中高生の約8割「単願制よりデジタル併願制がよい」 リアルな声を調査

公立高校入試制度について初の大規模調査 共同実施の朝日中高生新聞と東大が結果公表

株式会社朝日学生新聞社

 中高生の約8割が、高校入試の単願制を「問題だと思う」「デジタル併願制の方が良い」と考えている――。

  朝日学生新聞社(代表取締役社長:安田雅信)が2025年10~11月、東京大学マーケットデザインセンター(東京大学大学院経済学研究科附属、センター長:小島武仁教授)と共同で行った「デジタル併願制」に関する意識調査で、公立高校入試制度についての中高生の考えが明らかになりました。回答者は430人で、うち中学生が300人、高校生が92人でした。同センターの研究チームは「知る限りにおいて、このテーマで現役中学・高校生の100人を超える調査データは初めてで、非常に貴重だ」と話しています。

 

 調査は10月23日~11月17日に、インターネット上で実施しました。現在、多くの都道府県の公立高校入試では、1校にしか出願できない「単願制」が採用されています。これに対し、同センターなどが提案し、政府のデジタル行財政会議で取り上げられたことから「デジタル併願制」とも呼ばれている制度は、受験生が複数の公立高校に「志望順位」をつけて出願でき、各高校が出す「合格順位」とマッチングさせることで、スムーズに志望した複数校の中から唯一の合格を決めることができる仕組みです。「受入保留(Deferred Acceptance)アルゴリズム」を導入しており、英語の頭文字から「DA」と呼ばれます。

中高生の約8割が「単願制を問題と思う」「併願制(DA)のほうがよい」
単願制から併願制(DA)になった場合の出願行動の変化

 多くの都道府県で単願制となっていることについては、回答者の約77%が「問題だと思う」と答えました。また、「併願制(DA)のほうがよい」と答えた中高生は約82%でした。

 また、第1志望だが合格が難しいと言われている「公立高校A」と、合格の可能性が高い「公立高校B」があると仮定した質問では、デジタル併願制になれば難度の高い高校Aを第1志望として受験する人が大幅に増えそうなこともわかりました。単願制なら「公立高校は合格確率が高い高校Bに出願する」と答えた147人のうち、約85%にあたる125人が、併願制(DA)なら「第1志望を高校A、第2志望を高校Bとして2校に出願する」と回答しました。

 私立も含めた高校入試制度が大きく変わる中で、デジタル併願制の導入に期待が高まると考えられます。

回答者の声(一部抜粋)

【デジタル併願制賛成派】

・親は経済的な理由で、絶対に合格する公立高校を受けてほしいと言っているが、自分は学力の高い高校に挑戦したい。単願制だとレベルを下げて受験することになるから残念。

・併願できれば不合格におびえず、自分のペースで勉強できると思うので、できるだけ早く併願制にしてほしい。

【デジタル併願制反対派】

・公立高校の場合、単願制にしないと人気の高校と不人気の高校の差が拡大すると思う。

 ・単願制を経験した者として、後がない中で、一つの目標に向けて努力したのは今の自分の大きな財産になったと思う。

詳細な分析結果を今後公開

 朝日中高生新聞では12月21日号の紙面で紹介するほか、デジタル版の朝中高プラス( https://www.asahi.com/asagakuplus/article/asachuko/ )で回答者の自由記述をもっと詳しく紹介しています。

 東京大学マーケットデザインセンターも、より詳細な分析結果を、今後同センター公式サイトの特設ページ( https://www.mdc.e.u-tokyo.ac.jp/news/6531/ )で公開する予定です。

調査概要

  • 調査名:公立高校入試「デジタル併願制導入」に関する意識調査

  • 調査期間:10月23日(木)~11月17日(月)

  • 調査対象者:中学生・高校生

  • 調査対象:インターネット、全国

  • 調査主体:東京大学マーケットデザインセンター、朝日中高生新聞

 

■調査に関するお問い合わせ:chuko@asagaku.co.jp(朝日学生新聞社編集部)

朝日学生新聞社

1967年創業の新聞発行・教育事業を展開する朝日新聞のグループ会社。小学生対象の日刊新聞「朝日小学生新聞」、中学生・高校生対象の週刊新聞「朝日中高生新聞」の発行を軸に、キャリア教育の支援プロジェクト「おしごとはくぶつかん」など幅広く展開しています。「子どもたちの未来を応援します」という理念のもと、子どもとその家族にとって価値あるニュース、ためになるコンテンツの提供を通じ、自ら学ぶ力、課題を解決する力、表現する力をはぐくみます。
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安田 雅信
上場
未上場
資本金
-
設立
1967年03月