スペースデータ、止められない大規模空港の運営を数万人の連携ごとデジタル空間に再現し、最速の復旧を支援
予測できない気象トラブルから最速の復旧へ、過去の再現・作業の最適化・情報共有で支援
株式会社スペースデータ(本社:東京都港区、代表取締役社長:佐藤航陽、以下「スペースデータ」)は、止めることのできない大規模空港の運営を、そこで働く数万人の連携ごとデジタル空間に再現し、降雪や雷雨などの予測できないトラブルで運航が乱れた際に、最速で正常な運航へ戻すための判断を支援する空港オペレーションのデジタルツイン(現実の空間をデジタル上に再現したもの)のデモを開発しました。国内の大規模空港を想定して、「シミュレーションで過去の事例を再現する」「作業の順番や割り当てを最適化する」「ダッシュボードで全員が同じ情報を共有する」という3つのアプローチを、5つのデモとして形にしています。トラブルの発生直後から、どの航空機・作業員・車両を、どの順番で動かせば最も早く運航を正常化できるかを、関係者全員が同じ画面で確かめられます。いずれも、スペースデータが開発するデジタルツイン・シミュレーション基盤「SpaceBrain(スペースブレイン)」の技術を用いて構築しています。

背景
日本の大規模な空港は、年間数千万人規模の旅客が利用する巨大な空間であり、1日たりとも運営を止めることはできません。グランドスタッフ、手荷物や貨物の取り扱い、給油、整備、清掃、管制など、数万人規模の人々の連携によって、快適で正確な運航が日々支えられています。
一方で、これまでに起きた大きな運航の乱れの多くは、システムの不具合か気象によるものとされています。このうち降雪や落雷、大雨といった気象は外的要因であり、発生そのものを防ぐことはできません。そのため、「予測できないトラブルで起きてしまった運航の乱れを、大規模な施設でいかに最速で回復させるか」が、空港運用の大きな課題となっています。地上作業が止まると、多くの部門と事業者のあいだで情報の食い違いや伝達の遅れが生じやすく、復旧の着手が遅れます。その日の遅延を解消できなければ、機材や乗務員の運用を通じて翌日の便にも影響が及びます。
3つのアプローチと5つのデモ
1. ダッシュボードで、全員が同じ情報を共有する

▲①統合状況モニターの画面。地図上に雷雲の動きや航空機の位置を重ね、管制・旅客・整備・天候などの状態を一覧で示している(データはすべて仮想。地図の背景はぼかし処理。背景:地理院タイル、雨雲:気象庁MSM)
①統合状況モニターは、空港周辺の地図に、航空機の位置、雨雲や雷雲の動き、滑走路の使用状況、管制や救護の情報を重ねて表示します。画面下部には、管制塔からの指示、旅客・貨物の搭載状況、天候、整備・点検、機体の状況、滑走路・駐機スポットの空き状況、上空待機と燃料の状況、乗客の救護といった項目が並び、それぞれの状態を「正常」「注意」「危険」で示すとともに、担当ごとの未対応のアラートを確認できます。管制塔、空港スタッフ、旅客対応、整備などの担当者が同じ画面を見ることで、部門をまたいで状況の認識をそろえ、一つのチームとして対処できるようにします。天気図も重ねて表示するため、「この後に天候の悪化が予想されるので、地上での待機時間を短くして出発を前倒しする」といった、先回りの判断にもつなげられます。
2. シミュレーションで、過去の事例を再現する

▲②〜⑤の各シミュレーションの画面。便名・時刻・数値はすべて仮想(背景:地理院タイル、建物:国土交通省 PLATEAU を加工)
報道で確認された過去の気象による運航の乱れを題材に、空港の3Dモデル上で、航空機や地上作業の動きを時間軸に沿って再現します。3Dモデルは、国土交通省の3D都市モデル「PLATEAU(プラトー)」と国土地理院の地理院タイルをもとに作成しています。
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②降雪・除雪待ち:過去に報道された降雪に伴う除雪待ちの遅延を題材に、除雪の開始から、除雪を待つ機体の増加、待ちのピーク、待ちの解消、全便の出発までを再現します。
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③雷雨・地上作業停止:過去に報道された雷雲の接近に伴う地上作業の中断を題材に、地上作業の停止から、停止中のピーク、作業の再開、全便の出発までを再現します。
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④翌日への遅延波及:過去に報道された雷雨と、翌日の機材手配に伴う大幅な遅延・欠航を題材に、前夜の運航の乱れが翌朝の機材不足を招き、遅延が広がってから回復するまでを再現します。機材ローテーション(1機の航空機が1日のうちに担当する便のつながり)を時間軸で表示し、前夜の遅れを夜間に吸収しきれず翌朝の便に持ち越す様子を確認できます。
過去に実際に起きた状況を空間ごと再現することで、どこで作業が滞り、どの便に影響が広がったのかを関係者が同じ視点で振り返り、次に同じ状況が起きたときに最速で復旧するための手順を事前に用意できます。
3. 作業の順番と割り当てを最適化し、最速の復旧手順を導く
再現した状況をもとに、作業の順番や人員・機材の割り当てを変えた場合に遅延がどう変わるかをその場で試算し、運航を最も早く正常化できる手順を比べて選べるようにします。
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②降雪・除雪待ちでは、除雪ユニットの数や作業時間を変えて待機列への影響を試算できるほか、まだ除雪を始めていない機体の順番を入れ替えた場合に、乗り継ぎに間に合わない旅客がどれだけ減るかをAIが試算して提案します。デモでは、ある便の除雪の順番を5番目から3番目に繰り上げると、乗り継ぎに間に合わない旅客が24人減るという結果を示しています。
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③雷雨・地上作業停止では、AIが「定刻順」「準備の進み具合を優先」「優先便を優先」といった再開の方針ごとにシミュレーションをやり直し、平均の遅延時間や乗り継ぎに間に合わない旅客の数で比べます。
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④翌日への遅延波及では、「予備機の投入」「機材の割り当ての変更」「運航順序の調整」を選んで回復計画を計算し直し、解消できない遅延の便数、使える機材の数、回復までの見込み時間などを比べられます。
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⑤地上業務の復旧計画では、落雷で地上作業が30分止まった条件で、国内線のスポット(駐機場)5か所(架空)について、元の割り当てのまま再開する案、出発時刻の早い便を優先する案、車両や班をほかのスポットへ回すことも含めて割り当てを組み直す案の3つを比べます。デモの条件では、全便の遅延の合計は元の割り当てのままで166分、出発時刻の早い便を優先すると124分、割り当てを組み直すと94分となりました(組み直す案は1,712通りの順序・割り当てを試した中で最も良い案)。給油車の台数や手荷物班の数などを変えると、全便の出発見込みがその場で計算し直されます。
※本リリースで紹介する画面の便名・時刻・機材・空港配置・数値はすべて仮想のデモ値です。
今後の展望
スペースデータは、今回の5つのデモを土台に、過去の再現、作業の最適化、情報の共有を一つにつなぎ、空港で働く数万人規模の連携を支え、予測できないトラブルから最速で復旧できるプラットフォームの構築を目指します。空港全域の3Dモデルの精度向上や駐機エリアなどの詳細な3D化を進め、実運用では画面上の3D表示を現実の時間に合わせて動くデジタルツインに置き換える構成を想定しています。航空会社や空港関係者とともに実際の運用データを用いた検証を進め、運航を回復させる力を数値で把握し、継続的に改善できる仕組みづくりを通じて、空港と航空輸送のレジリエンスの向上に貢献していきます。
株式会社スペースデータについて
株式会社スペースデータは、宇宙を誰もが活用できるインフラへと変える「宇宙の民主化」を使命に、宇宙をはじめとするあらゆる空間の知能化(MAKE SPACE INTELLIGENT)に取り組むテクノロジースタートアップです。
空間を情報化し、AIに物理を学ばせ、機械が自律的に動けるようにする「空間知能」の技術を活用して、宇宙開発から都市開発、防災、安全保障まで、次の未来を支えるデジタルプラットフォームの構築を国内外で進めています。
スペースデータの公式サイトでは、「NEWS」にて最新の取り組みや発表をご紹介しています。詳細は https://spacedata.jp/news をご覧ください。
社名:株式会社スペースデータ
代表:佐藤航陽
所在地:東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー 15階
資本金:15億1300万円
事業内容:宇宙開発に関わる投資と研究
NEWS:https://spacedata.jp/news
LinkedIn:https://www.linkedin.com/company/spacedatajp/
採用情報:https://www.wantedly.com/companies/spacedata/projects
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