犬の飼い主が思う長生きの秘訣は○○…!?飼い主が気をつけていることは「食事」「運動」【飼い主212人アンケート】
犬の平均寿命は14.67歳だが、飼い主の思う長生きの犬の年齢は小型犬・中型犬「15歳」から、大型犬「10歳」という結果に。室内飼いと外飼いの犬では寿命が違うと「思う」と85.4%が回答。
▼本記事
犬の長生きの秘訣に迫る!食べ物や普段の生活などご長寿犬飼い主さんたちにも取材
https://inunavi.plan-b.co.jp/column/dog_long_life/
調査結果まとめ
・飼い主が思う長生きの犬の年齢は、小型犬「15歳」中型犬「15歳」大型犬「10歳」という結果に
・室内飼いの犬と外飼いの犬の寿命は違うと「思う」は85.4%だが、外飼いのリスクを指摘するコメントが多い一方で「室内で飼っているわんちゃんは良い環境に慣れているので耐性が弱いと思う」というコメントも見られた
・長生きすると思う犬種では3位「雑種」2位「柴犬」1位「トイプードル」、理由は「周りで長生きして犬が多いから」
・愛犬に長生きしてもらうために気をつけていることが「ある」飼い主は75.9%で、気をつけていることで最も多かったのが「食事に気をつける」110人だった
・犬の長生きに飼い主の愛情が関係「あると思う」92.5%と多く、理由に「日々しっかり接することで異変にいち早く気づける」「ストレスの影響」が挙げられた
・犬の長生きに犬の性格が関係「あると思う」は75.9%で、理由は「神経質な犬はストレスを抱えやすい」「好奇心旺盛だと不慮の事故を起こす可能性がある」だった
わんちゃんは何歳からが長生きだと思う?小型犬15歳、中型犬15歳、大型犬10歳が最も多い結果に
飼い主さんが長生きだと思うわんちゃんの年齢は、「小型犬15歳」54人、「中型犬15歳」43人、「大型犬10歳」56人が最も多い回答でした。
2022年度の全国犬猫飼育実態調査では、わんちゃん全体の平均寿命は14.67歳(※1)と発表されています。飼い主さんたちがこの発表を知っているかはわかりませんが、あまり相違ない結果となりました。
一般的に小型犬や中型犬は7歳、大型犬では5歳からシニア期に入ると考えられていますが、近年は元気なシニア犬も多く、SNSなどでは15歳や16歳といったわんちゃんもたくさん見ることができるため、こうした結果になったと推測できます。
(※1)参考:一般社団法人ペットフード協会「令和4年 全国犬猫飼育実態調査 主要指標サマリー」https://petfood.or.jp/data/chart2022/3.pdf
85.4%の飼い主が室内飼いのわんちゃんと外飼いのわんちゃんは寿命は違うと「思う」と回答
室内飼いのわんちゃんと外飼いのわんちゃんの寿命では、寿命は違うと「思う」と回答した飼い主さんが85.4%と多い結果になりました。
わんちゃんの平均寿命は年々延びていますが、その理由の1つにわんちゃんを室内で飼育する飼い主さんが増えていることが挙げられます。
実際に、室内飼いと外飼いのわんちゃんでは、室内飼いのわんちゃんのほうが2~3年長生きしているという調査報告もありました。(※2)
外飼いのわんちゃんにはさまざまなリスクがありますが、飼い主さんたちの中には外飼いのリスクを知らず、外飼いのほうが耐性がついて長生きするのではないかと考える人もいるようです。
まずは、コメントの傾向と実際のコメントをご覧いただきましょう。
(※2)参考:公益財団法人どうぶつ基金「外飼いはやめよう。犬猫も寒いのだ!」 https://www.doubutukikin.or.jp/activitynews/%E5%A4%96%E9%A3%BC%E3%81%84%E3%81%AF%E3%82%84%E3%82%81%E3%82%88%E3%81%86%E3%80%82%E7%8A%AC%E7%8C%AB%E3%82%82%E5%AF%92%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%A0%EF%BC%81/
■コメントの傾向まとめ
◆外飼いのリスクに付いての指摘
健康の危険:季節の変化による体調の崩れや、ケガ、病気のリスクが高まる:24件
気候の影響: 真夏や真冬などの極端な気温の変化や荒天がペットに消耗をもたらす。異常気象を危惧:59件
ストレスの増加:外の環境は快適な温度が保てず、害虫などの影響もあり、ストレスが大きくなることが懸念される:33件
外で一人で過ごす寂しさがストレスになる:4件
一人になる時間が長く、体調変化に飼い主がすぐ気づけない:3件
他人が勝手に触れてしまえる状況がリスクになる:1件
◆室内飼いの利点
健康の管理:室内飼いでは、気温や天候の影響を受けにくく、病気や体調の変化に気づきやすい:17件
ストレスの低減:快適な温度で過ごせたり、外敵から守られるなど、ストレスが少ないと感じる:47件
衛生的な環境:室内では衛生的な生活が可能で、虫による感染症などのリスクが低減する:17件
◆室内飼いの欠点
広い飼育スペースを確保しづらく運動不足がストレス。外でのびのびできない:2件
気温など管理された環境にいるから弱くなる:7件
人間に近い分、余分なおやつや人間向けの食事を与えてしまうなどで食事バランスを崩す:2件
多くは、外飼いのリスクについての指摘や、室内外のメリットやデメリットについてのコメントが見られました。しかし、外飼いのほうが長生きなのではないかと思っているコメントも全体の20件程度見られたり、外飼いと室内飼いは変わらないとするコメントもありました。
【寿命は違うと「思わない」】実際のコメント
「室内飼いと外飼いで寿命が変わるなら長生きする方を選ぶから室内飼いがいたり外飼いがいたりしないと思う」(女性 / 30代)
「特にストレスなども変わりそうにないし、寿命は関係ないと思う」(男性 / 20代)
【寿命は違うと「思う」】実際のコメント
「室内で飼っているわんちゃんは良い環境に慣れているので耐性が弱いと思う」(女性 / 60代)
「室内飼いの場合、快適な温度だからストレスフリーで長生きになると思うから」(男性 / 30代)
「どちらが長生きかは分からないが、外飼いの場合は活動的で健康促進を兼ねたり、気候への順応で免疫力がついたりと、寿命にポジティブな効果があるのではないかと思う。室内飼いの場合は、保護された環境にいるため逆に犬の耐性が低下して、病気になったり体調を崩すことが多いような気がする」(女性 / 40代)
これらのことから、漠然と寿命は違うような気はするけれど室内飼いと外飼いのどちらが長生きする傾向にあるかはわかっていない、という飼い主さんも少なくはないのかもしれません。
もちろん、必ずしも外飼いがダメ、室内飼いなら大丈夫、というものではなく、きちんと心身の状態に配慮し、健康管理やお手入れを行ってあげることが大切ですが、室内飼いのわんちゃんのほうが外飼いのリスクを回避しやすいことが寿命の違いに表れていると考えられていることから、もう少し外飼いのリスクを飼い主さんに広く浸透する必要があるのかもしれません。
▶外飼いのリスクやそのほかのコメントは本記事でご紹介しています。
長生きすると思う犬種は3位「雑種」2位「柴犬」1位「トイプードル」
▶10位以下は本記事で紹介しています。
長生きすると思う犬種は、3位「雑種」29人、2位「柴犬」38人、1位「トイプードル」43人という結果になりました。
これは、トイプードルや柴犬、ミニチュアダックスフンドなどは、飼育頭数が多くよく見かけることができることや、大型犬に比べて小型犬のほうが長生きする傾向にあることが浸透しているためと考えられます。
【長生きすると思う犬種】実際のコメント※【】内は回答した犬種
「【トイプードル】なんとなく、知り合いたちが飼ってるトイプードルは長く生きているような気がする」(男性 / 30代 / ホワイトテリア飼い主)
「【柴犬】Twitterなどをみていても長寿で健康な犬が多いと思う」(女性 / 30代 / チワワ飼い主)
「【柴犬】周りで長生きしているのは、柴犬が多いから」(女性 / 40代 / ミニチュアダックス飼い主)
また、「雑種」と回答した飼い主さんでは、
「純血種よりも雑種の方が強いと聞きました」(男性 / 40代 / 柴犬飼い主)
といったコメントも多く見られました。確かに、雑種の場合はさまざまな犬種の遺伝子が引き継がれているため体が丈夫な傾向にありますが、特別寿命が長いわけではありません。
また、大型犬よりも小型犬のほうが長生きするという話はよく耳にしますが、実は体の大きさと寿命の関係は明確にはなっておらず、なぜ小型犬のほうが長生きするのかはわかっていません。(※3)
実際、現在世界最高齢でギネスに認定されているわんちゃんは大型犬で31歳存命中と、体の大きさや犬種ではなく、わんちゃんの個体差によるところが大きいのではないでしょうか。
▶ギネスに認定されたわんちゃんは本記事で紹介しています。
(※3)参考:AMERICAN KENNEL CLAB「How to Calculate Dog Years to Human Years」https://www.akc.org/expert-advice/health/how-to-calculate-dog-years-to-human-years/
愛犬に長生きしてもらうために気をつけていることが「ある」飼い主は75.9%
愛犬に長生きしてもらうために気をつけている(いたこと)が「ある」と回答した飼い主さんは75.9%でした。
7割以上の飼い主さんは、長生きしてもらうためにいろいろ考えて実践しているようです。
では、どんなことに気をつけているのでしょうか。
飼い主さんたちが気をつけていることは「食事」が最多
飼い主さんたちが気をつけていることで、最も多く見られたのは「食事に気をつける」110人でした。
近年は、わんちゃんの健康に配慮したさまざまなドッグフードが販売されていることもあり、気をつけやすくなったということも背景にあるのかもしれません。
実際のコメントをご覧ください。
【食事に気をつける】実際のコメント
「グレインフリーや無添加などの良質なドッグフードを与えるようにしていますし、定期的にクリニックで診てもらっています。毎日散歩をさせてストレスがたまらないようにしています」(女性 / 40代 / トイプードル飼い主)
「ストレスを溜めさせないこと、広いスペースで過ごさせてケージに入れないこと、安い市販のフードではなく高くて安全なものを与えること」(女性 / 30代 / ミニチュアダックス飼い主)
「太らせないこと。適正な体格(体重)を保つようにすること」(女性 / 30代 / フレンチブルドッグ飼い主)
食事内容に気をつけるコメントがたくさん見られましたが、気になるのは必ずしも「高いドッグフードがいい」「グレインフリーがいい」「添加物が使用されていないものが良い」というわけではない点です。
安くても良いフードもあれば、グレインフリーにもメリットデメリットがあること、添加物も過剰に心配する必要がないことなど、正しい知識を持って愛犬に合ったドッグフードを与えてあげることが大切と言えます。
また、体重管理も重要で、痩せすぎや太りすぎには健康リスクがあり、注意しなければいけませんが、この点を挙げている飼い主さんはごく少数にとどまったことも、「ドッグフード頼み」に感じてしまうのは否めません。
わんちゃんの長生きには飼い主の愛情も関係「あると思う」は92.5%に!
わんちゃんの長生きには飼い主さんの愛情も関係「あると思う」と回答した飼い主さんは92.5%でした。
どうしてそう思うのか、まずは実際のコメントをご覧ください。
【あると思う】実際のコメント
「病気や体調不良にいち早く気づくのは、日々しっかりと接していないとできないと思うから」(女性 / 30代)
「ストレスは寿命に強く影響すると思うから」(女性 / 30代)
「人間の赤ちゃんに愛情を与えないで育てた結果大人になれずに亡くなってしまったという学術結果があるくらい愛情は生きていくために必要なものなので、犬も同じだと思うから」(女性 / 20代)
【ないと思う】実際のコメント
「以前、キャバリアを飼っていましたが、10歳くらいで亡くなったから。キャバリアはもともと寿命が短いので、注意してましたが、あまり効果がなかったです」(女性 / 30代)
「愛と生物学とは切り離して考えるべきだから。愛があっても死ぬ時にはさっさと死ぬのも確かだから」(男性 / 30代)
「喋れるわけではないので、痛みや病気などに必ずすぐに気づくことは難しく、どんなに愛情を注いでいても病気にはかかってしまうしいつかかるかも分からないので、こればっかりは愛情で長生きするかは関係ないと思います」(女性 / 30代)
確かに、飼い主さんがどんなに気をつけていても、わんちゃんも生き物である以上、病気になってしまうものです。
しかし、その病気にいち早く気づいてあげられるか、予防できる病気にかからせない努力をするといったことは、やはり飼い主さんの日々の観察や接し方、心構え=愛情に関わってくるのではないでしょうか。
実際、飼い主さんの愛情とわんちゃんの寿命の関係に科学的な根拠はありませんが、長寿に関連する要因はわんちゃんの健康と飼育条件に関する飼い主さんの配慮レベルに依存すると結論付けている研究結果(※4)もあります。
また、飼い主さんとわんちゃんが触れ合ったり見つめ合ったりすることで「オキシトシン」の分泌が促されますが、オキシトシンはストレスや不安を軽減し、免疫力を高めるなど、さまざまな働きをしてくれることがわかっています。(※5)
もちろん、個体差や遺伝、病気などさまざまな要因があるため、必ずしも愛情をかけたからといって長生きできるわけではありませんが、愛情をかけないよりも愛情をかけたほうがそのわんちゃんの寿命は1日でも長くなることは間違いないでしょう。
(※4)参考: CiNii Research「犬と猫における長寿に関わる要因の疫学的解析」 https://cir.nii.ac.jp/crid/1390282679314671360
(※5)参考:J-SYAGE「愛情ホルモン・オキシトシンと心のきずなについて」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/iken/29/2/29_29-171/_pdf
わんちゃんの長生きにはわんちゃんの性格も関係「あると思う」75.9%
わんちゃんの長生きにはわんちゃんの性格も関係「あると思う」と回答した飼い主さんは75.9%でした。
どうしてそう思うのか、まずは実際のコメントをご覧ください。
【あると思う】実際のコメント
「繊細な犬はストレスを溜めやすく病気になりやすいと思う」(女性 / 40代)
「好奇心がありすぎたりすると交通事故や誤飲等による不慮の事故の可能性もある」(女性 / 30代)
「無駄吠えをしたり、興奮しやすい犬はそこにエネルギーを使って寿命が短くなると思うから 」(女性 / 40代)
【ないと思う】実際のコメント
「人間と異なり精神面が肉体面の疾病に与える影響はやや少ないと思うからです」(女性 / 30代)
「もともと病気の元となる遺伝子を持っており突然死する犬(特に小型犬や新種犬)も多いので、一概に性格が関係しているとは言い難い」(女性 / 40代)
「長生きするかどうかは、基本的な体の作りや毎日の過ごし方、食事の内容によると思う。性格による影響はないような気がする」(女性 / 50代)
「あると思う」では、ストレスに関するコメントが多く見られました。一方で「ないと思う」では、「人間とは違う」というコメントが多く見られ、わんちゃんはストレスの影響を受けにくいと思っている飼い主さんも少なくないようです。
性格とストレスは一見関係のないようにも見えますが、ストレスを抱えやすい性格のわんちゃんは体調不良を起こすリスクが高まるため、まったく関係ないとも言い切れないのではないでしょうか。
実際、カナダのシャーブルック大学の進化生物学者ヴィンセント・カロー氏は、「従順な犬は長生きする傾向にある」との調査報告を発表する(※6)など、性格も寿命と深い関わり合いがあると考えられています。
また、性格によって寿命を縮めるような事故ことが起こり得るリスクがあることも指摘されていることから、性格だけが寿命に関係するわけではありませんが、性格も長生きする要因の1つと言えるでしょう。
わんちゃんの性格と寿命の関係については本記事で詳しく紹介しています。
(※6)参考: THE UNIVERSITY OF CHICAGO PRESS JOURNALS「The Pace of Life under Artificial Selection: Personality, Energy Expenditure, and Longevity Are Correlated in Domestic Dogs」 https://www.journals.uchicago.edu/doi/abs/10.1086/652435?journalCode=an
愛犬に長生きして欲しいというのは飼い主さんなら誰もが思うことでしょう。「長生きの秘訣を知りたいですか?」という質問では、98.1%(208人)の飼い主さんが「知りたい」と回答したほどです。
では、長生きについてどんなことを聞いてみたいのかを質問したところ、長生きしているわんちゃんがどんなものを食べてどう暮らしているのかが知りたいという飼い主さんが多く見られました。
わんちゃんの長生きの秘訣を紹介するサイトはたくさんありますが、やはり「実際に長生きしているわんちゃんがどうしているのか」を知りたいというのが根底にあるようです。
本記事では、実際に18歳、19歳、20歳のご長寿わんちゃんの飼い主さんたちに取材して、食事や散歩、普段の生活で気をつけていることなど紹介しています。
また、愛犬に長生きしてもらうために飼い主さんがする6つのポイントも紹介しているので、ぜひご覧ください。
わんちゃんの長生きの秘訣は永遠のテーマで明確な答えがあるものではありませんが、だからこそ愛犬との1日1日を大切に過ごすことが何よりも重要と言えるのではないでしょうか。
この記事について
▼本記事
犬の長生きの秘訣に迫る!食べ物や普段の生活などご長寿犬飼い主さんたちにも取材
https://inunavi.plan-b.co.jp/column/dog_long_life/
▼調査概要
アンケート内容:わんちゃんの「長生き」についての意識調査
調査方法:インターネット調査
対象:全国の10代~60代の犬の飼い主さん212人(女性129人 / 男性83人)
実施日:2023年8月5日~8月6日
▶回答者の属性は本記事をご覧ください
■会社概要
株式会社 PLAN-B
大阪本社:大阪市西区新町 1-28-3 四ツ橋グランスクエア 6階
東京本社:東京都品川区東五反田2-5-9 島津山PREX 3階
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