2025年大阪・関西万博 開幕後、来場意向は急上昇、満足度7割超
京阪神圏・若者で活況、混雑や会場での費用に関する不安解消が課題
株式会社三菱総合研究所(代表取締役社長:籔田健二)は、2025年大阪・関西万博開幕後の5月に全国3,000人を対象として独自の意識調査を実施し、開催前に行った過去4回の調査結果と比較・分析しました。また、5月13日までに万博を訪れた来場者500名に対して、満足度調査を実施しました。両調査の結果を活用し、万博の会期後半に向けさらなる機運醸成とレガシーの創造に貢献します。
主な結果
-
万博に「行きたい」+「すでに行った」人は、全体で33.7%、京阪神圏では51.7%、20代では41.8%。
-
来場者の満足度は全体で73.0%、京阪神圏は74.7%、20代では81.9%。
-
来場の障壁は、「混雑や行列に関する不安」「チケットの価格が高い」「会場でお金がいくらかかるか分からない」が上位。
1. 全国の状況(2025年5月中旬時点・「全国万博意識調査」結果)
※調査の概要、調査の割り付け、n数、および集計方法は、文末に記載
(1) 来場意向:全国で上昇
-
万博に「行きたい」+「すでに行った」人は、全国で33.7%。前回調査(2024年10月)の24.0%から9.7pt上昇。
-
地域別では、京阪神圏での変動が大きく、前回調査の36.3%から15.4pt上昇し、51.7%となった。
図1 2025年大阪・関西万博への来場意向推移(地域別)

-
年代別では、30-39歳の変動が最も大きく、前回調査の19.5%から16.4pt上昇し、35.9%となった。
-
20-29歳の来場意向が41.8%と最も高い。若年層ほど来場意向が高くなっている。
図2 2025年大阪・関西万博への来場意向推移(年代別)

(2) 来場の障壁となっていること:1位は「混雑や行列に関する不安」
-
来場意向があるもののまだ来場していない層に対し、来場の障壁となっていること(上位3つ)について尋ねると、「混雑や行列に関する不安」や「チケットの価格が高い」「会場でお金がいくらかかるか分からない」が上位となった。
図3 来場の障壁となっていること

2. 来場者の満足度等(2025年5月中旬時点・「来場者満足度調査」結果)
5月13日までの来場者のうち、京阪神圏・中京圏・首都圏在住者500人に満足度や再来場意向等についてアンケート調査を行った。
(1) 来場者の満足度:全体で7割超
-
5月13日までに万博に来場した人の満足度(「大変満足」+「満足」)は、全体で73.0%。
-
「大変満足」の割合をみると、京阪神圏で30.3%と最も高いのに対し、首都圏では21.0%、中京圏では20.0%で、10pt程度差がある。
※図の数値は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計値が合わない場合があります。
図4 来場者の満足度(地域別)

-
年代別でみると、20-29歳では、 「大変満足」+「満足」 は81.9%、「大変満足」は33.1%と他の年代と比べ最も高い。また、若年層ほど「大変満足」の割合が大きい。
図5 来場者の満足度(年代別)

(2) 万博が今後の社会や人々に与える影響
-
万博が今後の社会や人々に与える影響について尋ねた結果、「万博をきっかけに新しい技術や商品・サービスが生まれる」「人々の海外の国々への興味・関心が高まる」「様々な国や企業間で新しい協力や連携が生まれる」「人々のデザインや建築への興味・関心が高まる」等が上位となった。
図6 万博が今後の社会や人々に与える影響

3. 現状分析と今後の課題
「全国万博意識調査」では、開幕後に全国の来場意向が上昇しており、京阪神圏や若年層を中心に盛り上がりを見せている状況がうかがえる。今後は、混雑緩和や、会場での飲食・買い物費用の情報提供を増やして不安を解消することで、より多くの人の来場を後押しできる可能性がある。特に、遠方からの来場者や年代の高い層の不安解消が課題である。混雑については、既にさまざまな施策が講じられており、その内容や効果に関する認知を広げることが重要である。
「来場者満足度調査」では、7割超が満足と回答した。また、万博をきっかけに新しい技術・商品サービスが生まれることや、海外への関心向上や企業間での連携への期待が高かった。レガシーとしてこれらを実現するためには、より多くの人が現地で万博に直接触れる機会を作ることが重要であり、さらなる来場促進とともに、引き続き充実した体験の提供が必要である。
4. 調査概要
①全国万博意識調査
対象
全国20-60歳代の男女3,000名
時期
2025年5月
方法
WEBアンケート調査
項目
2025年大阪・関西万博に関する認知・関心、参加意向等
エリア区分と回答者数
・首都圏:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
・京阪神圏:京都府、大阪府、兵庫県
・中京圏:岐阜県、愛知県、三重県
・その他東日本:上記以外で、新潟県・長野県・静岡県以東
・その他西日本:上記以外で、富山県以西
各エリア600名
調査結果の集計方法
エリア別・性別・年齢別の人口構成比に合致するように、重みづけ(ウエイトバック)して集計。
ウエイトバック後の地域別、年代別のn数は次の通り。
【地域別】
全体:3,000 首都圏:949 京阪神圏:403 中京圏:270 その他東日本:664 その他西日本:714
【年代別】
全体:3,000 20-29歳:507 30-39歳:527 40-49歳:650 50-59歳:726 60歳以上:590
②来場者満足度調査
対象
万博に来場した経験のある京阪神圏・首都圏・中京圏の20-60歳代の男女500名
時期
2025年5月
方法
WEBアンケート調査
項目
2025年大阪・関西万博の満足度、リピート意向等
エリア区分と回答者数
・京阪神圏:京都府、大阪府、兵庫県 300名
・首都圏:埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県 100名
・中京圏:岐阜県、愛知県、三重県 100名
合計500名
関連情報
2025年大阪・関西万博 全国の関心・来場意向伸び悩むも、リピート意向は上昇(ニュースリリース 2024.12.23)
2025年大阪・関西万博 京阪神圏や20代で来場意向回復(ニュースリリース 2024.5.30)
2025年大阪・関西万博 全国で認知度上昇、関心・来場意向は低下(ニュースリリース 2023.12.25)
お問い合わせ先
内容に関するお問い合わせ
株式会社三菱総合研究所
〒530-0011 大阪市北区大深町4番20号 グランフロント大阪タワーA 17F
万博推進室 奥野 今村
E-mail:osaka-expo@ml.mri.co.jp
報道機関からのお問い合わせ
株式会社三菱総合研究所
〒100-8141 東京都千代田区永田町二丁目10番3号
グループ広報部
E-mail:media@mri.co.jp
すべての画像
- 種類
- 調査レポート
- ダウンロード