思決定を推進できます。
NetApp StorageGRIDによるObject Storage as a Service:クラウドサービスプロバイダは、NetApp StorageGRIDの利用により、ソブリンドメイン内にデータを保管し、コンプライアンスを確保する形で、価値の高いさまざまなストレージサービスを提供できます。NetApp StorageGRIDはAmazon S3と完全な互換性があるストレージソリューションです。ソブリンクラウドのさまざまなユースケースに対応します。データの永続性、高可用性、セキュアなマルチテナント、水平方向のスケーラビリティ、データの保護などの機能を備えています。全般的に互換性に優れており、Amazon S3 APIなどの業界標準のAPIをネイティブにサポートしているため、多様なクラウド環境全体でスムーズな相互運用が可能です。ライフサイクル管理の自動化などの独自のイノベーションにより、非構造化データの保護、保管、長期的な保存をコスト効率よく行うことができます。
開発者のニーズに対応するソブリンクラウドを実現
VMwareでは開発者のニーズに対応するソブリンクラウドの提供に向け、クラウドを問わず一貫性のある使用環境を実現する統合ハイブリッドクラウドインフラの提供と、コンプライアンスやデータの保管場所、強力なセキュリティなどの要件への対応に取り組んでいます。VMware Tanzuに代表される開発者向けの統合ツールにより、アプリの迅速な展開を可能にします。一方で、VMware NSXによって、データフローとセキュリティ面での精度の高い制御を強化します。これはデータ主権のために欠かせない機能です。VMwareは次の機能により、開発者のニーズに対応するソブリンクラウドのサポートを拡大します。
VMware Tanzu Mission Control Self-Managed:一般提供が開始されたTanzu Mission Control Self-Managedは、ソブリンクラウド内のクラウドネイティブアプリ向けの高度なコンプライアンス管理ツールとしてニーズに応えます。クラウドサービスプロバイダは、管轄地域の厳格な要件への順守が求められる規制の厳しい業界向けに、サービスとしてのマルチテナントKubernetesインフラをプロバイダが運用するデータセンターを通じて提供できるようになりました。Kubernetesを統合管理し、テナントのコンテナワークロード全体を対象に、セキュリティポリシーをシームレスに適用できます。
Content Hub in VMware Cloud Director 10.5:VMware Content Hub for Cloud Directorの利用により、パートナーとそのソブリンテナントは、事前検証/構成済みのアプリを迅速に展開できます。そして、それらのアプリはコンプライアンスに準拠し、セキュリティが強化されています。ソブリンクラウドのプロバイダは、俊敏性や制御を犠牲にすることなく、一貫した使用環境を実現させながら、管轄地域の規制要件に対応したアプリを提供できます。また、VMware Cloud Directorプラットフォームとの統合により、クラウドリソースへのアクセスが簡素化されます。
NVIDIA GPUおよびNVIDIA NGCマーケットプレイスのサポート:VMwareは、VMware Cloud DirectorでのNVIDIA GPUのサポートにより、GPUアプリ展開時のさらなるユーザ体験の改善と管理オーバーヘッドの軽減を実現しました。これにより、ソブリンクラウドを利用する際にAI、ディープラーニング、グラフィックを多用するビジュアルレンダリングアプリや大量の計算処理を必要とするワークロードに対応できます。また、NVIDIA Global Connect(NGC)マーケットプレイスで提供されるNVIDIAアプリをTanzu Kubernetes Gridインフラに直接展開できるようになり、GPU operatorも自動で構成されます。このリポジトリを展開するパートナーは、開発者のためのAIモデルやツールの連携の促進を支援できるため、次世代のAI製品のソフトウェア開発サイクルの簡素化にも役立ちます。
VMware, Inc. クラウドプロバイダ プラットフォーム 製品管理担当 副社長 ラジーヴ・バードワージ(Rajeev Bhardwaj)コメント:
「VMware Sovereign Cloudは、各国で比類のない水準のデータ保護/制御を可能にし、デジタル主権を守りながら、行政機関によるクラウドの利用のあり方を変革します。VMwareによるソブリンクラウドの革新的なポートフォリオ、検証済みVMware Sovereign Cloudパートナーのグローバルエコシステム、サードパーティソリューションで構成されるエコシステムにより、行政機関や規制の厳しい業界の企業が、デジタル主権を守りながらクラウドの無限の可能性を活用できるようにします」
ヴイエムウェア社について
ヴイエムウェアは、あらゆるアプリケーションに対応したマルチクラウド サービスを提供するリーディング プロバイダであり、企業によるコントロール下でのデジタル イノベーションを実現します。VMwareのソフトウェアは、イノベーションを加速させる信頼性の高い基盤として、企業が未来を築くために求められる柔軟性と選択肢を提供します。カリフォルニア州パロアルトに本社を置くVMwareは、同社の2030 Agendaを通じて、より良い未来の構築に取り組んでいます。VMwareの詳細は www.vmware.com/jp をご覧ください。
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