LITALICO発達ナビ、発達障害のある子どもの熱中症リスクと家庭でできる対策を紹介

〜「水を拒否」「猛暑でも長袖」などの掲載事例をもとに、小児科医が夏の困りごとへの工夫を解説〜

株式会社LITALICO

株式会社LITALICO(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:長谷川 敦弥)が運営する発達支援ポータルサイト「LITALICO発達ナビ」は、明日からいよいよ7月となり本格的な夏を迎えるにあたり、発達障害(ASD/自閉スペクトラム症やADHD/注意欠如多動症など)の特性がある子どもたちの「熱中症リスク」に関する情報と対策を紹介し、注意喚起いたします。

発達障害のある子どもたちは、感覚の偏り(鈍麻・過敏)やこだわりといった特性から、水分補給や衣服の調節など、一般的な熱中症対策が通用しないケースが少なくありません。本リリースでは、同サイトに寄せられた当事者家族の事例から見えてきた、発達障害がある子どもにみられやすい「熱中症リスク」をご紹介するとともに、医師による専門的な解説と対策を紹介します。


 一般的な熱中症対策が通用しない?発達障害の「見えないリスク」

明日から7月に入り本格的な夏を目前に控える中、全国的に熱中症対策が呼びかけられています。しかし、発達障害(ASD/自閉スペクトラム症やADHD/注意欠如多動症など)のある子どもたちの家庭では、「本人の特性やこだわりの影響から、一般的な熱中症対策ができず、サポートが難しい」という問題が起きています。

今回は「LITALICO発達ナビ」のコミュニティやコラムに寄せられた、保護者の方々のリアルな事例から、見落とされがちな4つの熱中症リスクをご紹介します。

 「LITALICO発達ナビ」にみる、夏の4大事例~感覚の鈍麻さ、過敏さ、こだわりーー「喉が渇かない」「飲水を拒否」「体調不良を訴えない」「気候に合った服装が難しい」等の悩み~

1.「喉の渇き」に気づけない(感覚鈍麻)

気温が急上昇する真夏日等であっても、本人の中に「喉が渇いた」という体感(内受容感覚)が起きず、自発的な水分補給ができないケースです。知識として熱中症の危険を理解していても、自身の身体のサインに気づけないため、周囲が声をかけないと汗だくのまま過ごしてしまうという困りごとが寄せられています。

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2.水分補給の拒否と「こだわり」の葛藤

「水を嫌い、水分補給はジュースやスープのみ。健康のために水だけに制限しようとしたら、夜まで一滴も飲まず脱水症状・熱中症になった」という、こだわりとリスクの間で葛藤する声があります。また、「このタイミングでしか飲まない」といったルーティンへのこだわりが影響するケースもあります。

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3.体調不良のサインを周囲に伝えない(伝えられない)

「アレがしたい、コレが欲しい」という意思表示は激しい一方、「お腹が痛い」「だるい」といった体調不良のサインを周囲に伝えないケースです。背景に自身の体調変化への鈍麻さが隠れている場合があり、保護者が気づいたときには点滴が必要なレベルまで悪化していたという事例も寄せられています。

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4.夏の長袖・お気に入りの服への執着(感覚過敏・こだわり)

感覚の感じ方のばらつきや、特定の衣服への安心感から、「真夏でも長袖やお気に入りの服しか着たがらない」という事例。季節外れの服装によるうつ熱(体内に熱がこもること)のリスクと、こだわりやパニックとのバランスに悩むケースが見られます。

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【小児科医・藤井明子先生による解説とアドバイス】

これらのリスクに対し、子どもたちの発達と健康に詳しいどんぐり発達クリニック院長・藤井明子氏より、専門的な見地から対策のアドバイスをいただきました。

■ 身体からのサインへの気づきにくさ、感覚の過敏さ、過集中などの影響を考慮した対策を

発達障害のあるお子さんでは、一般的な熱中症対策だけでは十分でないことがあると感じます。ASDやADHDのお子さんの中には、「暑い」「のどが渇いた」「疲れた」といった身体からのサインに気づきにくい場合があります。また、水筒の水の味や温度にこだわりがあったり、帽子や冷却グッズを嫌がったりする感覚特性から、周囲が勧める対策を受け入れにくいこともあります。

さらに、好きな遊びや活動に集中すると、水分補給や休憩を後回しにしてしまうことも少なくありません。加えて、発達障害のお子さんでは自律神経機能の違いが指摘されており、体温調節や暑さへの適応に影響している可能性も報告されています。

そのため、「のどが渇いたら飲もう」ではなく、大人が時間を決めて水分補給を促したり、休憩のタイミングを具体的に示したりする工夫が大切です。お子さんの特性に合わせて環境を整えながら、周囲の大人が一緒に熱中症対策を考えていけるとよいでしょう。


■ 保護者や周囲の大人ができるサポート・対策

対策において最も重要なのは、本人の自己申告(「大丈夫」「喉は渇いていない」など)だけに頼らず、大人が「仕組み」として先回りすることです。

  • 水分の可視化とリマインダーなど

1時間ごとにタイマーを鳴らす、ボトルに目盛りをつけて視覚的に伝える、学校行っている間に水筒の水を飲み切るなど、ルール化して水分補給を促します。水を嫌がる場合は、かき氷(シロップなし)やゼリーなど、本人が受け入れやすい形態を工夫することが有効です。

  • 服装へのアプローチ

長袖へのこだわりがある場合は無理に半袖にせず、本人が納得する肌触りの「接触冷感素材」や「通気性の高いメッシュ素材」の長袖を一緒に選ぶなど、安心感と涼しさを両立させます。また、クローゼットにあらかじめ「その季節に合った服」だけを入れておき、大人が選択肢を調整する工夫も効果的です。

  • 客観的なサインの観察

自分で体調のことを伝えられないお子さんの場合には、「おでこの汗」「顔の赤み」「排尿の回数や色」など、客観的な指標を用いて周囲の大人が体調チェックをルーティン化します。

暑さに鈍感な特性や体温調節の難しさを周囲が正しく理解し、責めることなく「安全な仕組み」を作ってあげることで、子どもたちの命と健康を守ることに繋がります。


特性への理解を深め、すべての子どもが安心できる夏へ

「LITALICO発達ナビ」では、今後も当事者ご家族のリアルな困りごとに寄り添い、専門家と連携しながら、子どもたちが安心・安全に暮らせるための有益な情報発信を続けてまいります。 

本格的な夏を迎えるにあたり、一般的な対策だけでは見落とされがちな「特性による熱中症リスク」について、まずは身近な大人が理解を深め、各ご家庭に合った「無理のない対策」を見つけるヒントになれば幸いです。

【藤井明子先生 プロフィール】

小児科専門医 /小児神経専門医/てんかん専門医/子どものこころ専門医/どんぐり発達クリニック院長

東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括医師に就任。お子様の個性を大切にしながら、親御さんの子育ての悩みにも寄り添う診療を行っている。 3人の子どもを育児中である。

【LITALICO発達ナビについて】

2026年1月に10周年を迎えた「LITALICO発達ナビ」は、発達障害の基礎知識に関する情報の発信や、ダイアリー(ブログ)やQ&A機能によりユーザー同士のコミュニティとしての場づくりを行ってきました。発達が気になるお子さまの保護者をはじめ、支援者、当事者向けのポータルサイトです。

https://h-navi.jp/

LITALICO発達ナビは、これからもお子さまの発達が気になる保護者の前向きな一歩を手助けできるようにサービスを進化させていきます。

【株式会社LITALICOについて】

LITALICOは、「障害のない社会をつくる」をビジョンに掲げ、発達障害ポータルサイト「LITALICO発達ナビ」、障害のある方の就職情報サイト「LITALICO仕事ナビ」のインターネットプラットフォームを軸に、障害分野で様々なサービスを提供しています。障害のある当事者向けサービスである、就労支援サービス「LITALICOワークス」及び、ソーシャルスキル&学習教室「LITALICOジュニア」に加え、障害のある子どもの家族向けライフプランニングサービス「LITALICOライフ」や業界全体の質向上に寄与する福祉施設向け業務支援サービスを展開しています。一般教育領域でもIT×ものづくり教室「LITALICOワンダー」を展開している他、学校現場の特別支援教育を支えるICTサービス「LITALICO教育ソフト」を提供しています。

2016年3月に東証マザーズに上場、2017年3月に東証一部に市場変更、2022年4月にプライム市場に移行しました。詳細はhttps://litalico.co.jp/をご覧ください。

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会社概要

株式会社LITALICO

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URL
http://litalico.co.jp/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都目黒区上目黒2-1-1 中目黒GTタワー15F
電話番号
03-5704-7355
代表者名
長谷川敦弥
上場
東証1部
資本金
3億2968万円
設立
2005年12月