AIエージェントと業務データ連携で自律思考型AIを可能にする「Agentic RAG」サービス開始

株式会社ヘッドウォータース

 AIソリューション事業を手掛ける株式会社ヘッドウォータース(本社:東京都新宿区、代表取締役:篠田 庸介、以下「ヘッドウォータース」)は、外部データやツールへのアクセスを通じて大規模言語モデル(LLM)の性能を最大限に引き出す「Agentic RAG(Agentic Retrieval-Augmented Generation)」サービスが開始されたことをお知らせいたします。

■経緯

 ヘッドウォータースでは、「Azure OpenAI Service」による企業向けLLMサービスラインナップの拡充を行い、企業特有のニーズに応じたRAG(Retrieval Augmented Generation)のシステム構築や、コンタクトセンターAIエージェント(※1)、駅員業務AIエージェント(※2)、マイグレーションAIエージェント(※3)、車載エッジAIエージェント(※4)のほか、文章校正AIや翻訳AIなど様々なAIエージェントの開発支援を行ってまいりました。

 その中でヘッドウォータースは「AIエージェント」の早期導入に関心を持つ企業から多くの問い合わせをいただいており、企業内に蓄積された業務データと組み合わせて、一部の業務を代替する業務特化型AIエージェントに対するニーズは非常に強いものとなっております。

 ヘッドウォータースではこのようなニーズに対して、既に大手顧客導入実績のある「Agentic RAG」のサービス提供を行います。「Agentic RAG」は、AIエージェントとRAGのハイブリッドモデルである多段階検索と自律的推論プロセスを併せ持つテクノロジーです。

 これにより、Wordで作成された現場レポートや製品設計書、Excelの受発注資料や製品リスト、データベースに格納された管理データなど、業務ごとに最適化された業務特化型AIエージェントを導入することができます。

 また、AIエージェントに依頼するタスクを分担することで、特定のドメイン知識に長けた専門性と業務の効率性を向上させ、参照するデータソースを絞り込むことでRAGの精度向上にも貢献します。
 

 業務特化した専用のAIエージェントを自律的に参照する「Agentic RAGオーケストレータ」、AIエージェントの全体設計指針である「Agentic Design Pattern(エージェンティック・デザインパターン)」プランニング、必要要件を満たすための最適なAgentic RAGアーキテクチャ構想支援、セキュアなAgentic RAGを早期構築するためのマルチエージェント基盤「SyncLect AI Agent」(※5)を合わせて提供することで、自律性と拡張性に長けた「Agentic RAG」環境を顧客内のMicrosoft Azure環境に構築します。

■Agentic RAGとは

 「Agentic RAG」は、大規模言語モデル(LLM)がタスクに応じて “自ら考え、何を検索し、どのように活用するか” を判断する仕組みを取り入れたRAG技術です。
 従来の「Naive RAG」では、単一ステップの検索結果を元に応答を行うため、目的に応じて追加情報を取りに行く再検索や、部分的に不足したドキュメントを補完するといった作業を十分にカバーできない場合がありました。
 これに対してAgentic RAGでは、下記のような多段階・自律的なプロセスを実装することで、より高度なクエリや柔軟な業務要件にも対応できるようになっています。

1.自律的思考プロセス
モデル自身が「まだ足りない情報は何か」「どのソースへ再度アクセスすべきか」を推論し、必要に応じて外部データソースへ追加アクセスを行います。

2.多段階検索(反復的取得)
一度の検索だけでなく、状況に応じて複数回の検索や要約、再ランク付けを実行し、最適なコンテキストを構成します。

3.エージェント型推論
チャットボットや業務支援ツールが問い合わせに応じて行動し、さらに回答の根拠を提示することで高い説明可能性を実現します。

4.高度なコンテキスト管理
複数のエージェントが連携して深い文章理解を行うことで、誤情報(ハルシネーション)の抑止や不要データの排除に繋げる仕組みを備えています。

■AIエージェントとは

 AIエージェントは、自律的に特定のタスクを実行するインテリジェントなシステムで、複数のAIモデルを組み合わせることで、単一のモデルでは困難な高度なタスクを自動で実行します。企業では、電話応対やスケジュール管理、データ入力などの業務を自動化するために利用され、効率的なビジネス成果を達成するのに役立ちます。AIエージェントの国内市場は急速に成長しており、2024年から2030年にかけての年平均成長率(CAGR)は44.8%と予測されています。

■マルチエージェントとは

 マルチエージェントシステムは、複数のAIエージェントが相互に作用し、協調してタスクを達成するシステムです。各AIエージェントは自律的に行動し、周囲の環境や他のAIエージェントと情報を交換しながら、全体としての目標を達成します。

■RAG(Retrieval Augmented Generation)とは

 Retrieval Augmented Generation(RAG)は、大規模言語モデル(LLM)と外部のデータベースや情報源を結びつけるための新しい技術です。外部の知識ソースを検索し、より強化した文章生成を行います。2024年から2030年にかけて世界のRAGの年平均成長率(CAGR)は44.7%で成長すると予測されています。

■今後について

 当社では「Agentic RAG」は企業独自のAIエージェント活用において、あらゆるプロジェクトでデファクトスタンダードになる技術と考えております。

 企業は、AIエージェントを活用することで、減少する労働人口に対応した新たな働き方の創出を目指しています。こうした動向を支えるため、当社は業務効率化やコスト削減といった既存の課題を解決するだけでなく、次世代のユーザー体験を提供する革新的なAIエージェントソリューションの開発に取り組んでまいります。

 また、ヘッドウォータースの掲げるアライアンス戦略では、顧客企業ともビジネスパートナーとなり、共に生成AI経済圏を拡大する取り組みを行ってまいります。

 なお、本件による当社の当期業績に与える影響は軽微であります。今後開示すべき事項が発生した場合には速やかにお知らせいたします。

以上

※1:大和証券と協働し、AIオペレーターを開発 ~ 生成AI活用による顧客体験(CX)変革を実現 ~

https://www.headwaters.co.jp/news/hws_daiwa_ai_operator.html

※2:JR西日本の生成AI「Copilot for 駅員」に対する開発支援を行っています

https://www.headwaters.co.jp/news/jr_west_ai_copilot_for_ekiin.html

※3:「Azure OpenAI Service OpenAI o1」や「GitHub Copilot」などの生成AIをマイグレーションに活用する「マイグレーションAIエージェント サービス」を開始

https://www.headwaters.co.jp/news/migration_aiagent_service.html

※4:自動車業界向け生成AIサービスラインナップを強化  ~第一弾は車載エッジAIエージェント~

https://www.headwaters.co.jp/news/Invehicle_edge_ai_agent_hws.html

※5:次世代AIエージェントサービス「SyncLect AI Agent」の提供開始

https://www.headwaters.co.jp/news/synclect_ai_agent_release.html

■参考情報

・マイクロソフト ジャパン パートナー オブ ザ イヤー 2024において 「AI イノベーション パートナー オブ ザ イヤー アワード」を受賞

https://www.headwaters.co.jp/news/microsoft_Japan_partner_year_award_2024.html

■商標について

 Microsoft Azureは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。その他、記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

■会社情報

 会社名:株式会社ヘッドウォータース

 所在地:〒163-1304 東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー4階

 代表者:代表取締役 篠田 庸介

 設立 :2005年11月

 URL :https://www.headwaters.co.jp

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会社概要

株式会社ヘッドウォータース

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URL
https://www.headwaters.co.jp
業種
情報通信
本社所在地
東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー4階
電話番号
-
代表者名
篠田 庸介
上場
東証グロース
資本金
3億6902万円
設立
2005年11月