【2025年2月M&A統計】134件(前年同月比36件増)、取引総額1兆1778億円
TOBが頻出、前年を大きく上回る

2025年2月のM&A件数(適時開示ベース)は前年同月比36件増の134件となり、低調な出だしだった先月とは一転、増加に転じました。取引総額は1兆1778億円と前年同月比約1割伸びました。
上場企業の適時開示情報のうち、経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)について、M&A Online編集部が集計しました。
日本郵政、物流のトナミHDをTOBで子会社化
2月の案件で注目されるのは、日本郵政がトナミHDを子会社化する案件です。日本郵政はグループ会社の幹線輸送ネットワーク、ロジスティクス事業、グローバルなフォワーディング事業の強化につなげます。
トナミHDは減少傾向にある国内貨物輸送量、燃料価格の高止まりや人件費の増加、拍車のかかった人手不足など経営環境が厳しさを増していることで、2023年10月下旬から、資本提携や非公開化などの選択肢の検討を始め、2024年5月には外部パートナーの資金力を活用することが必須と判断していました。
TOB(株式公開買い付け)は、日本郵政の子会社日本郵便が99.97%を保有し、トナミHDの創業家や経営陣の出資する特別目的会社(SPC)が実施、トナミHDを非公開化し完全子会社にします。経営陣は続投します。
TOBが頻出、前年大きく上回る
2月はTOBも頻出しました。EDINET開示ベースで23件に上りました。前年同月は6件でした。子会社化、親子上場の解消、純投資など目的はさまざまですが、2024年同様、海外を含む投資ファンドがTOB増をけん引しています。2024年は2月までで13件、累計で100件。2025年は2月までで27件となっており、昨年を大きく上回るペースでTOBが実行されています。
2月のM&A上位3社
①三菱ケミカルグループ
・概要:三菱ケミカルグループが子会社の田辺三菱製薬を米投資ファンドのベインキャピタルに譲渡
・取引金額:5100億円
・詳細:三菱ケミカルグループは昨年11月に行った経営方針説明会で、モビリティー、半導体、食関連など5領域での高機能素材開発を重点的に進め、経営資源を化学事業に集中させる方針を打ち出していました。そのなかで、ファーマ事業はパイプライン強化に向けて多額の投資が必要とし、ベストパートナーの探索を課題としていました。
②SGホールディングス
・概要:SGホールディングスが台湾の物流大手モリソン・エクスプレス・ワールドワイドを子会社化
・取引金額:約1368億円
・詳細:モリソン・エクスプレス・ワールドワイドは、航空貨物を中心とする輸送・運送・通関サービス事業などの手続きを顧客に代わって行うフォワーダーです。これにより、SGホールディングスは航空貨物事業の拡大とアジアを中心とするグローバル物流ネットワーク強化を図る狙いです。
③日本郵政
・概要:日本郵政が物流のトナミホールディングスをTOBで子会社化し非公開化へ
・取引金額:925億円
・詳細:日本郵政はトナミホールディングスを傘下に迎え、グループ会社の幹線輸送ネットワーク、ロジスティクス事業、海外を含むフォワーディング事業の強化につなげます。
2月のM&A・金額上位10社
1.三菱ケミカルグループ:子会社の田辺三菱製薬を米投資ファンドのベインキャピタルに譲渡 5100億円
2.SGホールディングス:台湾の物流大手モリソン・エクスプレス・ワールドワイドを子会社化 1368億円
3.日本郵政:物流のトナミホールディングスをTOBで子会社化し非公開化へ 925億円
4.芝浦電子:同社に対して台湾電子部品大手YAGEOがTOB予定を発表 655億円
5.プロトコーポレーション:創業家によるMBOで株式を非公開化 525億円
6.カオナビ:米投資ファンドのカーライル・グループのTOBを受け入れて株式を非公開化 497億円
7.日本ガイシ:熱交換器・膜装置製造のドイツBorsigを傘下に置く持ち株会社を子会社化 423億円
8.MIXI:オーストラリアのベッティング大手PointsBetを子会社化 352億円
9.テクノスジャパン:アント・キャピタル・パートナーズ系の投資会社によるTOBで上場廃止へ 223億円
10.東都水産:麻生グループのTOBを受け入れ 183億円

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