化粧品容器を扱う際に“所作”を意識することでスキンケアに集中し、自分の肌や気持ちに向き合う
日本の伝統に基づく茶道や礼法では、立ち居振る舞いを意識します。これは他者やものへの思いやりから行なわれる美しい動きで、私たちはこの“目的をもって行なう美しく丁寧な動き”を“所作”として研究をすすめています。
今回は“化粧品容器を扱う時間”を“スキンケアを行なう前の準備時間”として、容器を扱う際に“所作”を意識する影響を調査しました。
本研究は、第24回日本感性工学会大会(2022年8月31日~9月2日 オンライン開催)にて発表し、優秀発表賞を受賞しました。
今回は“化粧品容器を扱う時間”を“スキンケアを行なう前の準備時間”として、容器を扱う際に“所作”を意識する影響を調査しました。
本研究は、第24回日本感性工学会大会(2022年8月31日~9月2日 オンライン開催)にて発表し、優秀発表賞を受賞しました。
“所作”を意識して容器を扱うことでスキンケアへの向き合い方が変化!
女性130名に自宅でスキンケアをしてもらい、容器を扱う際に“所作”を意識させる・させないグループを設定して(表1)※1、スキンケアについての考え方※2や効果感※3の評価を比較しました。
その結果、所作を意識させなかったグループ③に比べて、所作を意識させたグループ①②は、スキンケアの際の「集中」や「肌の感覚が研ぎ澄まされている」項目への評価が有意に高く、“所作”を意識して容器を扱うことでスキンケアへの向き合い方や効果感が変化することが示されました(図1)。
自分が容器を「丁寧」に扱う所作を意識すると
グループ①は自分の内面に意識を向ける項目「ふと、一歩離れたところから自分をながめてみることがある」が有意に高かったことが特徴で、「肌の感覚が研ぎ澄まされている」の評価も高い結果となりました。自分が容器を「丁寧」に扱う所作を意識することで、スキンケアの際に自分の内面に注目し、肌の感覚をより繊細に感じていることがうかがえます。このことから、自分の肌を“いつくしむ”スキンケアが促進されると考えられます。
他者に「美しい」印象を与える所作を意識すると
グループ②では「自分のことを好きになれた」「スキンケアが好き」が有意に高く、「スキンケアは丁寧にしたい」なども高い傾向であることから、自分自身やスキンケアという行為をポジティブに捉えられていると考えられます。また、「肌の感覚が研ぎ澄まされている」ことから、他者に「美しい」印象を与える所作を意識することで、自分を肯定でき、スキンケアに対して前向きに楽しい気持ちが生まれ、肌の感覚もより意識されることが推察されました。
花王はこれまでに、使用時に自然と所作が美しく見えるような化粧品容器の設計なども行なっています。今後は、より丁寧に容器を扱うことでスキンケア時間に自分の肌をいつくしむ、またより美しく容器を扱うことで自分を前向きに捉えるなど、容器を手にした瞬間から始まる充実したスキンケア時間の提案をめざしていきます。
※1 12日間の自宅での使用試験。前半6日間はクリーム塗布方法のみ、後半6日間はクリーム塗布方法に加えてクリーム容器を扱う際の“所作”を意識する期間とし、後半6日間後に行なったアンケートを比較。
※2 「スキンケアは丁寧にしたい」「スキンケアは楽しい」などスキンケアについての考え10項目。
※3 「肌の感覚が研ぎ澄まされている」「自分の肌に自信が持てている」などスキンケア効果感8項目。
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