【インターネットインフィニティー×くすりの適正使用協議会】医療介護連携の要であるケアマネジャーが医薬品情報を理解して適切なケアにつなげるための支援が求められる
共同リリースのため、重複して配信される場合がございますが、あらかじめご了承ください。
2025年を目途に全国で地域包括ケアシステムの構築が進められています。高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるようにするためには、医療と介護の連携をスムーズに行い、適正な医薬品の使用を促すことも重要なポイントとなります。
そこで、一般の方にも理解しやすい医薬品の適正使用情報「くすりのしおり」※の提供などを行っている一般社団法人 くすりの適正使用協議会(所在地:東京都中央区、理事長:俵木登美子、以下「協議会」)と、介護支援専門員(ケアマネジャー)向けの会員制ウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」を運営する株式会社インターネットインフィニティー(本社所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:別宮 圭一)は、共同で介護職(ケアマネジャー)の医薬品情報へのアクセス状況や課題を明らかにするためのアンケート調査を実施しました。
※「くすりのしおり」は製薬企業約180社が、医療用医薬品の添付文書の内容に基づき、一般の方にも理解しやすいように簡潔かつ平易な言葉でまとめた医薬品情報提供書です。必要に応じ更新され、常に最新の情報として提供しています。https://www.rad-ar.or.jp/siori/
■調査概要
調査名:「医薬品情報に関するアンケート」
期間:2024年8月3日~2024年8月13日
調査パネル:「ケアマネジメント・オンライン」に登録する会員ケアマネジャー(居宅介護支援事業所もしくは地域包括支援センターに勤務)
調査サンプル数:547名
調査方法:WEBアンケート
当調査の回答者は、主任ケアマネジャー350人(64%)、ケアマネジャー197人(36%)であり、居宅介護支援事業所に勤務する者が91%、地域包括支援センターに勤務する者が9%でした。医療系の資格保持者は約15%にとどまり、ほとんどが介護福祉士や社会福祉士などの介護・福祉系の資格保持者でした。年代は40代が30.7%、50代が38.0%、60代が24.5%であり、ケアマネジャーとしての経験年数は5年未満が8.8%、5年以上10年未満が21.0%、10年以上15年未満が29.1%、15年以上が41.1%であり、経験豊富なベテランケアマネジャーが回答者の多くを占めていました。
■ケアマネジャーはケアプラン作成や利用者・家族の質問対応、医療者との連携のために医薬品情報を調べている
ケアマネジャーに「日常業務で個別の医薬品情報を調べることはどれくらいありますか?」と尋ねたところ、月に1回以上(48.1%)と回答した者が最も多く、次いで1週間に1回以上(30.9%)、6か月に1回以上(11.2%)、1年に1回以上(2.6%)、毎日(2.4%)となりました。個別の医薬品情報を調べることはないと回答したのは4.9%に過ぎず、多くのケアマネジャーは月に1回以上は医薬品情報にアクセスしているという実態が見えてきました。
次に「どのような時に個別の医薬品情報を調べますか?」と質問したところ、ケアプランを作成する時(59.6%)と利用者または家族から医薬品について質問された時(59.4%)という回答が多く、次いで医療職(医師・薬剤師・看護師)とのコミュニケーションの為(47.7%)、介護スタッフから医薬品について質問された時(22.9%)という選択肢が多く選ばれました。
ケアマネジャーの8~9割は介護・福祉職の資格保持者であり、医薬品情報について必ずしも詳しくない中で、ケアプラン作成や利用者・家族の質問対応、医療者との連携時に、自ら医薬品情報を調べているようです。
■医薬品情報は専門的な表現が多く理解が難しいと感じるケアマネジャーが多い
続いて「日常業務で個別の医薬品を調べる場合にどうしていますか?」と尋ねたところ、88.5%のケアマネジャーが都度インターネットの検索エンジン(Google、Yahoo!等)で検索して調べると回答しました。薬剤情報提供書(薬情)を確認する(40.6%)および医薬品添付文書を確認する(17.9%)は半数以下にとどまり、医療職に照会する頻度も高くはありませんでした(薬剤師に尋ねる;29.6%、看護師に尋ねる;27.1%、医師に尋ねる;9.3%)。
また、医薬品情報を調べる際にいつも決まった媒体を用いて調べているというわけではなく(決まったWEBサイトで調べる;8.2%、専門書籍で調べる;2.2%)、その都度、検索エンジンで表示された候補を見て回るという行動がメジャーであるようでした。
さらに「自分で医薬品情報を調べる時、どのようなことを感じますか?」と尋ねた結果を上図に示します。専門的な表現が多く理解が難しい(37.8%)という回答が最も多く選択されました。次いで、記載されている情報量が多く読む気になれない(27.6%)、どの情報が正しいのか分からない(26.9%)という選択肢が多く選ばれました。逆に、特に問題はないと回答したケアマネジャーは34.6%いました。
医薬品情報を調べる際に困難を感じているケアマネジャーは約7割にのぼり、これは医薬品に関する専門的な教育を受けていない者が多いために、医薬品情報に接した際に難しさを感じたり、どこを読めばいいのか迷ったり、正しい情報がどれか分からなかったりするためではないかと考えられます。
■ケアマネジャーにも分かりやすい医薬品情報が求められている
そもそもケアマネジャーが必要とする医薬品情報とはどのようなものなのでしょうか。「日常業務で医薬品のどのような情報が必要ですか?」と質問した回答を下図に示します。
薬の作用や効果(93.2%)や薬の副作用(86.3%)が多く、医薬品の使用目的や安全性を確認したいというニーズが強いようです。次いで、他の薬(食品)との飲み合わせや影響について(53.4%)、薬の飲み方や飲む量(52.7%)、薬を飲み忘れた時や多く飲んだ時の対処法(43.0%)など、服薬管理上の注意点が挙がりました。薬の保管方法・廃棄方法(22.7%)、吸入薬や自己注射等の使い方(21.9%)、薬の外観(記号、色、大きさ、形など;21.0%)について知りたいと答えたケアマネジャーも決して少なくはありませんでした。
加えて、「日常業務で医薬品情報について気になっていること、困っていることがあれば教えてください」という自由回答(任意)の質問も行いました。回答者547人のうち329人が回答し、そのうち特になし、困っていないといった回答を除外した194回答をまとめた表を下に示します。
医薬品に関する疑問点は医師や薬剤師などの医療職に照会することで正しい情報が得られると考えられますが、先ほどお示しした通り、ケアマネジャーはいつでも気軽に医療職に尋ねられる状況ではないようです。
このような状況を踏まえると、介護・福祉職出身のケアマネジャーであっても理解しやすく、ニーズに合った情報が得られる仕組みを整えることが重要であり、かつインターネットを通じて容易にアクセスできることが求められます。
今回の調査では、協議会サイトで公開している一般向けの信頼出来る医薬品情報「くすりのしおり」についても聞いています。その中で「くすりのしおり」を知っていると回答したケアマネジャーは19.2%でしたが、実際に「くすりのしおり」の1例を確認してもらった所、今後活用したいと言う意見も多数ありました。協議会は今後、ケアマネジャーに対する「くすりのしおり」の認知度を高めて行きたいと考えています。なお、更に詳細な結果は関連学会等にて発表することを検討しています。
株式会社インターネットインフィニティー:
全国のケアマネジャー10万人が登録するウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」(https://www.caremanagement.jp/)、全国にリハビリ型デイサービス「レコードブック」(https://www.recordbook.jp/)を展開するなど、健康寿命の延伸に向け、様々なヘルスケアサービスを運営。
介護関係者や介護家族を対象とした調査や、疾患啓発、勉強会の集客支援、資材制作などの情報発信サポートを承っており、製薬会社や医療機器メーカーの皆様にご活用いただいております。
一般社団法人 くすりの適正使用協議会:
くすりの適正使用協議会は、くすりの適正使用を普及・啓発するために、1989年に創立されました。「誰もが健康な生活を実現するため、信頼できる情報をもとに判断し、行動できる社会を目指す」ことをVISIONに掲げ、様々な会員が活動に参加しています。医療用医薬品の情報を患者さん向けに分かり易く記載した「くすりのしおり」や、製薬企業の作成する患者さん向け情報を「くすりのしおりミルシルサイト」で提供するほか、医薬品の本質を評価する「薬剤疫学」の普及促進、くすり教育の支援などに取り組んでいます。https://www.rad-ar.or.jp/
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