アクセンチュア最新調査――金融機関は破壊的技術のリスク評価に苦戦

リスク管理部門の管理職は、AIやブロックチェーン、RPAの導入で想定外のリスクを発生させる可能性があると回答。72%は自身のスキル向上よりも速いペースで複雑なリスクが発生していると認識

アクセンチュア株式会社

【ニューヨーク発:2019年12月3日】アクセンチュア(NYSE: ACN)の最新調査によると、金融機関のリスク管理部門を率いる管理職の大多数が、自身が破壊的技術のリスクを適切に評価できる能力があるとは考えておらず、新たな脅威により効果的に対処するために新しい戦略とツールの積極的な導入に意欲的であることが明らかになりました。
 
アクセンチュアが行った最新調査「Accenture 2019 Global Risk Management Study(アクセンチュア 2019 グローバルリスク管理調査)」は、世界の銀行、保険、証券分野のリスク管理部門を率いる管理職約700人を対象とした調査に基づき作成されています。

本調査によると、組織全体で人工知能(AI)を導入する際のリスクを適切に評価できると回答したリスク管理部門管理職はわずか11%であり、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)やブロックチェーン導入のリスクに関してはそれぞれ9%、5%と、さらに下回っています。

さらに本調査では、外部のリスク要因がより複雑化するなか、リスク管理部門は新たな脅威や加速する変化に対応していくために、これまでのやり方を変えていく必要があると考えていることも判明しました。
 
例えば、回答者の72%が、相互に関連する複雑かつ新たなリスクがかつてないほど急速に発生していると答えている一方で、回答者の42%は、リスク管理部門が一定の効果を上げているのは、外部のリスク環境の変化への迅速な対応のみだと答えています。

アクセンチュアのシニア・マネジング・ディレクターで財務・リスク管理事業のグローバル統括であるスティーブ・カルプ(Steve Culp)は、次のように述べています。「リスク環境が変化と進化を続けるなか、データ漏洩に対する防御や相互に関連した新しい脅威への対応はますます複雑化しています。問題は、リスク管理を担う管理職がテクノロジーと同じペースで進歩できていないことです。しかしながら、リスク管理部門の管理職は、コスト削減の圧力を受けながらも、幅広いデータソースや高度なアナリティクス、AIなどを含む新しいツールやアプローチを取り入れる必要性を認識しています。」

各テクノロジーの導入に伴う組織のリスクを「十分に評価できている」と考えているリスク管理部門の管理職の割合各テクノロジーの導入に伴う組織のリスクを「十分に評価できている」と考えているリスク管理部門の管理職の割合

 

 

AIや自然言語処理などの破壊的技術の不適切な導入は組織全体にリスクをもたらす可能性がある一方、こうしたテクノロジーの導入と堅牢なリスクへの備えの間には、強固な相関関係があることが本調査により明らかになりました。

例えば、将来のリスクに対して過去2年間で行った対応に満足していると答えたグローバルの回答者の割合は、リスク管理部門で機械学習を活用している場合は73%だったのに対し、機械学習や高度なアナリティクスを活用していない場合は45%に留まっています。

リスク管理部門における高度かつ大規模なテクノロジー導入は依然として限定的です。グローバルにおいて、ほぼ全てのリスク管理部門が日常業務の自動化にRPAの活用を始めている一方で、AIや予測モデリングなどの高度なアナリティクス手法やデータセットを適用していると答えた回答者は40%に留まり、機械学習の活用に至ってはわずか10%でした。こうしたテクノロジーには、リスクを軽減しリスクの専門家のパフォーマンスを改善する大きな可能性があるため、導入しなければ、リスク管理部門はこうしたチャンスを逃すことになると本調査は指摘しています。 


データに関する課題が高度なアナリティクスの導入を阻害
本調査によると、サイロ化されて保存されているデータ、不明瞭な規制やレガシーシステムとの連携という3つのデータに関する課題が、リスク管理部門の高度なアナリティクス手法やテクノロジーの導入を妨げています。

リスク管理部門の経営層は、有益な知見を生むためにデータの収集や分析方法を改善する必要があることを理解しています。例えば、リスク管理部門経営層の63%が企業全体でデータ収集能力の改善に取り組んでいると答え、66%が分析能力の向上に力を入れていると回答しています。また、本調査では、脅威に対処しビジネス全体の価値を高めるには、データをより迅速に取得し、さらにマーケティングやソーシャルメディアなどの新たなデータソースにも対応する必要があることを本調査では指摘しています。

ビジネス成果の向上にリスク管理部門が果たす役割の重要性を他部門が認識していると考える回答者は、わずか55%でした。リスク管理部門の管理職がいかに組織全体に付加価値をもたらすことができるかについての認識を高めるには、部門間の連携強化が不可欠であると、本調査は指摘しています。リスク管理部門は財務部門との連携を強化しており、回答者の75%が財務部門と密接な関係を築いていると答えています。

前述のカルプは次のように述べています。「他の事業部門との連携を強化し幅広いデータと分析力を鍛えることによって、リスク管理部門は新たな脅威の予測、評価、軽減する能力を大幅に強化することが可能です。迅速な行動は極めて重要ですが、リスク環境全体を把握し、既知の事項について優先順位を定め、まだ理解していないことに対して備え、コントロールの見直しに役立てることも重要です。」

レポートの詳細はこちらからご確認いただけます (英文のみ)。
http://www.accenture.com/globalriskstudy  


調査方法
「Accenture 2019 Global Risk Management Study(アクセンチュア 2019 グローバルリスク管理調査)」は、2009年に初めて実施して以来、今回で6回目になります。本調査は2019年3月から4月にかけて、Longitude Research社がアクセンチュアに代わり、世界の銀行、保険、証券分野の企業のリスク管理部門の経営層683人を対象に電話インタビュー(CATI)を実施しました。

アクセンチュアについて
アクセンチュアは「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」の5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供する世界最大級の総合コンサルティング企業です。世界最大の規模を誇るデリバリーネットワークに裏打ちされた、40を超す業界とあらゆる業務に対応可能な豊富な経験と専門スキルなどの強みを生かし、ビジネスとテクノロジーを融合させて、お客様のハイパフォーマンス実現と、持続可能な価値創出を支援しています。世界120カ国以上のお客様にサービスを提供する50万5,000人の社員が、イノベーションの創出と世界中の人々のより豊かな生活の実現に取り組んでいます。
アクセンチュアの詳細はwww.accenture.comを、
アクセンチュア株式会社の詳細はwww.accenture.com/jpをご覧ください。

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会社概要

アクセンチュア株式会社

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URL
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業種
サービス業
本社所在地
東京都港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR
電話番号
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代表者名
江川昌史
上場
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資本金
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設立
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