【慶應義塾】高齢者が抱える心理社会的な課題の解決策を模索していくために
-リアリスト評価による研究資料の収集・要約-
慶應義塾大学大学院 健康マネジメント研究科 看護学専攻の見谷信弥(後期博士課程)、看護医療学部の深堀浩樹(教授)らの研究グループは、保健医療福祉に関連する高齢者の心理社会的な課題の解決策を、リアリスト評価を用いて検討している54件の論文の知見をまとめました。
リアリスト評価とは、英国の哲学者のバスカーを源流とするリアリズムを基盤とした社会科学の研究方法で、特に欧州では幅広く活用されています。このリアリスト評価は、複雑な要素が影響する心理社会的な課題に対する解決策の開発・評価・改善・普及や政策の立案に役立つとされています。その理由は、解決策がもたらす結果に着目するだけでなく、その解決策が効果的である状況や、よい結果をもたらすために必要となるメカニズムを合わせて明らかにすることができる方法であるためです。本研究グループでは、高齢化により家族形態の変化や認知症の高齢者の増加など、複雑な要素に影響される課題が山積している日本・アジアにおいても、リアリスト評価を用いた解決策の開発を促進することが有効と考え、本研究に取り組みました。
本研究を通して、研究グループは、リアリスト評価により高齢者の心理社会的な課題の解決策を検討して丁寧な評価を行うには、多くの専門的な人材や資金を必要とすることを指摘しました。今後リアリスト評価を用いて高齢者が抱える心理社会的な課題の解決策を検討するうえで、本研究が基礎的な資料となることが期待されます。
本研究グループは、上智大学の大河原啓文(助教)、東京女子大学の榊原哲也(教授)、慶應義塾大学の春田淳志(教授)から構成されています。研究成果は2024年8月30日に、学術誌BMJ Openに出版されました。
▼全文は本学のプレスリリースをご参照ください。
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2024/11/15/241115-1.pdf
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