GHQ指令で教室から消えた昭和18年の国史教科書――『[復刻版]初等科国史』が14刷

戦時下に生まれ、十分に使われないまま敗戦を迎え、墨塗りと歴史授業の停止によって封じられた教科書を現代の読者へ

株式会社ハート出版

本書は、昭和18(1943)年から国民学校初等科で使われた国史教科書を、新字体・現代仮名遣いに改めて復刊したものです。2019年10月の刊行以来版を重ね、このたび14刷となりました。

『初等科国史』が教科書として使われた期間は、長くありません。

昭和16(1941)年、従来の尋常小学校を改組して国民学校が発足しました。それに伴い、それまでの『小学国史』の内容、文章、挿絵などを全面的に改めて編纂されたのが『初等科国史』です。

しかし、使用が始まった昭和18年には戦局が悪化し、翌19年には学童疎開が始まりました。新版も作られましたが、授業そのものが困難になるなか、実際にどこまで使われたかは明らかではありません。

昭和20年の敗戦後、この教科書を授業で使う場合には多くの箇所が墨塗りの対象となり、同年末のGHQ指令によって国史の授業そのものが停止されました。解説を執筆した評論家・三浦小太郎氏が「一度は歴史の闇に葬られた」と表現するように、『初等科国史』は教室から姿を消しました。

それから70年以上を経て復刊された本書が14刷に到達した背景には、戦前・戦中の子供たちが実際にどのような歴史を学んでいたのかを、自分の目で確かめたいという読者の関心があります。

戦前の歴史教科書は、戦後長く「皇国史観の押し付け」「戦時教育」として一括して否定されてきました。しかし、批判するにせよ評価するにせよ、まず原文を読まなければ、その実像を知ることはできません。

本書を開いて目に入るのは、神話の時代から昭和までを一つの物語として描く構成、現代の小学校教科書を上回る豊富な情報量、そして子供向けの教科書とは思えない格調のある文章です。仁徳天皇の「民のかまど」、聖徳太子と法隆寺、楠木正成をはじめとする南朝の忠臣たちなどが、美しい挿絵とともに生き生きと語られています。

三浦氏は解説で、偏見や先入観を捨てて本書を純粋なテキストとして読むとき、硬直化した戦後の歴史解釈を越え、歴史を「世界史」でも「日本史」でもなく「国史」として読み直す視点に触れることができると述べています。

本書は、戦前の歴史教育をそのまま肯定するためのものでも、現在の教育を一方的に否定するためのものでもありません。敗戦を境に、日本の歴史教育から何が消え、何が加えられたのか。その変化を考えるための原資料です。

かつて墨で塗られ、教室から姿を消した教科書が、現代の読者によって読み継がれ14刷となる――『[復刻版]初等科国史』は、日本人が自国の歴史をどう語り、どう教えるべきかを、いまなお問いかけています。

【本書について】

昭和18(1943)年から国民学校初等科で使用された国史教科書を復刊。原文の内容と雰囲気を残しながら、旧字体・歴史的仮名遣いを新字体・現代仮名遣いに改め、現代の読者にも読みやすくしました。神話の時代から昭和までの日本史を、豊富な挿絵と格調ある文章で描いています。

【解説】三浦小太郎(みうら・こたろう)

評論家。本書巻末に「封じられた歴史書がよみがえるとき」と題する解説を収録。戦時下に生まれた『初等科国史』の時代背景、文章の魅力、皇国史観の思想的意味を検討し、歴史を「国史」として読み直す視点を提示しています。

【書籍情報】

書名:[復刻版]初等科国史

編纂:文部省

解説:三浦小太郎

推薦:矢作直樹

仕様:A5判並製・280ページ

ISBN:978-4-8024-0084-8

発売日:2019年10月1日

本体価格:1,800円(税別)

発行:ハート出版

商品URL:https://www.amazon.co.jp/dp/4802400845/

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業種
情報通信
本社所在地
東京都豊島区池袋3-9-23
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03-3590-6077
代表者名
日高裕明
上場
未上場
資本金
3000万円
設立
1986年08月