経済産業省「ロボットフレンドリーな環境構築支援事業」に関連した研究開発プロジェクトの実証実験を完了

メーカーや種類の異なる複数台数のロボットを同時に利用する際の運用効率を確認

三菱電機株式会社

 三菱電機株式会社(執行役社長 漆間 啓、本社:東京都千代田区、以下、三菱電機)と、三菱電機ビルソリューションズ株式会社(取締役社長 織田 巌、本社:東京都千代田区、以下、MEBS)は、株式会社タップ(代表取締役社長 吉田 亮一、本社:東京都江東区、以下、タップ)からの委託を受け、経済産業省が推進する「ロボットフレンドリーな環境(※1)構築支援事業」の取り組みの一つである研究開発プロジェクト「リソース管理システムによる複数ロボットの群管理標準化に関する研究」に参画し(※2)、実証実験を2024年11月1日から2025年2月28日まで実施しました。本プロジェクトの成果は、3月7日に開催された事業総括会で、委託元のタップから経済産業省に紹介されました。

 本プロジェクトの実証実験は、ホテルを含む複合施設やオフィスビル、病院などの施設内で異なるメーカーのロボットがスムーズに動ける環境づくりを目的として、タップが運営する実証実験施設「タップホスピタリティラボ沖縄」で実施しました。実証実験では主に、交差点や狭い通路などでのロボット同士の衝突や対面膠着を防ぎ、さまざまなロボットが建物内を円滑に稼働するための群管理方式の妥当性に関する検証などをパートナー企業とともに実施し、メーカーや種類の異なる複数台数のロボットを同時に利用する際の運用効率の向上や改善点を確認しました。

 両社は本プロジェクトのパートナー企業とともに、今回の実証実験で得た知見を活かし、一般社団法人ロボットフレンドリー施設推進機構(RFA)が発行する、「RFA規格およびRFAガイドライン」(※3)の標準化に向けて経済産業省や業界団体などへ情報共有や課題提起を行っていきます。また、両社は今後、さまざまな施設の人手不足の解消に向けて、「Ville-feuille(ヴィルフィーユ)®(※4)」を活用してロボットの業務効率向上に取り組むとともに、エレベーターの運行効率も改善し、人とロボットの双方にとって最適な移動環境の構築を目指し、新たなビルソリューションの提供に取り組んでまいります。

■本プロジェクトにおける三菱電機とMEBSの成果について

1.群管理方式により、交差点や狭路でのロボット同士の衝突や対面膠着を防止

ロボットはメーカーごとに管理系統が異なり、従来は、施設の管理者がメーカーの異なるロボットの制御を一括で行うことが困難でした。そのため、メーカーや種類の異なるロボットを複数台数導入している施設では、交差点や狭い通路などでのロボット同士の衝突やそれによる損傷、対面膠着が発生し、運用効率が低下することが課題でした。今回の実証実験では、RFA発行の群管理(リソース管理)方式を採用し、異なるメーカーのロボット管理システムにアクセス可能なインターフェースを導入しました。これにより、交差点や狭い通路などのエリアを群管理の対象として設定することで、特定のロボットがそのエリアを通行している場合、メーカーが異なる他のロボットを通行させない制御が可能です。また、例えばフロアごとに異なる管理者が存在し、各々が異なるメーカーのリソース管理サーバーを利用している場合でも、インターフェースを介してロボットの制御を行うことが可能です。これにより、ロボット同士の衝突や対面膠着を回避できるようになり、導入前と比較してロボットの運用効率が改善できることを確認しました。

2.ロボットが利用できるエレベーターの台数を増やし、運用効率を改善

 ロボットを導入している施設では、ロボットが利用できるエレベーターが1台のみに限定されているケースが多いのが現状です。人手不足が社会課題となる中で、将来的に施設内に導入するロボットの台数が増えると、ロボットがエレベーターに乗るまでの待機時間が長くなり、運用効率が低下するという課題が想定されます。今回の実証実験では、Ville-feuille®の機能を拡張し、ロボットが利用できるエレベーターの台数を増やして各ロボットに専用のエレベーターを割り当てることで、複数のエレベーターを同時利用して効率的に移動できる環境を構築しました。これにより、ロボットの運用効率を最適化でき、1台のエレベーターの運用時と比較してロボットの運用効率が改善できることを確認しました。

■本プロジェクトにおける三菱電機とMEBSの実証実験の概要

・実施期間:2024年11月1日から2025年2月28日

・実施場所:タップホスピタリティラボ沖縄(沖縄県うるま市)

 本プロジェクトは、タップからの委託のもと、以下の取り組みを実施しました。

会社

研究・開発内容

三菱電機 

・ロボット群管理全般の実証のサポートを含むロボット群管理開発業務

・ロボットとエレベーター及びリソース管理連携に必要なインターフェースの提供およびその実装

MEBS

・ロボット群管理全般の実証のサポートを含むロボット群管理開発支援業務

・ロボットとエレベーターの連携に必要なシステム(Ville-feuille®)の提供

・搬送ロボット(カチャカ)の提供及び開発((株)Preferred Roboticsへ再委託)

システム構成図

■「リソース管理システムによる複数ロボットの群管理標準化に関する研究」について

<本研究の委託背景となる、経済産業省「ロボットフレンドリーな環境構築支援事業」採択先>

株式会社タップ

<「ロボットフレンドリーな環境構築支援事業」に関する委託事業名および委託先・再委託先>

「リソース管理システムによる複数ロボットの群管理標準化に関する研究」

NECネッツエスアイ株式会社、株式会社エフ・シー・シー、株式会社沖縄日立、パナソニックホールディングス株式会社、パナソニック株式会社エレクトリックワークス社、三菱電機株式会社、三菱電機ビルソリューションズ株式会社、株式会社Preferred Robotics(三菱電機ビルソリューションズからの再委託)

<本事業における普及啓発活動委託先>

一般社団法人沖縄観光DX推進機構

■参考情報

「株式会社タップ」会社概要

事業概要:1987年の創業以来、全国のホテルをユーザーに持ち、宿泊施設に必要な数々のシステムをソフトウエア機能として提供しているホテル専門のソリューションベンダー。

業種:情報通信

本社所在地 :〒135-0016 東京都江東区東陽2-2-4 マニュライフプレイス東陽町1F

電話番号:TEL:03-5683-5311 FAX:03-5683-5310

代表者名 :代表取締役社長 吉田 亮一

上場:未上場

資本金 :8000万円

設立:1985年3月

URL:https://www.tap-ic.co.jp/

「株式会社Preferred Robotics(プリファードロボティクス)」会社概要

事業概要:深層学習(ディープラーニング)等のAI開発スタートアップである株式会社Preferred Networks(PFN)の子会社として2021年11月に設立された、自律移動ロボットの研究、開発、製造、販売を行う会社。

業種:情報通信

本社所在地 :東京都千代田区大手町一丁目6番1号 大手町ビル

電話番号:TEL:0120-554-065 MAIL:support@kachaka.life

代表者名:礒部 達

上場 :未上場

設立:2021年11月

URL:https://www.pfrobotics.jp/

■商標関連

「Ville-feuille」は三菱電機株式会社の登録商標です。

■三菱電機グループについて

 私たち三菱電機グループは、たゆまぬ技術革新と限りない創造力により、活力とゆとりある社会の実現に貢献します。社会・環境を豊かにしながら事業を発展させる「トレード・オン」の活動を加速させ、サステナビリティを実現します。また、デジタル基盤「Serendie®」を活用し、お客様から得られたデータをデジタル空間に集約・分析するとともに、グループ内が強くつながり知恵を出し合うことで、新たな価値を生み出し社会課題の解決に貢献する「循環型 デジタル・エンジニアリング」を推進しています。1921年の創業以来、100年を超える歴史を有し、社会システム、電力システム、防衛・宇宙システム、FAシステム、自動車機器、ビルシステム、空調・家電、情報システム・サービス、半導体・デバイスといった事業を展開しています。世界に200以上のグループ会社と約15万人の従業員を擁し、2023年度の連結売上高は5兆2,579億円でした。詳細は、www.MitsubishiElectric.co.jpをご覧ください。

■三菱電機ビルソリューションズについて

 三菱電機ビルソリューションズ株式会社は、ビルシステム事業における開発・製造から保守・リニューアルまで一貫した事業運営を行う、2022年4月に設立した三菱電機の連結子会社です。昇降機(エレベーター・エスカレーター)、空調・冷熱機器、ビルシステムなど多彩なビル関連製品・サービス群とビル運用管理の豊富な経験、さらに先進のデジタル技術を掛け合わせた統合ソリューションをワンストップで提供するビルソリューションプロバイダとして、社会インフラを支えています。ビルからビル群、そして都市へと、スマートシティの実現に向けて、人と社会に寄り添ったさまざまな課題解決を通じ、ビル・都市空間における人々の豊かな暮らしに貢献します。

※1 ロボットフレンドリーな環境:ロボットを導入しやすい環境

※2 2024年11月6日広報発表 https://www.MitsubishiElectric.co.jp/news/2024/1106.pdf

※3 安価で安全なロボット・エレベーター連携システムの速やかな構築のためのインターフェースを定義する

フォーラム規格およびガイドライン

※4 Ville-feuille:エレベーター、空調、照明、サービスロボット、入退室管理システムなどのさまざまなビル

 内設備の稼働データやセンシングデータなどを収集・蓄積し、データ処理を行うIoTプラットフォーム

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https://www.MitsubishiElectric.co.jp/
業種
製造業
本社所在地
東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビル
電話番号
03-3218-2111
代表者名
漆間 啓
上場
東証プライム
資本金
1758億2077万円
設立
1921年01月