キャディ、次世代版「製造業AIデータプラットフォームCADDi」を新発表

データ・セマンティクス基盤を土台に、「CADDi Explorer」「CADDi Agent」と6つの業務特化プロダクトを展開

キャディ株式会社

キャディ株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役CEO:加藤 勇志郎、以下キャディ)は8月6日、次世代版「製造業AIデータプラットフォームCADDi」を発表いたします。このたび新たに、独自の「データ・セマンティクス基盤」を土台として、社内のあらゆる業務データを探索する「製造業ディスカバリーエンジンCADDi Explorer」、経験や判断を踏まえ分析を自律で担う「製造業AIエージェントCADDi Agent」、そしてバリューチェーンの各工程に特化しデータを資産化するループを生み出す6つの業務特化プロダクトを提供開始します。

バーティカルAIの強みを活かして製造業特有の課題を解き、キャディのビジョン「物的イノベーションを10倍加速する」の実現を目指します。

■ 開発の背景:物的イノベーションを10倍に

AIの進化で"知能"の限界は次々と突破される一方、企画から世に出すまでのモノづくりのスピードは、この30年ほとんど変わっていません。むしろ、AIが理論やアイデアを爆発的に生み出すほど、"考えたこと"と"物理世界に実装すること"の乖離は大きくなっていきます。モビリティ、水・エネルギー、医療、半導体、インフラ、航空宇宙、ロボティクス――これらを代表とする領域には、AIの進化だけでは解決できない物理的な課題が多く残されています。キャディはこれを「物的限界」と呼び、その突破こそ人類が次に挑むべき課題だと位置付けています。政府も2026年7月にAI基本計画を改定し、領域特化型の「バーティカルAI」を国家戦略の柱に据え、製造業を重点領域の筆頭に指定するなど、この方向への機運が高まっています。

キャディはこの物的限界を突破するために、モノをつくるスピードそのものの飛躍的な加速が重要だと捉え、「物的イノベーションを10倍加速する」というビジョンを掲げました。 

10倍加速は、①個別業務の高速化、②手戻りの削減、③工程の並列化――この3つの掛け算によって実現します。製造業では、企画から量産立ち上げまでに、業界によっては118もの工程を要します。これらはさらに構想・設計・試作・量産設計・調達・品質といった14の主要工程に大別されます。しかし現状では、その多くが直列で進むため、原価や製造性、品質上のリスクは後工程に入って初めて顕在化し、そのたびに前工程へと戻る「手戻り」が開発期間を長期化させてきました。

これらの工程を並列で動かせれば、モノづくりのスピードは飛躍的に短縮されます。その鍵となるのは、人間とAIが同じ情報・文脈を参照できる「共通基盤」です。並列化には、調達の制約・製造性・過去の品質トラブルといった情報と設計の判断がリアルタイムにつながっていることが不可欠です。

■次世代産業OSへの進化

こうした基盤を構築するには、製造業の業務そのものを深く理解した設計が求められます。キャディは、製造業の受発注プラットフォーム事業(2024年にAIプラットフォーム事業に統合)で培った知見を活かし、自社の業務変革を推進する過程で数多くのソフトウェアを内製してきました。製造業のドメインナレッジ、テクノロジー、そして現場に深く入り込む人材という強みが、散在するデータに意味と関係性を与え、AIが自律的に活用できる情報基盤へと変える設計を可能にしています。

基盤構築の第一歩として、キャディは2022年6月より製造業データ活用クラウドCADDi Drawerの提供を開始し、その名の通り図面などの製品データを中心にその周辺データをすぐに探索できるプロダクトとして、製造業のデータ活用の先駆けを担ってまいりました。現在では日経225構成企業のディスクリート系製造業の過半数に導入されており、世界中22カ国のお客様にご活用いただいています。しかしそこで扱えたのは、会社に眠るあらゆる叡智の一部にすぎません。製造業では、その叡智の8割以上が、いまなお人の頭の中の暗黙知にあるとも言われます。「物的イノベーションを10倍加速する」の実現には、こうした叡智も部門を越えてつなぎ、意味を与え、人とAIがともに活用し、業務を通じて新たな叡智をデータとして生み出し続ける循環が欠かせません。キャディは今回、製造業AIデータプラットフォームCADDiを、この循環を担う「次世代の産業OS」へと進化させます。

■ 新たな「製造業AIデータプラットフォームCADDi」を構成する4つの層

今回、次世代版「製造業AIデータプラットフォームCADDi」を、4つの層を垂直統合した基盤として、ゼロから再設計しました。あらゆる業務データを取り込み、意味と関連性を与え、横断して活用し、業務を通じて新たなデータを生み出す――この一連の循環を、垂直統合されたプラットフォームで実現します。

第1層|データ基盤:あらゆる業務データを取り込み、独自技術で解析・構造化する

第2層|セマンティクス:データに意味と関連性を与え、AIと人が理解できる「データの地図」を描く

第3層|横断プロダクト:データの地図を使い、全社のデータを横断して探索・活用する(CADDi Explorer / CADDi Agent)

第4層|業務特化プロダクト:各工程で業務を進めながら新たなデータを生み出し、地図を厚くする

これらが一つのプラットフォームの上で連動することで、あらゆる業務データが横断的に活用され、日々の業務を積み重ねるほど新たなデータが生まれ、次の判断の精度が上がっていく。そんな循環が実現します。

■ 横断プロダクト:CADDi Explorer と CADDi Agent

<製造業ディスカバリーエンジンCADDi Explorer(キャディエクスプローラー)>

経営から現場まで、誰もが同じデータと文脈を共有し、社内に散在する業務データを横断的に探索・インサイトを引き出せるプロダクトです。

これまでのCADDi Drawerが図面を中心とした製品データの探索を担ってきたのに対し、CADDi Explorerが扱うのは、CAD・BOM・CRM・SCMに加え、ERPの会計情報やエクセルに至るまで、製造業企業の社内に眠るあらゆる業務データです。互いに関係付けられたデータから、必要なインサイトをすぐに引き出せます。表示は、自社の業務フローに合わせてビューワーをカスタマイズできるほか、クラスタ、ヒートマップ、工程グラフなど、目的に応じた多様な見せ方に対応します。

そして、経営・設計・調達・営業・サービス・工場長――立場の異なる誰もが、自分の権限範囲内で同じコンテキストを共有できます。グローバルの多拠点、数百社規模のグループ会社にまたがる複雑な権限構造にも対応し、「誰に何を見せるか」を基盤に組み込むことで、必要な情報だけが、必要な人に届きます。

<製造業AIエージェントCADDi Agent(キャディエージェント)>

各社固有の業務文脈と、組織に蓄積された知識・判断基準を踏まえ、分析・判断・実行を担う、製造業の実務に特化したAIエージェントです。

設計や調達の熟練者のように、それぞれの業務に必要なデータを組み合わせ、根拠を伴った分析・判断を行います。これを支えるのが、社内のデータ同士を意味でつなぐセマンティクスです。データが自社の文脈のもとで関連づくことで、一般論ではなく、自社の実情に即した判断候補を導き出せます。

たとえば、BOM(部品表)・品質記録・調達データ・図面などを横断し、次のような実務を担います。

  • 部品の標準化 ― 類似形状・材質・工法を解析し、標準化候補を特定

  • コスト削減 ― 製品ごとのコスト構造を分析し、削減対象と根拠を提示

  • 品質不具合の波及分析 ― 不具合部品の使用箇所を特定し、他製品に対する波及リスクを一覧化

現場の実務から、営業利益の改善といった経営レベルの意思決定まで、根拠と判断材料を示します。さらに、複数のエージェントが同時にいくつものタスクを並行して進めることも可能です。実行の履歴は使うほど蓄積され、分析・判断の精度を高めていきます。

■ バリューチェーン各工程を支える業務特化プロダクト群

バリューチェーン全工程を支える業務特化プロダクトとして、設計から製造・保全まで、各工程に特化した6つのプロダクトを提供します。バリューチェーンを横断して業務レベルを向上させるとともに、日々の業務の中で生まれる判断・意図・結果を自然にデータとして資産化し、各業務工程で表出する暗黙知をCADDi ExplorerやCADDi Agentが活用できるデータへと変えていきます。

1.  流用設計シミュレーターCADDi Composer(キャディコンポーザー)

過去の類似設計をもとに基準品と構成を検討し、変化点からQCDリスクを事前に見極め。選定や変更の理由は設計意図として自動で蓄積し、設計判断を速く・再現可能にしながら、次の設計に活かします。

2. デザインレビュー基盤CADDi Design Review(キャディデザインレビュー)

図面・CAD・回路図などの製品データ上で、部門を越えた設計レビューを一元化。AIによるチェックと指摘・修正・承認の追跡で見落としや手戻りを抑え、蓄積した指摘は検図観点として標準化し、次のレビューに活かします。

3. 見積プラットフォームCADDi Quote(キャディクオート)

※2024年9月にローンチ済

見積依頼先の選定から依頼・回収・比較・発注先決定までを一元化。過去の発注実績や類似製品をもとに依頼先候補を提示し、やり取りと選定理由をデータとして蓄積し、次の見積に活かします。

4. 原価査定コラボレーターCADDi Cost Review(キャディコストレビュー)

※年内提供予定

過去の発注・見積実績や類似品目、コスト内訳を多面的に比較し、価格の妥当性を判断する根拠を揃えます。為替や材料費の条件差も補正しながら、その根拠と判断履歴をデータとして蓄積し、次の原価査定に活かします。

5. 生準コントロールタワーCADDi Process Review(キャディプロセスレビュー)

工程の特徴や過去の不具合事例を手がかりに、PFMEA(工程故障モード影響解析)で故障モードを網羅的に洗い出します。工程変更が関連情報に及ぼす影響もその場で捉えて整合性を保ち、積み重なる判断データが、次のPFMEA生成をより網羅的にしていきます。

6. 設備ライフサイクル管理CADDi ALM(キャディエーエルエム)

自社製造ラインの修理・点検の記録を資産に変え、故障時は過去の類似事例から原因と対処の候補を提示して、素早い復旧を支援します。蓄積した判断データは、設備改修や新規設計への反映精度を高めます。

■ 使うほど強くなる ― 業務が生むデータが基盤を賢くする

設計者がなぜこの構成を選んだのか、調達がなぜこのサプライヤーを選んだのか、生産技術がなぜこのリスクを重く見たのか――これまで人の頭の中や会議の中で消えていた「暗黙知」こそが、業務の積み重ねとともに重要な資産となります。蓄積されたデータはセマンティックレイヤーによって意味と関連性を与えられ、CADDi ExplorerやCADDi Agentが活用する「データの地図」を厚くしていくため、使うほど地図は緻密になり、AIの推論精度が高まっていきます。CADDiは、日々の業務を積み重ねていくほどその価値を高め続けるプラットフォームです。

CADDiという「道具」の力を最大限に引き出し、組織文化そのものを変革するには、現場での活用が不可欠です。そのためにキャディは専門チームが顧客の現場に入り込み、プロダクトの実装から組織への浸透、そして成果創出までを伴走します。単なるツール導入にとどまらず、組織に根付き、文化が変わるところまでパートナーとしてコミットする、製造業のためのプラットフォームです。

■ 代表コメント

キャディ株式会社 代表取締役CEO 加藤勇志郎

 「AIが知能の限界を超えていくほど、人類は物的限界に直面します。それを超える鍵は、製造業による物的イノベーションの圧倒的加速です。理論やアイデアがどれだけ増えても、現実の世界に実装できなければ、社会は前に進まない。しかし、モノを企画し、設計し、世に届けるスピードは、この30年ほとんど変わっていません。分断されてきた部門・データ・判断を一つの基盤の上でつなぎ、業務が回るほど叡智が蓄積し、次の一手の精度と速度が、研ぎ澄まされていく――その先にこそ、私たちの目指す10倍の世界があります。今回発表する次世代版CADDiは、その実現に向けた変革の新たな基盤です。お客様・パートナーと共に、モノづくり産業のポテンシャルを解放してまいります。」

キャディ株式会社 最高技術責任者 CTO 小橋昭文

「AIの進化は道具の性能を上げていきますが、道具だけでは何も変わりません。製造業のデータは、単独では意味を持たない。図面と部品、BOMと調達、品質と不具合――この関係性をAIが理解できる形に構造化して、はじめて業務の本質的な判断が担える。CADDiのセマンティックレイヤーは、業務データをベースに描く各社固有の「データの地図」です。この地図があるからこそ、製造業のあらゆる叡智がAIとつながる。CADDiが目指すのは、その基盤です。」

■ 今後の展開

キャディは、人類・製造業の進化を加速させるため、バリューチェーン全工程の変革を順次広げてまいります。現在22カ国に及ぶ顧客網を全世界へとさらに拡大し、お客様・パートナーと共に、ビジョン「物的イノベーションを10倍加速する」の実現を目指して、モノづくりの未来を切り拓いてまいります。

製造業AIデータプラットフォームCADDi(キャディ)

「製造業AIデータプラットフォームCADDi」は、バリューチェーン上に散在するあらゆるデータをAIで解析・構造化・意味付け・関連付けし、組織全体で活用できるデータ基盤を構築するプラットフォームです。業務そのものが新たな知見を生む循環を創出し、使うほどにAIと業務が進化し続けます。「製造業ディスカバリーエンジンCADDi Explorer」「製造業AIエージェントCADDi Agent」を中核に、バリューチェーン全工程を支える業務特化プロダクト群を提供し、製造業の判断と実行を高度化します。 https://caddi.com/

キャディ株式会社

キャディ株式会社

キャディ株式会社は、「物的イノベーションを10倍加速する」をビジョンとするグローバルスタートアップです。製造業のバリューチェーン上に散在するあらゆるデータをAIで解析・構造化・意味付け・関連付けすることで、組織全体で活用できるデータ基盤を構築する「製造業AIデータプラットフォームCADDi」を開発・提供しています。「製造業ディスカバリーエンジンCADDi Explorer」「製造業AIエージェントCADDi Agent」を中核に、バリューチェーン全工程を支える業務特化プロダクト群を通じて、製造業の判断と実行を高度化し、経営レベルのインパクトを生み出します。日本をはじめ、アメリカ、ベトナム、タイを含む4カ国で事業を展開し、日経225構成企業のディスクリート系製造業の半数以上をはじめ、全世界22カ国で導入されています。累計資金調達額は257.3億円。なお、受発注プラットフォーム事業は2024年にAIプラットフォーム事業へ統合し、現在は部品・組立品の提供を終了しています。https://caddi.com/ja-jp/company/

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会社概要

キャディ株式会社

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URL
https://caddi.com/
業種
サービス業
本社所在地
東京都台東区浅草橋4-2-2 D'sVARIE浅草橋ビル(総合受付6階)
電話番号
03-6843-3802
代表者名
加藤 勇志郎
上場
未上場
資本金
257億3000万円
設立
2017年11月