村上春樹氏の長編小説『ねじまき鳥クロニクル』を、佐藤優が読み解く! 同志社大学での講義を書籍化
小説を精読することを通じて、人間の「根源悪」の問題に対峙する
悪に無自覚であってはならない――。
人と人との関係の中から悪は生まれ、自らの悪に気づかないことが、さらなる恨みや憎しみを生む。
人々の悪が社会の中で増幅すれば、やがて戦争や虐殺事件のような惨劇につながることもある。
村上春樹氏の長編小説『ねじまき鳥クロニクル』をテキストとして、資本主義、能力主義、軍国主義など社会システムが生み出す悪から、人間関係の中で生まれる悪まで、人間の「根源悪」の問題についてあらゆる角度から考察する。
母校・同志社大学の教育機関「新島塾」にて行われた講義が待望の書籍化。
本書の目次
・人間の根源悪を見つめる
・小説を読むことは自己対話
・メタファーに隠された意味
・マルクスが見抜いた労働疎外
・資本の論理が暴走する時代
・ノモンハン事変の重要性
・人体実験は悪魔のしわざか
・エリート参謀・辻政信
・メリトクラシーによる弊害
・仏教とキリスト教の「悪」
・人に会うことは暴力である
・亨が綿谷ノボルを憎む理由
・自分の悪に気づかない悪
・「顔のない男」が意味するもの ……ほか
著者プロフィール
佐藤 優(さとう まさる)
1960年東京都生まれ。作家、元外務省主任分析官。1985年同志社大学大学院神学研究科修了。外務省に入省、在ロシア連邦日本国大使館に勤務。その後、本省国際情報局分析第一課で、主任分析官として対ロシア外交の最前線で活躍。2002年背任と偽計業務妨害容疑で逮捕され、2009年最高裁で有罪が確定、外務省を失職。2005年に発表した『国家の罠』(新潮社)で第59回毎日出版文化賞特別賞受賞。『自壊する帝国』(新潮社、2006年)で新潮ドキュメント賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『獄中記』(岩波書店)、『私のマルクス』(文藝春秋)、『人に強くなる極意』(青春出版社)など著書多数。
書籍情報
『同志社大学講義録『ねじまき鳥クロニクル』を読み解く』
編者:佐藤優
発売日:2023年5月22日
定価:2,090円(税込)
ISBN:978-4-413-23307-1
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