美術家・森村泰昌さんの展覧会で使われていた「約2500平方メートル」のカーテンをおゆずりします。 

森村さんのおもしろい構想。アートの後始末が、できないか?

ほぼ日

ゴッホの自画像やマネのオランピアなど歴史的な名画に扮したセルフポートレイト作品で知られる、美術家の森村泰昌さん。京都市京セラ美術館で開催された森村さんの大規模個展『ワタシの迷宮劇場』の会場で使われた「膨大な量のカーテン」を「展覧会終了後に、うまく活用できないか」というプロジェクト「アート・シマツ」がはじまります。
本プロジェクトでは、展覧会場で使われた品質の高い遮光性生地で仕立てられた「約2500平方メートル」のカーテンを、「有効活用してくださる方に、経費を賄える価格+αくらいで」お譲りします。
展覧会が終わった後にも、「まだまだ、おもしろいことがつづく。」それが、森村さんのやりたいことの核であり、ほぼ日が共感した部分です。まずは「自分だったら、こんなふうに使いたい」というご希望やアイディアを、募ります。多くのみなさんのご協力を、森村泰昌さんと一緒にお待ちしています。
◆本プロジェクトの全容は https://www.1101.com/n/s/art-shimatsu_morimura/index.html にてご覧いただけます。

  • 森村泰昌さんの本プロジェクトへの思い
美術館での展覧会をぶじに終えて、いつも思うことがある。「もったいないなあ」と。立派につくってもらった展示会場も、終わればすっかり解体される。大量に印刷したチラシやポスター、特注の陳列棚や台座、バナー、ときには展示室に置くベンチを新たにつくることもあるが、祭りが終わればすべてが廃棄物となる。ステキな展覧会が実現できて「作家としてのわたし」はうれしいけれど、後始末もせずにさっさと退散というのは、「人間としてのわたし」としては、なんだか悔いが残る。
そこで考えた。展覧会が終わった後の始末にも想像力をたくましくしてはどうだろうか、と。芸術家なんだから、なにごとにおいても想像力をたくましくするのは悪くないはずだ。
こうして思いついたのが「展覧会の後始末計画」つまり「アート・シマツ」で ある。展覧会が終わったあと、捨てられるのを待つだけのさまざまな廃棄物を、 日々の生活に役立つものとしてふたたび活かせないものだろうか。斬新な展覧会を企画することも、展覧会の「アート・シマツ」に工夫をこらすことも、ミュゼオロジー(博物館学)の一貫としてとらえてみたいと思うのだ。
展覧会が終わっても、まだまだ、おもしろいことがつづく。なかなかいいんじゃないだろうか。なにかの終わりは、なにかの始まりだってよく言うじゃないか。(森村泰昌)
  • 「アートの後始末ができないか?」本プロジェクトについて。

『ワタシの迷宮劇場』の展示風景『ワタシの迷宮劇場』の展示風景

きっかけは、美術家・森村泰昌さんの大規模個展『ワタシの迷宮劇場』の会場に使われていた「膨大な量のカーテン」を「展覧会終了後に、うまく活用できないか」という相談が、ほぼ日に届いたことでした。
京都市京セラ美術館の個展会場は「高さ5メートルのカーテン」によって、迷宮のように仕切られていました。カーテンの総量は、面積にして「約2500平方メートル」。このカーテンの生地を、「うまく活用できないか」というのが森村さんの思いです。
方法や詳細は未定ですが、このカーテンの生地を「経費を賄える価格+αくらい」でお譲りしたいと思っています。(「ふつうに買うよりも、かなり安く」という意味です)
「展覧会が終わっても、まだまだ、おもしろいことがつづく。」それが、森村さんのやりたいことの核であり、ほぼ日が共感した部分です。お譲りするかたがたに、お好きなように楽しんでいただきたい。廃棄されるはずだったカーテンを有効活用することで、このプロジェクトの趣旨にご賛同いただくこと、『ワタシの迷宮劇場』の「かけら」が、日本各地に残されていくことが、このプロジェクトの、もっとも大きなよろこびだと思っています。
  • まずはお譲りする方法や金額を決めるための、アンケートにご協力をお願いします。
まずはアンケートで「どれくらい必要か」「何に使おうと思っているか」をぜひ教えて下さい。アンケートの結果から、どれくらいの量を「お譲り用」にするか、いくらくらいでお譲りするか、お譲りする以外の「仕立て直した製品」をどれくらいつくるか‥‥を探っていこうと思っています。(現時点で、本当に申し込むかどうか決まっていなくてもけっこうです)「自分だったら、こんなふうに使いたい」というご希望やアイディアを、ぜひ、教えていただけませんでしょうか。
アンケートは、本プロジェクトのページ https://www.1101.com/n/s/art-shimatsu_morimura/index.html よりお答えいただけます。
  • 今後のスケジュールについて。
1か月間ほどアンケートを募り、その結果を参考にしながら、お譲りする方法や金額を決めていきます。お譲りの開始は「どんなにはやくても、年内」、準備に時間を要する場合、来年の春先くらいまで、お待たせするかもしれません。また、引き取ってくださったみなさんが、どのように有効活用しているか、可能でしたら取材させていただき、その結果を、日本地図にマッピングしてみたい。あの『ワタシの迷宮劇場』の「かけら」が、こんなところで、こんなふうに生きているんだという、「アート・シマツの地図」をつくれたらいいなと思っています。多くのみなさんのご協力を、森村泰昌さんと一緒に、ワクワクしながらお待ちしています。

森村泰昌(もりむら・やすまさ)さんプロフィール
美術家。1951年、大阪市生まれ。京都市立芸術大学、専攻科終了。1985年にゴッホの自画像に扮したセルフポートレイト写真を発表。以後、一貫して「自画像的作品」をテーマに、美術史上の名画や往年の映画女優、20世紀の偉人等に扮した写真や映像作品を制作。国内外で多数の個展を開催。著作・評論も多数。2011年、紫綬褒章受賞。

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会社概要

株式会社ほぼ日

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URL
https://www.hobonichi.co.jp/
業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
東京都千代田区神田錦町3-18 ほぼ日神田ビル
電話番号
03-5422-3801
代表者名
糸井重里
上場
東証スタンダード
資本金
-
設立
1979年12月