テラデータ、大規模べクトルストア「Teradata Enterprise Vector Store」をリリースし、信頼性の高いAIエージェント導入を支援

NVIDIA NeMo™ Retrieverとの統合により高速な演算処理と最適化されたRAGを実現し、ミリ秒単位の高速レスポンスを実現

サンディエゴ発 – 2025年3月12日　Teradata（NYSE: TDC）は本日、組織における大規模かつ信頼性の高いAI活用の推進に不可欠な要素となる最新のデータ管理技術：ベクトルストアを実現するインデータベース(In-database)ソリューション、「Teradata Enterprise Vector Store」を発表します。これにより、TeradataのハイブリッドクラウドAIデータ統合基盤Teradata Vantageのスピード、パワー、多次元スケールを、ベクトルデータ管理に活用できるようになります。この機能は、将来的にNVIDIA AI Enterprise(NVAIE)の構成要素であるNVIDIA NeMo™ Retrieverの生成 AI マイクロサービスとの統合を予定しています。この統合により、カスタム大規模言語モデルを企業データに接続し、AI アプリケーションが高精度で応答できるようになります。何十億ものベクトルをミリ秒単位で処理し、既存のエンタプライズシステムに統合できることで、リアルタイムでの意思決定が可能になり、複雑で多面的なビジネス課題からビジネスに変革をもたらす真の価値を引き出す高度な処理能力を、優れたコスト効率で発揮します。

AIエージェントを活用したい組織にとって、ベクトルストアはその基盤となるものです。しかし実際には、ほとんどのベクトルストアは、最も困難な、しかし潜在的には最も利益を生みだすはずのビジネス課題の解決に利用することが困難であったり、または巨額の投資を要求されるものでした。なぜなら、ベクトルボリュームを高速に管理できるのは小規模なデータセットに限られ、AIエージェントのユースケースに必要な大規模・高速処理に対応できなかったからです。AIモデルの開発と訓練を効率化し、AIエージェントを活用するためには、超高速に非構造化データセットとミッションクリティカルな構造化データとを組み合わせる処理能力と、膨大な演算能力の両方が必要です。

Teradata Enterprise Vector Storeは、ベクトルストア機能とRAG（検索拡張生成）アプリケーションを必要とするユースケースを実現するために設計されています。コスト効率の高いスケーリングとシームレスに近い統合で、企業が支出を削減しながら非構造化データから価値とインサイトを最大化するのに役立つと期待されています。そして、ハイブリッドクラウドAIデータ統合基盤を提供するTeradataだからこそ、クラウドとオンプレミスいずれの環境でも柔軟に拡張し、現在のインフラを最大限に活用し、優れた投資効果で、あらゆる環境で企業のAIエージェントが構築できるよう支援します。

Teradata Enterprise Vector Storeの特徴

Teradata Enterprise Vector Storeは、テキスト、ビデオ、画像、PDFなどのマルチモーダル形式の非構造化データを管理することで、構造化データと非構造化データを統合し、包括的な分析を可能にします。

エンベディング生成、インデックス作成からメタデータ管理、インテリジェント検索まで、ベクトルデータ管理のライフサイクル全般に対応

クラウド、オンプレミス、ハイブリッドを含む柔軟な導入オプションに対応

LangChainやRAG等、業界をリードするフレームワークに対応し、AIシステム開発に必要な包括的なデータ管理とガバナンスを実践

時間ベクトル埋め込み機能で、時間の経過に伴うデータの変化を追跡することにより、信頼性と説明可能性を高め、リアルタイムでの意思決定を支援

NVIDIA AIで構築されたスケーラブルなIn-Databaseベクトルソリューション

Teradata Enterprise Vector Storeは、 NVIDIA NeMo™ Retrieverと統合し、高い精度とデータプライバシーを備えた先進的な情報検索ソリューションを提供することで、企業がリアルタイムでビジネスインサイトを生成できるよう支援します。開発者は、NVIDIA NeMo™ Retrieverのマイクロサービスをコミュニティやカスタムモデルと組み合わせることで、どこに存在するデータであっても独自のデータに接続できるスケーラブルなドキュメント取り込みとRAGアプリケーションの構築ができます。NVIDIA NeMo™ Retrieverの抽出は、PDFのような非構造化データソースからの情報やインサイトを利用できるように設計されており、開発者は、企業のIT資産全体からの情報を付加したリアルタイムの知識を活用するRAGベースのアプリケーションを構築できます。

ユースケース：AIコールセンター

Teradata Enterprise Vector Storeは、データに対して信頼できる唯一の情報源（Single Source of Truth）を構築します。Teradataが提供しているRAG機能を強化することで、「AIコールセンター」などのAIエージェントユースケースの創出と活用を促進します。このAIコールセンターのユースケースは、Teradata Enterprise Vector StoreがAIエージェントとRAGを使用して、顧客サービスをより迅速かつ効率的に、各顧客のニーズに合わせて変換する方法を示しています。AIエージェントはまた、顧客との対話中にアップセルやクロスセルの機会を提供します。

保険会社における活用事例：

ある保険会社では、数百万人の顧客の契約書をPDF形式でオブジェクトストアに保存し、ミッションクリティカルな顧客360度データ基盤としてハイブリッドデータプラットフォームを使用しています。顧客から電話がかかってくると、マルチエージェントシステムが、整合化されたデータへの高速アクセス（数十ミリ秒）を使用し、個々の顧客に対して正確でコンテキストを意識した回答を提供します。

【エージェント】「こんにちは、今日はどのようなご用件でしょうか？」

• 「カスタマーインタラクション」エージェント：NVIDIA アクセラレーテッド コンピューティング上で動作するNVIDIA NIMの LLM によって実現される自然言語インターフェースを使用して、顧客とリアルタイムでコミュニケーションします。

【顧客】「マレーシアに旅行に行く予定です。私の保険は医療費をカバーしていますか？何か追加した方が良いですか？」

• 「契約分析」エージェント：Teradata Enterprise Vector StoreとNVIDIA NeMo™ Retrieverを使用してPDFから情報を抽出し、埋め込まれたRAGを使用して、契約書のPDFから補償の詳細を迅速に取得します。

• 「保険アドバイザ」エージェント：購入傾向モデルとTeradataの信頼性の高い予測および説明可能なAI機能を使用して、推論と意思決定を行い、旅行期間中の歯科保険の追加を推奨します。

【エージェント】「わかりました、歯科保険を追加してはいかがですか。契約書を作成いたします」

• 「アクション」エージェント： Teradataのハイブリッド環境における業務分析と顧客360度（構造化）データを使用して、顧客の署名用に契約書を作成します。

Teradataの最高技術責任者（CTO） Louis Laundryは次のように述べています。「ベクトルストアは、生成AIモデルとAIエージェントを結びつける基盤です。データ管理の実践には不可欠ですが、処理速度が遅かったり、サイロ化している場合にはその活用は限定的です。Teradataの技術が可能にした高い並列処理の実行性とリニアなスケーリング、そしてデータを調和させRAGをサポートする能力により、Teradata Enterprise Vector Storeは、AIエージェントの活用を目指す企業向けに、大規模かつ実効性と信頼性の高い基盤となります」

NVIDIAの戦略的エンタープライズパートナーシップ担当Vice President Pat Lee氏は次のように述べています。「AIアプリケーションの正確な推論にはデータが不可欠です。当社のNVAIEおよびNVIDIA NemoとTeradata Enterprise Vector Storeが統合されることで、PDFやその他の非構造化文書に保存されている組織的な知識を活用し、インテリジェントなAIエージェントを実現できます」

提供状況

Teradata Enterprise Vector Storeは現在、プライベートプレビュー版として提供しています。

2025年7月に一般提供を開始する予定です。

Teradataについて

Teradataは、より良い情報が人と企業を成長させると信じています。Teradataが提供する最も包括的なAI向けクラウドデータ分析基盤は、信頼できる統合されたデータと信頼できるAI/MLを提供し、確実な意思決定、迅速なイノベーション、価値あるビジネス成果を実現します。詳しくは、Teradata.jpをご覧ください。

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Teradataのロゴは、米国テラデータ・コーポレーションの商標です。Teradataは、米国テラデータ・コーポレーションまたは関連会社の米国およびその他各国における登録商標です。

■本件に関するお問い合わせ

日本テラデータ株式会社　広報担当　有賀（ありが）　

E-Mail: [e-mail] ｜ http://www.teradata.jp