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国境なき医師団(MSF)日本
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エボラ出血熱:治療薬の初の臨床試験がMSFの活動地で始まる

国境なき医師団

臨床試験による治療薬確定に期待が高まる(写真は現在リベリアで用いられている対症療法の薬)臨床試験による治療薬確定に期待が高まる(写真は現在リベリアで用いられている対症療法の薬)

国境なき医師団(MSF)は、エボラ出血熱治療薬の臨床試験を12月より、西アフリカで運営中のエボラ治療センター3ヵ所で受け入れると発表した。内容の異なる3つの試験を実施し、エボラ出血熱に有効な治療薬の特定を急ぐ。今回の流行では西アフリカ地域を中心に既に5000人の命が奪われている。

試験は3つの研究機関が担当する。フランス国立保健医学研究所(INSERM)がギニアのゲケドゥ県で行う試験の対象は抗ウイルス剤のファビピラビル(商品名アビガン)。ベルギーのアントワープ熱帯医学研究所(ITM)は、ギニアの首都コナクリのドンカ病院内エボラ治療センターで回復者の全血および血漿を用いた治療法を試験する。そして、国際重症急性呼吸器・新興感染症協会(ISARIC)を代表する英オックスフォード大学が公益信託団体ウェルカム・トラストの融資のもと抗ウイルス薬ブリンシドフォビルの試験を担う。このブリンシドフォビルの試験の場所は未定。世界保健機関(WHO)とエボラ流行国の保健担当局もこの協力体制に加わる。

<最初の試験結果は来年2月>

「この類まれなる国際的連携は、感染後の致死率50~80%という病気の専門治療がついに受けられるという希望を患者にもたらすものです。西アフリカのエボラ治療の主要な提供者に数えられるMSFも臨床試験の推進に協力します。いまも続く流行の被害者の生存率を高めるためです」今回の共同試験のMSF側の調整担当アニク・アンティレンス医師はそう話す。

臨床試験プロトコルの作成は最終段階にあり、14日間の生存という明確な目標と広範な選択基準が設定されている。また、既存の治療に対する影響の最小限化、国際的に認められている医療・研究倫理の順守、有用な科学データの取得と公益のための提供にも配慮する。こうした主な原則と設計は関係国の倫理監督局にも通達し、2014年12月中の試験開始を目指す。それが実現すれば、最初の試験結果は2015年2月に得られる見込みだ。

ブリンシドフォビルとファビピラビルはいずれもWHOのエボラ治療薬候補リストにあがっているが、安全性、有効性、供給力、患者への投与の簡便さの点で審査された上で選ばれている。

<エボラへの恐怖と、回復者への偏見をなくすために>

ISARICの担当試験で責任者を務めるピーター・ホービー教授は次のように述べている。「人道危機のさなかで実験薬の臨床試験を行った経験のある者はおりません。しかし、私たちは西アフリカの人びとを見捨てまいと心に誓っています。今回の共同試験の参加者が皆、安息の場にとどまることなく、明暗を分かつ重要な臨床試験を急ごうと大変な意欲を見せているその場に立ち会えて光栄です」

ギニアでINSERMの試験を指揮するデニス・マルヴィ教授は「3件の臨床試験は、エボラ患者のための最善の治療法を模索する研究の第1段階にあたります。ですから、いずれの試験の審議会も臨機応変に運営され、新たな事象を速やかに検討し、試験計画を適切に調整していく所存です。各チームの連携強化もいっそう重要になります。試験で有望な結果が得られれば、次の段階では併用療法が研究対象になるかもしれないからです」と話す。

回復者の全血・血漿療法の試験では、エボラ克服者から採取した抗体を含む血液または血漿を感染者に投与する。この治療法はWHOも支持している。

「回復した患者の全血および血漿は、病原に対する抗体を含んでおり、エボラ以外の感染症については安全に実用されてきました。私たちは、この治療法のエボラへの有効性、安全性、今回の流行で人命を救うための利用拡大の可能性を見極めたいと考えています。エボラ回復者や地域社会との緊密な連絡が、この試験の成功の鍵となるでしょう。回復した患者さんから血液や血漿が提供され、いま病床にある人のエボラへの恐怖と、回復者への偏見が緩和されることを願っています」ITMの試験の調整役を担うヨハン・ファン・グリーンスフェン氏はそう語る。

その他の実験薬や、エボラ以外の病気に適用されてきた既存薬もデータにより有効性と安全性が見込まれ、条件が整えば、西アフリカのMSFエボラ治療センターでの新たな臨床試験を視野に入れた検討の対象となる。

<ニーズに基づいた最終製品の供給を>

今回の3件の臨床試験では、地域の人びとの協力や、患者またはその代理人からのインフォームドコンセントを重視。臨床試験への参加に同意した患者には必ず、新規の治療法の被験者となることのリスクが適確に説明される。アンティレンス医師は次のように訴える。

「今回の治療法が特効薬になる保証のないことを忘れてはいけません。しかし、現状で使える医薬品の試験に手を尽くし、エボラに有効な治療薬特定の可能性を高める必要があるのです」

臨床試験に向かう一方で、MSFは薬剤開発者に生産供給体制の拡充を急ぎ、臨床試験の完了直後に、安全性と有効性の確認された薬剤が大量導入されるよう要請。また、薬品生産者には、西アフリカの感染地域における流行抑止に必要な量の最終製品を適正価格で提供するよう求めている。最終製品の供給は感染者の居住地や当該国の購買力ではなく、ニーズに基づいて行われることが望ましい。

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医療・福祉
本社所在地
東京都新宿区馬場下町1-1  FORECAST早稲田FIRST 3階
電話番号
03-5286-6123
代表者名
村田慎二郎
上場
未上場
資本金
-
設立
1992年12月
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