Green Carbon株式会社は、タイにおけるAWD実証成果をまとめた「AWD Project Report:Thailand 2025」を公開
~メタン削減と農家収益向上を両立、国際クレジット市場を見据えたスケーラブルなモデルを提示~
ネイチャーベースのカーボンクレジット創出・販売事業を展開するGreen Carbon株式会社(代表取締役:大北潤、以下Green Carbon(グリーンカーボン))は、タイにおいて実施した水田における間断灌漑(AWD:Alternate Wetting and Drying)(※1)の実証プロジェクト成果をまとめた「AWD Project Report: Thailand 2025」を公開しました。
本レポートでは、現地大学や農家と連携し、直接測定に基づくメタン削減効果の検証、収量および農家収益への影響評価、さらに将来の大規模展開を見据えたプロジェクト設計について詳細に整理しています。
タイにおけるAWDの実装可能性を、環境価値・経済性・投資適格性の観点から示した包括的な報告書です。

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◆ タイにおけるAWD実施の背景
タイは世界有数の米生産・輸出国であり、農業部門は国内温室効果ガス(GHG)排出量の約18%を占めています。そのうち稲作由来の排出が約半分を占めており、稲作分野は気候変動対策における最重要セクターの1つです。加えて、タイでは近年、下記のようなカーボンクレジットに関する制度・インフラ整備が急速に進展しています。

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日・タイ二国間クレジット制度(JCM)(※2) |
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温室効果ガス削減プロジェクトを通じて創出されたクレジットを、日本・タイ両国のNDC達成に活用する枠組みが整備されています。農業分野においても、AWDのような実測に基づく削減技術は、将来的なJCM方法論の対象となるポテンシャルを有しています。 |

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シンガポールとのArticle 6(国際クレジット移転)枠組み(※3) |
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タイは、シンガポールとの間でパリ協定第6条(Article 6)に基づく国際クレジット移転の枠組みを構築している数少ないアジア諸国の一つです。これにより、タイ国内で創出された高品質な削減量を、国際的なコンプライアンス需要(シンガポール企業等)に活用できる可能性が広がっています。 |

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スイスとの二国間クレジット協力 |
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スイスとの間でも二国間クレジット協力を進めており、農業分野を含む実排出削減プロジェクトが検討・実施されています。これらの取り組みは、タイが国際的に信頼性の高い削減量を供給する国として位置づけられつつあることを示しています。 |

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DCCEによるクレジット国際取引に関するガイドライン(3%ルール)(※4) |
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タイ政府(DCCE)は、国際クレジットの移転に関して、総排出量に対する移転の上限として3%というガイドラインを定めています(International Carbon Credit Guideline, DCCE 2025)。この枠組みは、国内における温室効果ガス削減実績を確保しつつ、環境整合性を保って国際市場へクレジットを供給するための制度基盤として設計されています。 |
こうした背景から、タイは「稲作由来排出削減 × 国際クレジット市場」を同時に実装できる、アジアでも数少ない重要国の一つとなっています。
◆ プロジェクト概要
Green Carbonは、タイ国内の複数地域において、現地農家および大学(Naresuan University, Mahidol University, RMUTP等)と連携し、AWDの実証を実施しました。
本プロジェクトでは、下記の取組みを通じて定量的かつ実証的なデータ取得を重視しています。
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水位管理用パイプの設置
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農家向けAWDトレーニング
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チャンバーを用いたメタン排出量の直接測定
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収量・品質・コストに関するデータ収集
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農家アンケート・ヒアリング調査
◆ 主な成果
AWDは、以下の通り単なる環境対策にとどまらず、農家の収益改善、高品質なカーボンクレジットの創出や環境配慮米(低炭素米)など付加価値創出を同時に実現できる点が特徴です。
1. メタン排出削減効果
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AWD導入により、メタン排出量を平均約49%削減
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削減量は 2.97 tCO₂e / ha / season
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国際クレジット創出を見据えた高い信頼性のデータを取得
2. 収量および農家収益への影響
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多くの区画で収量増加を確認(最大40%以上の事例も)
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25 rai (4ha)の水田を保有するある農家では、前年対比で約130%の収入増(約100,000THB=3,200USD /season増)を記録
3. 農家の受容性
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プロジェクト参加農家の100%がAWD継続を希望
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水使用量削減、収量改善、環境貢献への高い評価を確認
◆ 今後の展望
Green Carbonはタイにおいて、国全体一括での拡大ではなく、プロジェクト単位での段階的拡大が現実的であると考え、下記スケールでのプロジェクトを進行することで、持続的かつ市場連動型のAWD展開を目指します。
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1プロジェクトあたり最大50,000ha
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年間想定削減量(haあたり):5 tCO₂ / ha / year
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2030年までに1プロジェクトあたり約100万tCO₂の累積削減
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JCM、Article 6(シンガポール向け)、DCCEルール等の条件に応じて拡張可能
◆ レポートについて(ダウンロード)

本レポートでは、以下の内容を詳細にまとめています。
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タイにおける稲作・GHG排出の背景整理
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AWD実証結果(排出削減・収量・農家収益)
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農家アンケート・受容性分析
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将来の大規模展開および投資可能性
○こちらよりダウンロード可能です。
※1:間断灌漑(AWD)
水田の水位を目安に、数日おきに入水と自然乾燥を繰り返すという手法。間断灌漑(AWD)の場合、連続的な入水に比べ、水使用量を削減することができ、水資源の保全にも寄与。
※2:二国間クレジット(JCM)
「Joint Crediting Mechanism」の略。日本とパートナー国が協力して温室効果ガスの削減・吸収に取り組み、定量化した削減・吸収量を両国で分け合う制度のこと。日本では定量化した削減・吸収量をカーボンクレジットとして活用することができ、日本政府は2030年度までの累計で1億t-CO2程度、2040年度までの累計で2億t-CO2程度のカーボンクレジットを確保することを目標に掲げている。
※3:シンガポールとのArticle 6(国際クレジット移転)枠組み
※4:DCCEによるクレジット国際取引に関するガイドライン(3%ルール)
◆Green Carbon 株式会社
代表者 :代表取締役 大北 潤
所在地 :東京都千代田区麹町2-3-2 半蔵門PREX North 9F
設立 :2019年12月12日
事業内容 :カーボンクレジット創出販売事業、農業関連事業、環境関連事業、その他、関連する事業及びESGコンサルティング事業
URL : https://green-carbon.co.jp/
◆Green Carbon事業紹介
Green Carbonは、「生命の力で、地球を救う」をビジョンとして掲げ、国内外において自然由来のカーボンクレジット創出・登録・販売までを一気通貫してサポートする事業を展開しており、その他にも、農業関連事業、研究開発事業、ESGコンサルティング事業なども展開しております。
事業展開領域は日本、東南アジアを中心にオーストラリア、南米まで拡大しており、自然由来のカーボンクレジット(水田、バイオ炭、森林保全、カーボンファーミング、マングローブ植林、牛のゲップなど)を創出しています。国内の水田においては、2023年度日本初・最大級(約6,220t)で水田のJ-クレジットの認証を取得しており、2024年度は約40,000ha(約80,000t)に拡大していく予定です。また、クレジット登録・申請・販売までをワンプラットフォームで完結するサービス「Agreen(アグリーン)」を提供しており、クレジットの申請登録時にかかる手続きや書類作成などを簡略化し、クレジット創出者の工数を削減しています。
◆Green Carbon株式会社SNSはこちら
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