ガザ・中東人道危機発生から半年~国際NGOプラン・インターナショナルが、民間人と援助関係者の安全の保障を要請
世界で最も深刻な人道危機に対し人道支援の大幅な強化を
2023年10月7日にイスラエル軍とイスラム組織ハマスの衝突が始まって6カ月が経過します。パレスチナ保健省によると、ガザ地区では、1万3000人の子どもを含む3万2000人を超える人々が命を落としたと報告されています。
半年間にわたる絶え間ない空爆により、ガザ地区に暮らすほぼすべての人々は、人道支援に頼った生活を送っています。しかし、ガザ地区が封鎖され物資の流入が妨げられ、人道支援団体とその職員の安全と保護が無視されていることから、ガザ地区に暮らす人々の命を救うために必要な物資を届けることができない状態が続いています。
ガザ地区の被災者の最低限のニーズを満たすためには、毎日500台の人道支援物資や商業物資を積んだトラックがガザ地区に入ることを許可されなければならないと言われていますが、紛争が始まって以来、その何分の一も届いていないのが実情です。
3月に発表された「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」*の報告書で、ガザ地区の全人口に当たる230万人が危機的レベルの飢餓に直面しており、飢餓のリスクは日に日に高まっていることが分かりました。報告書によると、ガザでは高レベルの急性食料不安の影響を受けている世帯の割合が世界的に見て過去最高になっているそうです。
*Integrated Food Security Phase Classification: IPC: https://www.ipcinfo.org/
また、プランは、空爆や飢餓、医療支援の欠如によって死の危険にさらされている数え切れないほどの子どもたちが、家族や友人の死を目撃したり、生涯苦しむような身体的な傷を負ったりして、かけがえのない子ども時代を奪われた結果、長く続く心理的なダメージを負っていることを指摘しています。
医師/プランの国際人道支援ディレクター ウニ・クリシュナンのメッセージ
ガザの子どもたちにとって、時間は急速に失われつつあります。今こそ人道支援の大幅な強化が求められています。これを実現するためには、民間人と援助関係者の安全を確保することが最も重要です。
今、ガザは世界で最も深刻な人道危機に直面し、子どもにとって世界で最も危険な場所になってしまっています。戦争がもたらす壊滅的な心理的影響は、戦闘が止んだあとも子どもたちを苦しめ続けます。ガザ地区に暮らす18歳の子どもたちは、2006年、2008年、2012年、2014年、2021年、そして2023年10月以降の紛争を経験し、若い心に大きな傷を負ってしまっているのです。すべての子どもたちは、暴力や恐怖から解放されて生きる権利があり、その権利を守ることは国際社会が果たすべき連帯責任です。
プランが実施している活動
2023年10月以来、プランは、現地のパートナー団体を通じてラファで合計6000人の国内避難民に食料を提供したり、エジプト赤新月社とも協力し、エジプトのラファ検問所経由で、これまでに食料バスケット600個、救急キッ ト1000セット、水1600カートンを届けたりしました。また、ガザ地区の女性たちに、アバヤ(民族衣装)、ヘアブラシ、下着、防寒用ショールなど女性に配慮した品物を含んだキットを届ける活動も行っています。
● ガザ・中東人道危機緊急支援
https://www.plan-international.jp/special/lp/emr_gaza-middleeast/
プラン・インターナショナルは、女の子が本来持つ力を引き出すことで地域社会に前向きな変化をもたらし、世界が直面している課題の解決に取り組む国際NGOです。世界75カ国以上で活動。世界規模のネットワークと長年の経験に基づく豊富な知見で、弱い立場に置かれがちな女の子が尊重され、自分の人生を主体的に選択することができる世界の実現に取り組んでいます。 |
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