三菱総合研究所、AIエージェント活用による定量的な事業影響評価支援を開始
外部環境変化による売上・利益・生産などへの影響を迅速に試算
株式会社三菱総合研究所(代表取締役 社長執行役員:籔田健二、以下 MRI)は、5月18日から、外部環境の急激な変化に伴う事業への影響を、売上高・利益・生産量などの指標で定量的に見積もるための支援機能の提供を開始します。MRIが企業向けに提供している戦略決定のための情報基盤「インテリジェンス基盤」に、新機能として追加しました。
本機能はAIエージェントを活用し、外部環境変化が及ぼす事業影響のシナリオ作成から算出、論拠提示までを一気通貫で実行することにより、意思決定に必要な影響評価を迅速に実施できるようにします。
1. 背景
近年、中東危機や輸出規制など急激な外部環境変化は、企業に損失と機会の両面で大きな影響を及ぼしています。経営の意思決定にあたっては、こうした変化の影響を定量的に見積もる必要がありますが、高度な専門知識や膨大な工数が必要なことから、多くの企業では迅速に試算することが困難です。
MRIは、シンクタンクおよびコンサルティングファームとして培ってきた情報収集・分析の知見をAIエージェントに実装した「インテリジェンス基盤」を企業に提供しています。インテリジェンス基盤では、経営リスク評価、中長期経営計画策定・推進管理評価、事業機会探索の機能拡張を通じて、経営の意思決定の高度化を支援しています。
このたび、定量的な影響評価を行う機能を追加することで、具体的な根拠に基づく経営の意思決定を支援できるようになりました。
図1:インテリジェンス基盤の全体像

2. 本機能の概要と特徴
本機能は、外部環境の変化を踏まえた影響シナリオに基づいて影響評価の対象を定義し、算出方法の提示から試算、論拠提示を行います。
① 影響評価の対象例
・ 財務インパクト:売上・利益(例えば、台湾有事発生時による営業利益への影響など)
・ 企業活動:調達活動・サプライチェーン(例えば、中国の重要品目への輸出規制措置による月次生産可能台数への影響など)
・ その他、目的に応じて設定
② 本機能の特徴
(1)AIエージェントが、影響シナリオ作成 → 係数設定 → 算出(前提を置いた概算見積り) → 論拠提示まで、推定プロセス自体を組み立て、一気通貫で影響度合いを算出します。
(2)定量評価をインテリジェンス業務のAIワークフローの一部として組み込むことで、意思決定に直結する評価を継続的に回しやすくします。
(3)チャット形式で適宜深掘りや修正が可能なため、前提の調整や説明の補強を行いながら、実務資料への落とし込みを支援します。
③ 出力内容(アウトプット)
影響の規模感を、根拠とともに悲観・中立・楽観の3パターンで提示します。高精度の一点推定を目的とするのではなく、意思決定に必要な説明性・納得性を重視します。
図2:出力されるレポートイメージ(一部抜粋。表示数値は成り行きに対する影響係数を提示)

④ 精度検証の結果
MRI内部での検証の結果、チャット型生成AIの単体利用の場合と比較して、9.2ポイントの精度向上を確認しました(別紙参照)。
3. 今後の予定
「インテリジェンス基盤」は今後、外部環境の分析に加え、内部環境の分析に関する機能を段階的に拡張していきます。あわせて、売り上げ・利益などの経営指標にとどまらず、サプライチェーンを含む企業活動への影響も、定量的に把握・評価できるよう拡充します。
将来的には、外部・内部の分析結果を統合し、戦略レビューから単年度計画への落とし込みまでを一貫して支援する、総合的な経営支援プラットフォームへの進化を目指します。
すべての画像
