Broadcom、「Private Cloud Outlook 2026」レポートを発表 AIは転換期を迎え、AI推論の本番運用がプライベートクラウドに決定的にシフト
AIのセキュリティに対する警戒感が高まり、パブリッククラウドの「無駄な支出」が限界を迎える今、コスト、複雑性、コントロールがインフラ戦略の意思決定を左右
*本内容は、2026年6月9日(米国時間)Broadcomが発表した報道資料です。
半導体およびインフラストラクチャソフトウェアソリューションの設計、開発、提供を行うグローバルテクノロジーリーダー、Broadcom Inc.(NASDAQ: AVGO)は、最新レポート「Private Cloud Outlook 2026」を発表しました。主な調査結果として、AIの実験段階は終わり、企業はセキュリティと拡張性を確保するため、AIワークロードをプライベートクラウド上で展開する動きが増えていることが明らかになりました。
昨年のレポートでは、パブリッククラウドとプライベートクラウドのバランスの均衡を意図する「クラウドのリセット」に言及していましたが、2026年はAIが本格的な転換期を迎えています。この変化は、コスト、複雑性、コントロールという3つの要因で形成され、パブリッククラウド環境では、大規模化する本番環境でのAI運用に対応しきれないケースが増加傾向にあります。本レポートのポイントは以下のとおりです。
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企業の56%がプライベートクラウド上でAI推論の本番運用を実行中または計画中である一方、パブリッククラウドでの同様のワークロードの利用率は56%から41%へと前年比で15ポイント低下
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企業のIT部門が直面している新たなAI関連の課題の最上位は、データ保護とプライバシー(37%)、セキュリティと管理(36%)
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パブリッククラウドの最大の懸念事項は、初めて「コスト」が「セキュリティ」を上回り、2025年の26%から2026年には31%へと上昇
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ITリーダーの97%は、パブリッククラウド利用料金の一部に無駄があると考えており、また52%は、パブリッククラウドの総予算の25%以上で無駄が発生していると試算
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企業の83%が、パブリッククラウドからプライベートクラウドへのワークロードの回帰を検討しており、50%はすでに実施済み。回帰を後押しする二番目の大きな要因は「コストの予測可能性」で、企業の39%がこれを挙げ、急浮上
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ITリーダーの5人中4人が、地政学的な要因が自社のIT戦略や運用に影響を及ぼしていると回答。インフラに関する意思決定を左右する主要な地政学的要因として、「データ主権およびデータ所在地要件」(54%)が、「管轄区域ごとのコンプライアンス要件」(51%)を初めて上回る
Broadcom Inc. VMware Cloud Foundation部門 マーケティング担当副社長、プラシャント・シェノイ(Prashanth Shenoy)コメント:
「企業がAIをパイロット運用から本番環境での運用へと移行するにつれ、インフラと運用のコストが急増するだけでなく、セキュリティ上の課題が顕在化し、複雑さも増大しています。調査結果でも明らかにされた通り、企業が本番環境でのAI運用に際してプライベートクラウドを選択する傾向が高まっています」
AI推論でのシフト:プライベートクラウドに向かうAIの本番運用
今年のレポートにおける最大のポイントは、企業がAIワークロードを実行する場所の変化の規模とスピードです。パブリッククラウドは、AIのパイロット運用やモデルトレーニングの実験には依然として有効な環境ですが、大規模な推論処理を実行する際のコスト効率は状況が異なります。
企業の56%が、プライベートクラウド上で本番環境の推論処理を実行中または計画中ですが、パブリッククラウドでの実行は41%にとどまっており、両者がほぼ同率だった昨年の状況から一転しています。本番環境のAIワークロードで、パブリッククラウドの利用率が1年で15ポイントも低下したことは、今年のレポートにおける最も劇的な変化の一つです。
この理由は明白です。調査でITリーダーたちが指摘した通り、パブリッククラウドは依然として高コストであり、大規模なAIワークロードの運用に必要なガバナンスや統制力が不足しているためです。俊敏性が優先されるパイロット運用やトレーニングの段階では、このデメリットとの相殺が許容される場合もあります。しかし、企業が規模の拡大を求める場合、コストやガバナンス要件が不可欠となり、ワークロードを自社環境に回帰させるという判断に至ります。ITリーダーの62%が、生成AIやエージェント型AIの運用にかかるインフラコストについて「非常に懸念している」または「極めて懸念している」と回答し、また36%は、AIによりデータ保護、プライバシー、セキュリティ対策、リスク管理に関する新たな要件が次々と発生していると述べています。
データ主権の要請:地政学により一新されるインフラ戦略
2026年は、地政学がインフラに関する議論のテーマとなりました。現在、ITリーダーの5人に4人が、地政学的要因が自社のIT戦略や運用に直接的な影響を与えていると回答しています。データ主権は、単なるコンプライアンス上の要件から取締役会レベルの優先課題へと移行しており、インフラの決定に影響を与える主要な地政学的要因として、「データ主権およびデータ所在地要件」(54%)が、「管轄区域ごとのコンプライアンス」(51%)を上回りました。特に高いセキュリティおよびコンプライアンス要件が求められる金融サービス、公共部門、医療、ライフサイエンス業界がこの変化の最前線に立っています。AI活用によるデータ量の増大、国境をまたがるデータガバナンスの複雑化、パブリッククラウドのコスト増大やガバナンス上の負担もあり、企業にとって、機密データを自社の管理下に置くプライベートクラウドインフラの導入が、ますます有力な選択肢となりつつあります。
コストの現実:限界を迎えるパブリッククラウドの費用対効果
現在、パブリッククラウドの利用の最大懸念は「コスト」であり、「セキュリティ」を抜き、懸念を示す割合は26%(2025年)から31%(2026年)へと上昇しました。加えて、コストの浪費に関する調査結果も注目に値し、ITリーダーの97%は、パブリッククラウド利用料金の一部に無駄があると考えています。また52%は、パブリッククラウドの総予算の25%を超える無駄が発生していると試算しています。
こうしたコスト要因は、プライベートクラウドへの回帰(リパトリエーション)の動きに直結しています。現在、企業の83%がワークロードをパブリッククラウドからプライベートクラウドに戻すことを検討し、50%はすでに少なくとも一部のワークロードを移行済みです。リパトリエーションの主因は、セキュリティとコンプライアンス(51%)、コストの予測可能性(39%)、パフォーマンス(39%)の3つです。「コストの予測可能性」がリパトリエーションの主な要因として急浮上したことは、前年のレポートから最も顕著な変化の一つであり、AI時代におけるパブリッククラウドの費用対効果が著しく低下していることが浮き彫りになっています。
これらの状況を受け、プライベートクラウドへの投資意欲が加速しています。プライベートクラウドへの投資意向は、パブリッククラウドに比べて2倍のペースで拡大しています(今後3年間の予測では、パブリッククラウドの10ポイント増に対し、プライベートクラウドは21ポイント増)。また、ITリーダーの58%が、プライベートクラウド上での新たなワークロードの構築を最優先事項として挙げており、これも1年前の53%から増加しています。
調査方法
「Private Cloud Outlook 2026」は、Radius TechがBroadcomと共同で実施した世界規模の調査に基づいています。この調査は2026年2月から3月にかけて、北米、欧州、アジア太平洋地域の8ヵ国の従業員数1,000名以上の企業に所属するIT部門の上級意思決定者1,800名を対象に実施されました。本レポートは2026年6月に公表されました。
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