シリコンバレーで新事業開発を加速するNEC X、捜索・救助支援ソリューションを提供するスタートアップを新たに設立
ドローンを使った位置特定の技術により、行方不明者の迅速な救助に貢献
NECの子会社で、新事業の創出を推進するNEC X, Inc.(注1、以下 NEC X)は、ドローンを使った捜索・救助支援ソリューションを提供するスタートアップ「Flyhound Corporation(注2、フライハウンド、以下Flyhound)」を設立しました。
行方不明者の捜索は、一刻を争うものです。Flyhoundのソリューションは、NEC欧州研究所が開発した技術「SARDO」(注3)を使用したもので、ドローンによって行方不明者や災害被災者の携帯端末からのセルラー信号(注4)を三角測量(注5)して位置を特定し、捜索エリアのデジタル地図上でリアルタイムに表示することで捜索にかかる時間を短縮するものです。これによって、行方不明者の位置を30分以内に半径50メートルの精度で特定することができ、早期救助の実現に貢献します。
Flyhound設立の経緯
NEC Xの新事業創出プログラムでは、ビジネスとテクノロジーに精通した客員起業家(注6、以下 EIR)に技術や研究者を紹介し、EIRは各々のビジネスアイデアを提案します。
Flyhoundは、NEC欧州研究所が開発した技術と事業仮説がNEC Xに持ち込まれ、EIRを探索するところから始まりました。EIRが決まり、NEC Xのプログラムが始まると同時に、Flyhoundのチームは公的機関を含む様々な組織にアプローチして顧客インタビューを実施。ニーズを明確にしたのち、プロダクト開発に取り組み、複数の公的機関とともに実証実験を行った結果、有効性が評価され、事業化に至りました。
Flyhoundは、NEC Xが2018年の設立以来、本プログラムを通じて立ち上げた9件目の新事業となります。(注7)
NEC Xの戦略的パートナー、Alchemist AcceleratorのPresident and Managing DirectorであるRachel Chalmers氏は、「この貴重なNECの技術を公共安全のための商業的に実現可能なソリューションに発展させるために、FlyhoundのチームをNEC Xおよび弊社のプログラムで支援できたことは光栄でした。Flyhoundの立上げにより、世界はより安全な場所となり、Flyhoundの空は無限に広がっています。」と述べています。
Flyhoundのソリューションについて
Flyhoundのソリューションは、アクティブな携帯電話ネットワークの信号を必要としないため、携帯電話ネットワークインフラが利用できない遠隔地や災害地域での使用に最適です。赤外線カメラを搭載した既存の捜索救助用ドローンとは異なり、樹木や葉、建物などで視界が遮られた場合でも位置を特定することができるため、地震や洪水による瓦礫が散在するような環境下でも被災者や行方不明者の居場所を予測することが可能です。
実証実験を行った米国ニュージャージー州カールスタット消防署、レスキュー・消防隊員であるCorey Hoefling氏は「携帯電話は誰もが常に持ち歩いているもの。救助する立場からすると、緊急時に携帯電話の位置を地図上で確認できるのは非常に貴重なことです。Flyhoundのソリューションは、緊急時に誰かを探す必要がある場合、その人をより早く見つけることができるため、人命救助にとても効果的です。」と述べています。
今後の展開
Flyhoundは、NEC Xの事業創出プログラム卒業に先立ち、2022年9月にはAlchemist Acceleratorのプログラム、11月にはカナダの大手電気通信事業者TELUSが提供するTELUS Community Safety & Wellness Acceleratorプログラムを卒業しました。今回のNEC Xからの卒業をもって、資金調達および事業成長に向けた活動を本格化しています。
本件に関する各社のコメントは以下のとおりです。
「パブリックセーフティや災害対応においては、短時間に大量のリソースを投入することが求められます。最小限の時間と費用で人命救助をサポートするFlyhoundのソリューションへのニーズは、常に高い状況です。Flyhoundが私たちのプログラムを卒業・スピンアウトし、今後大きな成功を収めることを期待しています。」
NEC X, President and CEO, 井原 成人
「私たちは、人命救助という重要な任務で公的機関を支援し、行方不明者を迅速に見つけることを使命としています。今回、NEC Xのプログラムに参画し、NEC研究者とともにNECの技術を実装したソリューションを立上げ、短時間で行方不明者の位置を特定し救助につなげることができるようになったことを誇りに思っています。」
Flyhound, Co-Founder and CEO, Manny Cerniglia
以上
(注1)本社:米国・カリフォルニア州、President and CEO:井原成人
(注2)本社:米国・ニューヨーク州、Co-Founder and CEO:Manny Cerniglia
(注3)SARDO: An Automated Search-and-Rescue Drone-based Solution for Victims Localization (A.Albanese, V. Sciancalepore, X.Costa-Perez) NEC Laboratories Europe, IEEE Explore, 2021
(注4)セルラー信号:基地局と携帯電話を接続する際の同期・認証や音声/データ通信に用いられる無線信号
(注5)三角測量:任意の2点間を結ぶ線の両端から測定したい点までの角度を測定し,線の長さと両端の角度から決定される三角形を用いて測量点の位置を割り出す手法
(注6)Entrepreneur In Residence:起業家が企業に社員や業務委託として入り、新事業の立ち上げや起業の準備を行う仕組みのこと
(注7)9件の新事業の内訳:8件のスタートアップ事業(本件含む)立上げ、1件のNECグループ内事業化
<本件のお問い合わせ先>
NEC グローバルイノベーションユニット NEC X PJグループ
E-Mail:contact@necx.jp.nec.com
Flyhound設立の経緯
NEC Xの新事業創出プログラムでは、ビジネスとテクノロジーに精通した客員起業家(注6、以下 EIR)に技術や研究者を紹介し、EIRは各々のビジネスアイデアを提案します。
Flyhoundは、NEC欧州研究所が開発した技術と事業仮説がNEC Xに持ち込まれ、EIRを探索するところから始まりました。EIRが決まり、NEC Xのプログラムが始まると同時に、Flyhoundのチームは公的機関を含む様々な組織にアプローチして顧客インタビューを実施。ニーズを明確にしたのち、プロダクト開発に取り組み、複数の公的機関とともに実証実験を行った結果、有効性が評価され、事業化に至りました。
Flyhoundは、NEC Xが2018年の設立以来、本プログラムを通じて立ち上げた9件目の新事業となります。(注7)
NEC Xの戦略的パートナー、Alchemist AcceleratorのPresident and Managing DirectorであるRachel Chalmers氏は、「この貴重なNECの技術を公共安全のための商業的に実現可能なソリューションに発展させるために、FlyhoundのチームをNEC Xおよび弊社のプログラムで支援できたことは光栄でした。Flyhoundの立上げにより、世界はより安全な場所となり、Flyhoundの空は無限に広がっています。」と述べています。
Flyhoundのソリューションについて
Flyhoundのソリューションは、アクティブな携帯電話ネットワークの信号を必要としないため、携帯電話ネットワークインフラが利用できない遠隔地や災害地域での使用に最適です。赤外線カメラを搭載した既存の捜索救助用ドローンとは異なり、樹木や葉、建物などで視界が遮られた場合でも位置を特定することができるため、地震や洪水による瓦礫が散在するような環境下でも被災者や行方不明者の居場所を予測することが可能です。
実証実験を行った米国ニュージャージー州カールスタット消防署、レスキュー・消防隊員であるCorey Hoefling氏は「携帯電話は誰もが常に持ち歩いているもの。救助する立場からすると、緊急時に携帯電話の位置を地図上で確認できるのは非常に貴重なことです。Flyhoundのソリューションは、緊急時に誰かを探す必要がある場合、その人をより早く見つけることができるため、人命救助にとても効果的です。」と述べています。
今後の展開
Flyhoundは、NEC Xの事業創出プログラム卒業に先立ち、2022年9月にはAlchemist Acceleratorのプログラム、11月にはカナダの大手電気通信事業者TELUSが提供するTELUS Community Safety & Wellness Acceleratorプログラムを卒業しました。今回のNEC Xからの卒業をもって、資金調達および事業成長に向けた活動を本格化しています。
本件に関する各社のコメントは以下のとおりです。
「パブリックセーフティや災害対応においては、短時間に大量のリソースを投入することが求められます。最小限の時間と費用で人命救助をサポートするFlyhoundのソリューションへのニーズは、常に高い状況です。Flyhoundが私たちのプログラムを卒業・スピンアウトし、今後大きな成功を収めることを期待しています。」
NEC X, President and CEO, 井原 成人
「私たちは、人命救助という重要な任務で公的機関を支援し、行方不明者を迅速に見つけることを使命としています。今回、NEC Xのプログラムに参画し、NEC研究者とともにNECの技術を実装したソリューションを立上げ、短時間で行方不明者の位置を特定し救助につなげることができるようになったことを誇りに思っています。」
Flyhound, Co-Founder and CEO, Manny Cerniglia
以上
(注1)本社:米国・カリフォルニア州、President and CEO:井原成人
(注2)本社:米国・ニューヨーク州、Co-Founder and CEO:Manny Cerniglia
(注3)SARDO: An Automated Search-and-Rescue Drone-based Solution for Victims Localization (A.Albanese, V. Sciancalepore, X.Costa-Perez) NEC Laboratories Europe, IEEE Explore, 2021
(注4)セルラー信号:基地局と携帯電話を接続する際の同期・認証や音声/データ通信に用いられる無線信号
(注5)三角測量:任意の2点間を結ぶ線の両端から測定したい点までの角度を測定し,線の長さと両端の角度から決定される三角形を用いて測量点の位置を割り出す手法
(注6)Entrepreneur In Residence:起業家が企業に社員や業務委託として入り、新事業の立ち上げや起業の準備を行う仕組みのこと
(注7)9件の新事業の内訳:8件のスタートアップ事業(本件含む)立上げ、1件のNECグループ内事業化
<本件のお問い合わせ先>
NEC グローバルイノベーションユニット NEC X PJグループ
E-Mail:contact@necx.jp.nec.com
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