髪色を部分的に変えることで印象が変化することを確認~ナチュラルブラウンの髪にはピンクをプラスすることでフェミニンな印象に~

近年、部分的に髪色を変えるデザインカラーが人気です。メイクのように自分で簡単にカラーをオン・オフできるアイテムを用いれば、その日の服装や髪型、気分に合わせて楽しむこともできます。デザインカラーによって自分のめざす印象に近づきたい、そう考える人も多いと思いますが、デザインカラーと印象についての研究はまだ十分ではありません。そこで今回、デザインカラーに使用する色と印象の関係性を調査しました。

印象変化の中にポイントカラーを取り入れた例印象変化の中にポイントカラーを取り入れた例

 


印象をどうやって評価するの?
赤系や青系、紫系などの12色(図1)をそれぞれ使用し、髪色がナチュラルブラウン※1の女性にデザインカラーを施した写真12枚を用意しました(図2)。10名の20代女性に写真を見せ、「フェミニン」「キュート」「モード」「ゴージャス」の印象※2を、各写真からどのくらい感じるか、「全くそう感じない」を0点、「非常にそう感じる」を100点として評価してもらいました(Visual Analogue Scale法)。

 

図1.デザインカラーに使用した12色図1.デザインカラーに使用した12色

図2.⑦緑系を 施した写真図2.⑦緑系を 施した写真

デザインカラーに使用する色を変えることで印象を変えることができる!
回答を分析した結果、最も多くの対象者が「フェミニン」に感じると回答したのは⑤黄色系と⑫ピンク系の場合で、「キュート」では①赤系と⑦緑系、「モード」では⑧~⑪の青系から赤紫系の4色、「ゴージャス」では⑪赤紫系の回答率が高い結果でした(図3)。以上のように、デザインカラーに使用する色によって印象が変わることが明らかとなりました。今回の発見を応用すると、髪の毛全体の色を変えなくとも、毎日のおしゃれにデザインカラーをプラスするだけで簡単に印象をチェンジすることができると考えられます。

図3.髪色がナチュラルブラウンの場合のデザインカラーと印象の感じやすさ図3.髪色がナチュラルブラウンの場合のデザインカラーと印象の感じやすさ

今後のデザインカラー研究の予定

今回はナチュラルブラウンの髪色で調査しましたが、興味深いことに、同じ調査を髪色が異なる条件(暖色系や寒色系)で行なうと、印象変化に寄与するデザインカラーの色に違いがみられました。この違いを詳しく解析したところ、髪色とデザインカラーに使用する色の差(色相差)が印象変化により重要であることが示唆されました。今後の研究で、それらの関係性を紐解くことによって、一人ひとりの髪色を考慮したデザインカラーを提案できると考えています。将来的には、このような印象研究の知見と、これまでのヘアカラー商品開発の知見を合わせ、多くの人が髪色によるおしゃれを楽しんで頂けるサービスの開発をめざします。

本研究は、日本色彩学会 第53回全国大会(2022年6月25~26日)にて発表しました。

※1 花王が販売するヘアカラー剤のロイヤルブラウンの髪色

※2 日本ファッションスタイリスト協会が提案している「Styling Map」に示されている4つのテイストの中から選定



 







 

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会社概要

花王株式会社

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URL
-
業種
製造業
本社所在地
東京都中央区日本橋茅場町1-14-10
電話番号
-
代表者名
長谷部佳宏
上場
東証1部
資本金
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設立
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