FastLabel、「フィジカル AI 開発支援プログラム by AWS ジャパン」研究開発成果を公開

シミュレーションデータ混合学習におけるデータ配合比率(データレシピ)を開示

FastLabel

ロボット基盤モデルおよびドメイン特化のVLA(Vision-Language-Action)モデル開発を支援するFastLabel株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:鈴木健史、以下、FastLabel)は、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社(以下、AWSジャパン)が実施する「フィジカル AI 開発支援プログラム by AWS ジャパン」でのシミュレーションデータを活用したロボット基盤モデル開発の研究開発の成果を公開しました。

本プログラムを通じて、ロボット実機(リアル)データにシミュレーションデータを加えて混合学習することで、モデルのタスク成功率が平均14.2%向上することを実証し、データ収集コストの高いロボット実機データへの依存を低減できる可能性を示しました。

【取り組みの背景】

近年、ロボットを含むフィジカルAIの分野では、学習データ量に伴いモデル性能が向上する関係を示す「スケーリング則」が成立しつつあることが国内外の研究により報告されており、モデルの性能向上には学習データ量の確保が極めて重要となっています。一方で、実機を用いたリアルデータの収集には、運用環境の確保、収集に伴う時間やオペレーションコスト等、多くの制約があるため、スケールさせることは容易ではありません。フィジカルAIの開発企業にとって、膨大な学習データを現実世界で収集することは、時間的・費用的に大きな負荷となっています。

こうした課題に対し、仮想空間で学習データを生成するシミュレーションデータへの期待が高まっています。シミュレーション環境では、実機と同等の動作を再現しつつ、低コストかつ大規模にデータを生成することが可能です。しかしながら、リアルデータとシミュレーションデータの最適な学習比率(データレシピ)は、いまだ業界全体として確立されておらず、各社が試行錯誤を重ねているのが現状です。シミュレーションデータは実機との乖離(Sim-to-Realギャップ)が懸念される一方、リアルデータは収集コストが高いことから、両者をどのような比率で組み合わせれば、効率的にモデル性能を向上できるのかという問いは、フィジカルAI開発における共通の論点となっています。

【研究開発の内容】

FastLabelは、このデータレシピ未確立という業界課題に対し、「フィジカル AI 開発支援プログラム by AWS ジャパン」に採択され、約半年間にわたる研究開発を通じて、リアルデータとシミュレーションデータの混合学習の有効性を定量的に検証しました。

1. アプローチ

本取り組みでは、国産ロボットの ugo Pro R&Dモデルを使用しました。NVIDIA Isaac Sim上に本ロボットと同等の動作が可能なシミュレーション環境を構築し、ロボットの軌道(動作)データを効率的に生成・拡張できるデータパイプラインを確立しました。さらに、生成したシミュレーションデータと実機から収集したリアルデータを組み合わせたデータセットを構築し、AWSのインスタンス上でのモデル学習を通じて、シミュレーションデータの有効性と配合比率を検証しました。

ロボットの軌道データを拡張している様子

2. シミュレーションデータパイプラインの確立

本パイプラインは、以下の4つのステップで構成されます。

①軌道データの作成
Isaac Sim上で実機ロボットと同等の動作が可能な環境を構築し、テレオペレーションによって、拡張元となる軌道データを作成

②軌道拡張
ランダムに配置された物体に対してMimicGenを適用し、少量の軌道データを約100倍に拡張。拡張元の90エピソードから、不正動作や失敗を除く10,000エピソードの軌道データを取得

③ドメインランダム化
拡張した軌道データをIsaac Sim上でドメインランダム化することで、データの規模に加えて、照明、背景および机などの環境における色合いのバリエーション(多様性)を高めたデータセットを構築

④混合データセットの構築
実機から収集したリアルデータと、上記プロセスで生成したシミュレーションデータを組み合わせた混合データセットを構築

3. 検証結果

①タスク成功率の向上
シミュレーションデータとリアルデータを19:1で混合して学習することで、モデルのタスク成功率が平均14.2%向上しました。例えば、リアルデータの収集環境における精度比較では、タスク成功率がリアルデータのみの場合の26.7%に対し、混合データの場合で56.7%に向上する結果が得られました。

②未知環境における汎化性の向上
データ収集時とは異なる環境(未知の状況下)におけるロボットの動作精度についても、混合データで学習したモデルがリアルデータのみのモデルを上回り、汎化性の向上が確認されました。

③データ収集コストの低減
データ構築費用と成功率の関係を分析した結果、混合データで学習したモデルは低コスト・高性能である一方、リアルデータのみで学習したモデルは高コスト・低性能という結果になり、シミュレーションデータを活用した混合学習は、コストパフォーマンス面でも優れた結果が得られました。

詳細は以下のテックブログにて公開しています。

https://fastlabel.hatenablog.com/entry/20260831/1788166800

【今後の展望】

FastLabelは今後、フィジカルAI開発に取り組まれている企業様向けに、シミュレーションデータパイプラインの構築支援と、本取り組みで得られた技術知見の提供を行ってまいります。

また、引き続きAWSジャパンが有するフィジカルAI領域の知見をもとにクラウド技術を活用することで、データ作成および管理基盤の高度化を推進し、ロボティクスAI開発における研究効率の向上と社会実装の加速に貢献してまいります。


【FastLabelについて】

FastLabel株式会社は、データの専門企業として、Data-centric AI開発を支える高品質なデータの提供、データパイプラインおよびデータ管理基盤の構築に取り組んでいます。 ロボティクスを含むフィジカルAI領域に注力し、各種データ収集、シミュレーション環境の構築支援、モデル開発支援、データパイプライン構築などを通じて、ロボット基盤モデルの開発に取り組む企業を幅広く支援しています。 

社名:FastLabel株式会社

所在地:東京都新宿区西新宿2-6-1  新宿住友ビル24階

代表:代表取締役社長 鈴木 健史

事業内容:Data-centric AI開発を支援するAIデータソリューションの提供

URL: https://fastlabel.ai/service/robotics

【本プレスリリースに関するメディアの方からのお問い合わせ】

FastLabel株式会社 コーポレート本部

pr@fastlabel.ai

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会社概要

FastLabel株式会社

32フォロワー

RSS
URL
https://fastlabel.ai/
業種
情報通信
本社所在地
東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル24階
電話番号
-
代表者名
鈴木健史
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2020年01月