母の日に読みたい一冊。直木賞作家・桜木紫乃による初の絵本「いつか あなたを わすれても」が話題
中央公論文芸賞を受賞した小説『家族じまい』のアナザー・ストーリー
「おかあさん、わたしをわすれていいよ。わすれたほうが、さびしくないから。わすれたほうが、こわくないから」この言葉を、気持ちを、母に手渡したい。その気持ちが、絵本というかたちになりました。──著者・桜木紫乃からのメッセージより
直木賞作家・桜木紫乃による初の絵本が静かな感動を呼んでいます。
記憶という荷物を下ろし始めたさとちゃんは、ママのおかあさん。そして、わたしのおばあちゃん。おばあちゃんに忘れられてしまったママはこれまでの思い出の荷造りを始める。「あんしんしていいよ。これは、たいせつな、たいせつな、わたしたちのじゅんばん」。やがて訪れるお別れを前にして、ママからおばあちゃんへの、そしてわたしへの思いが語られる…。
生まれ、育ち、そして子どもを生み育み、やがて老いていくこと、そのすべてが”たいせつなじゅんばん”だということがこの作品に描かれています。おんなのこがおんなのひとになり、しあわせの階段を上がる時も、老いていろんなことを忘れていく時も、そのすべてがかけがえのないものだというメッセージが心に響きます。すべての”少女”と”少女だった人”たちへそっと寄り添う物語です。
【書誌情報】
著者:桜木 紫乃・著 /オザワ ミカ・画
定価:1870円(10%税込み)
体裁:B5判変型
頁数:48頁
ISBN:978-4-08-299028-2
発売日:2021年3月26日
発行:株式会社 集英社
公式HP:https://kids.shueisha.co.jp/sp/itsukaanatawowasuretemo/
【著者・桜木紫乃からのメッセージ】
母が、わたしの名前を忘れていることに気づいたとき、実はあまり悲しくなかったんです。ああそうか、とうとうきたか、という感じでした。不思議なほど、感情は揺れませんでした。思ったのは、ふたりが母と娘として半世紀かかって描いてきた絵に、ちゃんと余白が生まれて、完成が近づいてきたということでした。
この先、どんどんわたしを忘れてゆく母のことを考えながら、「家族じまい」という小説を書きました。絵本「いつか あなたを わすれても」は、小説からは漏れた、孫の視点で書いてみました。不要な言葉を取り払ってゆく作業のなかで、わたし自身が娘になったり孫になったり、いつか迎える老いた時間を眺めたり、ひとつ、女に生まれたことの答えを探す、よい時間を過ごせたと思います。
「おかあさん、わたしをわすれていいよ。わすれたほうが、さびしくないから。わすれたほうが、こわくないから」この言葉を、気持ちを、母に手渡したい。
その気持ちが、絵本というかたちになりました。
【女優・広末涼子さんご推薦!】
「さよならの準備も覚悟も、わたしはまだできていない。
だけど “たいせつなじゅんばん“を、わたしも母からうけとり、
娘へとわたす日が、いつか必ず訪れる」
――広末涼子さん(女優)
記憶という荷物を下ろし始めたさとちゃんは、ママのおかあさん。そして、わたしのおばあちゃん。おばあちゃんに忘れられてしまったママはこれまでの思い出の荷造りを始める。「あんしんしていいよ。これは、たいせつな、たいせつな、わたしたちのじゅんばん」。やがて訪れるお別れを前にして、ママからおばあちゃんへの、そしてわたしへの思いが語られる…。
生まれ、育ち、そして子どもを生み育み、やがて老いていくこと、そのすべてが”たいせつなじゅんばん”だということがこの作品に描かれています。おんなのこがおんなのひとになり、しあわせの階段を上がる時も、老いていろんなことを忘れていく時も、そのすべてがかけがえのないものだというメッセージが心に響きます。すべての”少女”と”少女だった人”たちへそっと寄り添う物語です。
【書誌情報】
著者:桜木 紫乃・著 /オザワ ミカ・画
定価:1870円(10%税込み)
体裁:B5判変型
頁数:48頁
ISBN:978-4-08-299028-2
発売日:2021年3月26日
発行:株式会社 集英社
公式HP:https://kids.shueisha.co.jp/sp/itsukaanatawowasuretemo/
【著者・桜木紫乃からのメッセージ】
母が、わたしの名前を忘れていることに気づいたとき、実はあまり悲しくなかったんです。ああそうか、とうとうきたか、という感じでした。不思議なほど、感情は揺れませんでした。思ったのは、ふたりが母と娘として半世紀かかって描いてきた絵に、ちゃんと余白が生まれて、完成が近づいてきたということでした。
この先、どんどんわたしを忘れてゆく母のことを考えながら、「家族じまい」という小説を書きました。絵本「いつか あなたを わすれても」は、小説からは漏れた、孫の視点で書いてみました。不要な言葉を取り払ってゆく作業のなかで、わたし自身が娘になったり孫になったり、いつか迎える老いた時間を眺めたり、ひとつ、女に生まれたことの答えを探す、よい時間を過ごせたと思います。
「おかあさん、わたしをわすれていいよ。わすれたほうが、さびしくないから。わすれたほうが、こわくないから」この言葉を、気持ちを、母に手渡したい。
その気持ちが、絵本というかたちになりました。
【女優・広末涼子さんご推薦!】
「さよならの準備も覚悟も、わたしはまだできていない。
だけど “たいせつなじゅんばん“を、わたしも母からうけとり、
娘へとわたす日が、いつか必ず訪れる」
――広末涼子さん(女優)
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