ランサーズ、「フリーランス法に関する実態調査2025」を公開

~生成AIの活用7割・契約明記4%のギャップ解消へ。トラブル防止を目的に「生成AI活用に対応した 発注書フォーマット」を提供開始~

ランサーズ株式会社

ランサーズ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 CEO:秋好 陽介、東証グロース:4484、以下「ランサーズ」)は、「フリーランス法(※1)」施行から1年を迎えるにあたり、ビジネスマッチングプラットフォーム『ランサーズ』に登録するフリーランス319名と発注企業26社を対象に、「フリーランス法に関する実態調査2025」を実施いたしました。

本調査では、制度の認知・対応状況に加え、生成AI活用や契約整備の実態を分析。その結果、生成AIの業務活用が広がる一方で、著作権等の権利関係や契約上の取り決めが十分ではなく、意図せぬトラブルを招く可能性があることが明らかになりました。

これを受け、フリーランスと企業の双方が安心して取引できる環境づくりを支援するため「生成AI活用に対応した 発注書フォーマット」の無料配布(※2)を開始いたします。

※1 フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)

※2 発注書フォーマットの提供は、生成AIの業務活用を一律に推奨するものではありません。発注時に生成AIの使用可否や使用方法を明確にすることで、成果物に関する認識の相違や権利トラブルを未然に防ぎ、企業とフリーランスが安心して取引を行うことを目的としています。

■結果サマリー

  • 法の理解度: 「内容まで理解している」は、フリーランス10.0%、企業3.8%、ともに1割以下

  • 法施行による変化: フリーランスの約8割が「変化なし」、企業の9割以上が「対応なし」

  • 生成AI活用: フリーランスの約7割が生成AIを業務に活用、企業への許可確認は3割未満

  • 契約整備: 生成AI活用を許可している企業は34.6%、契約書に明記している企業は4.0%

  • 今後の課題: フリーランス・企業の双方で「AI成果物の法的整理」が最多回答

■調査結果

▼【フリーランス・企業調査】フリーランス法の理解度

フリーランス法を「内容まで理解している」と回答したのは、フリーランスは10.0%、企業はわずか3.8%にとどまった。「概要のみ知っている」「名前だけ聞いたことがある」が大半を占め、施行から1年が経っても制度の浸透は限定的である。

▼【フリーランス・企業調査】フリーランス法施行後の変化

施行後の変化について、フリーランスの約8割が「取引先とのやり取りに変化なし」と回答。一方、企業側も9割以上が「特に対応していない」と回答し、契約書面の整備を行った企業は12.0%にとどまった。制度として定められた取引適正化の取り組みが、現場レベルではほとんど実施されていない実態が明らかになった。

▼【フリーランス調査】生成AIの業務活用

約7割のフリーランスが業務に生成AIを活用しており、「成果物の質が向上した」「効率化され作業量が増えた」「納期が短縮された」といったメリットを感じる声が寄せられた。現場では、制度対応よりも生成AIの活用が先行していることがうかがえる。

▼【フリーランス・企業調査】業務における生成AI活用の許可

生成AIを業務に活用しているフリーランスに、クライアントへの許可確認について尋ねたところ、「確認している」と回答したのは3割未満にとどまった。一方、「案件によって異なる」「特に確認していない」との回答が7割を超え、明確なルールが定まっていない実態が明らかになった。

また、フリーランスの生成AI活用を許可している企業は34.6%で、「契約書で許可している」企業はわずか3.8%。「決めていない」という企業も4割を超え、現場での取り決めが曖昧なまま進行している状況が浮き彫りとなった。

▼【企業調査】AI活用の契約整備状況

生成AIの業務活用について契約書に明記している企業は4.0%のみ。一方で、「AI関連の契約条項整備の必要性を感じる」と回答した企業は76.9%にのぼった。課題への認識はあるものの、整備が追いついていない現状がうかがえる。

▼【フリーランス調査】生成AI活用の不安・課題

生成AIを使った成果物の権利(著作権や責任範囲)について「不安を感じたことがある」と回答したフリーランスは6割を超えた。その一方、「今後も生成AIを活用していきたい」という回答は8割以上にのぼった。生成AIの活用による意図せぬ権利侵害やトラブルを防ぐため、AI時代に適したルール整備が必要であることが示された。

▼【フリーランス・企業調査】フリーランス法の有効性

「フリーランス法」が現代の働き方を十分に反映できているかを尋ねたところ、フリーランスは「どちらかと言えばそう思う」が42.9%、企業は「どちらかと言えばそう思わない」が52.0%と、認識に差が見られた。制度の有効性に対して、双方の間で温度差が存在している。

▼【フリーランス・企業調査】今後求められる制度・支援

フリーランス・企業の双方で「AI成果物の法的整理」が最も多く挙げられた。次いで「契約・報酬トラブルの防止策」「フリーランスの報酬基準策定」などが挙げられ、取引上の支援体制の整備が求められている。

■まとめ

・法制度の認知・対応が進まず、実務との乖離が明らかに

フリーランス法を「内容まで理解している」という回答は1割以下という結果となった。また、フリーランスの76.5%が「取引に変化なし」、企業の92.0%が「特に対応していない」と回答。制度施行から1年を経ても、法整備と現場運用の間には大きな乖離があり、制度の趣旨が十分に浸透していない現状が浮き彫りとなった。

・生成AI活用が進む一方、企業とフリーランスの間に“温度差”が顕在化

フリーランスの76.1%が生成AIを業務に活用している一方、生成AIの使用を許可している企業は34.6%。契約書に生成AIの使用有無について明記している企業はわずか4.0%にとどまった。

生成AIがもたらす業務効率化や成果物向上などのメリットを実感するフリーランスと、リスク回避や契約整備に慎重な企業との間には意識の差があることがうかがえる。この意識の乖離は、生成AIによる生成物の権利や責任範囲をめぐる新たな課題を生む可能性があると考えられる。

・次の焦点は「AI法務」、AI時代に適した新たなルールづくりへ

フリーランス・企業双方から最も多く挙がった課題は「AI成果物の法的整理」である。

生成AIの生成物に関する著作権、責任範囲、クライアントへの開示・許可のあり方など、従来の契約形態では対応しきれない論点が浮上している。今後は、生成AI利用に伴うトラブルを未然に防ぐための契約ガイドラインや社会的ルールを整備していくことが求められる。フリーランスと企業が安心して協働できる取引環境を整えることが、今後の日本の労働・産業構造を支える鍵となる。

■「生成AI活用に対応した 発注書フォーマット」について

今回の調査の結果、生成AIの活用が進む一方で、その利用実態や権利関係が契約書や発注書などに十分に明記・整備されていない現状が明らかとなりました。この状況は、クリエイターその他権利者の利益を損なうおそれがあるほか、意図せぬトラブルにつながるおそれがあります。こうした課題を受け、ランサーズでは、「生成AI活用に対応した 発注書フォーマット」を無料で配布いたします。

本フォーマットは、業務発注の際に、生成AIの扱い(使用の可否・利用範囲・使用方法・注意事項)について取り決めできる仕様となっており、取引における安全性と透明性を高め、生成AIの業務活用によって発生しうるトラブルの防止に寄与する内容となっています。

「生成AI活用に対応した 発注書フォーマット」ダウンロードはこちら

※免責事項

本フォーマットは、フリーランスと企業の取引において、その適正な発注及び生成AIの利用に関する規定を支援するために作成した一般的なフォーマットです。

特定の取引内容に対する法的判断や、個別契約の作成を代替するものではありません。

ご利用にあたっては、各取引内容に応じて適宜修正のうえ、必要に応じて専門家へご確認ください。

実際の契約締結の際には、当事者双方の責任において内容をご判断・ご確認いただくようお願いいたします。

また、ビジネスマッチングプラットフォーム『ランサーズ』では、コンペ方式の依頼時に「生成AIの使用許可・制限」を選択・明示できるチェック項目を提供しています。これにより、依頼者・受注者の双方がAI利用方針を事前に共有でき、誤解やトラブルの防止につながります。

ランサーズでは、こうしたプロダクト機能と各種フォーマット提供を通じて、AI時代における安心・安全な取引環境の実現を引き続き支援してまいります。

※ 発注書フォーマットの提供は、生成AIの業務活用を一律に推奨するものではありません。発注時に生成AIの使用可否や使用方法を明確にすることで、成果物に関する認識の相違や権利トラブルを未然に防ぎ、企業とフリーランスが安心して取引を行うことを目的としています。

※ 発注書フォーマットは、内容の見直しや法改正への対応等の理由により、事前の告知なく公開を停止する場合がございます。

■調査概要

調査時期:2025/11/3(月)~11/7(金)

調査方法:オンライン調査

調査対象・有効回答数:

・『ランサーズ』に登録するフリーランス(個人事業主・副業として業務を行う方を含む):319名

・『ランサーズ』に登録する企業(個人事業主を含む):26社

■ランサーズ株式会社について

ランサーズ株式会社(東証グロース:4484)は、「個のエンパワーメント」をミッションに、個人の働き方の可能性を広げ、日本の産業変革を支援するAX(AIトランスフォーメーション)カンパニーです。

2008年の創業以来、ユーザー登録数300万超のフリーランス事業を通じて、個人の多様な働き方と企業の経営課題・DX推進を支援してきました。今後は、フリーランス事業に加え、AX支援、スキル開発、戦略実装など、より統合的な価値提供を行ってまいります。ランサーズは、多くの人に価値と成長機会を提供し、個人の生活・働き方、あり方を変革することで、よりよい豊かな社会の実現に貢献します。


■プロに直接頼めるマーケット「ランサーズ

■企業とITプロ人材のフリーランスエージェント「ランサーズ テックエージェント

■企業とフリーコンサルタントのマッチングサービス「ランサーズ プロフェッショナルエージェント」   

■経営戦略からAX実装までを一気通貫で担う次世代型ストラテジーファーム「ランサーズ・ストラテジック・コンサルティング

■生成AIの導入・活用支援サービス「Lancers 生成AI Solution

■独自のAIアシスタントが作れる仕事特化型生成AIサービス「ランサーズ ジムインAI

■営業効率を最大化、営業AIエージェント「ランサーズ ラクアポAI

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会社概要

ランサーズ株式会社

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URL
https://www.lancers.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区渋谷3丁目10-13 TOKYU REIT渋谷Rビル9F
電話番号
-
代表者名
秋好陽介
上場
マザーズ
資本金
-
設立
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