AIエージェントによる自律的なソフトウェア開発を支援する「AI駆動開発/バイブコーディング」CoEサービスを開始
~「GitHub Copilot Coding Agent」「Devin」など自律型AIコーディングエージェントの浸透と30%以上の効率化を実現~

AIソリューション事業を手掛ける株式会社ヘッドウォータース(本社:東京都新宿区、代表取締役:篠田 庸介、以下「ヘッドウォータース)」は、AIエージェント(※1)がプログラムを書く「AI駆動開発(※2)/バイブコーディング(※3)」内製化支援サービスの開始をお知らせいたします。
※1 AIエージェントとは
AIエージェントは、自律的に特定のタスクを実行するインテリジェントなシステムです。複数のAIモデルを組み合わせることで、単一のモデルでは困難な高度なタスクも自動で実行できます。企業では、電話応対やスケジュール管理、データ入力などの業務を自動化するために活用され、業務効率の向上とビジネス成果の最大化に寄与しています。国内におけるAIエージェント市場は急速に成長しており、2024年から2030年にかけての年平均成長率(CAGR)は44.8%と予測されています。
※2 AI駆動開発とは
AI駆動開発とは、ソフトウェア開発プロセスにおいて人工知能(AI)技術を活用し、コードの自動生成やテストの自動化、要件分析の支援などを行う開発手法です。従来は人間のプログラマーが手作業で行ってきた処理を、機械学習モデルや大規模言語モデル(LLM)などの生成AIが補助・自動化することで、開発効率と生産性を向上させることを目指します。
たとえばGitHub CopilotといったAIペアプログラミング支援ツールにより、自然言語で指示を出すだけでコードの一部が自動生成されるということが現実となっています。
2025年現在、生成AIによるコード補助は一部の先進的なエンジニアだけでなく、誰もが活用できる時代に突入しており、開発現場でこれらのツールが実際に利用されています。さらに、AIはコーディング工程のみならず、上流の要件定義から設計、下流のテストやデプロイ、プロジェクト管理に至るまで、ソフトウェア開発の全工程で活躍し始めています。AI駆動開発は単にコードを書く作業を助けるだけでなく、ソフトウェア開発ライフサイクル全般を変革しつつあります。
※3 バイブコーディングとは
バイブコーディングとは、AIを使用してコードを生成する技術のことです。
シリコンバレーで誕生した新しいトレンド用語で、AI駆動開発の中でも特に生成AIによるコーディング支援にフォーカスした概念です。具体的には、GitHub Copilot、Windsurf、Devin、Cursor、Claude Codeといった専用のAIコードジェネレーターを使い、開発者が書くコードの相当部分をAIに自動生成させる手法を指します。
バイブコーディングは現在、多くの企業で注目され始めており、欧米においてはエンジニア採用の場でも「バイブコーディングのスキル」が要件に挙がるケースが出てきています。
ヘッドウォータースは、企業向け生成AIサービスのラインアップを拡充し、生成AI基盤の構築やAIエージェントの導入に向けて、当社の技術力を活用したRAG(Retrieval Augmented Generation)システムおよび伴走支援型ラボを、多くの企業に提供してきました。
今後、AIエージェントが業務の中核を担う時代へと移行する中、企業はDXプロジェクトにおいて、生成AIを活用した業務効率化を推進していくことになります。数ある生成AI活用の業務領域の中でも、避けて通れないのが「プログラミング業務におけるAIエージェントの活用による効率化」です。
現在、海外の大手テクノロジープラットフォーマー各社から、AI駆動の開発ツールやバイブコーディングツールが相次いで発表されており、ソースコードの20~30%がAIによって自動生成されています。
ヘッドウォータースでは、かねてよりAI駆動の開発ツールに着目しており、2023年にはGitHub Copilot(※4)を全社導入しました。マイグレーションAIエージェントなどを活用し、企業が開発するソースコードのAIエージェント化を推進するだけでなく、「カスタマーゼロ」(※5)をコンセプトとした新技術の社内実装にも取り組んでいます。
また、逼迫するIT人材の需要に応えるため、生産性向上を目的として、AI駆動開発の検証に継続的に取り組んでいます。当社のプロダクト開発業務における一部の工程(コード生成、新機能の実装、バグの調査・解析、仕様書作成、コードレビュー、テストコード作成、運用設計書作成など)をAIに担わせることで、30~92%の工数削減が期待できるという検証結果が得られました。これを受けて、AI駆動開発チームを発足し、体制強化を進めています。
幅広いAI駆動開発ツールの検証を通じて、「情報漏洩リスクに配慮した企業向け」「個人開発者ではなく、チーム開発に適したもの」「AI駆動開発の初心者でも扱いやすい」といった特徴を抽出し、企業のDXプロジェクトに適した推奨ツールの選定を行いました。
度重なる検証によって蓄積されたAI駆動開発のナレッジは、大手企業のDX部門における内製開発チームのニーズに合致し、複数の大手企業からパイロットプロジェクトの受注が決定しました。これを受けて、外販向けに「AI駆動開発/バイブコーディングCoE支援サービス」を発表するに至りました。
※4 GitHub Copilotとは
GitHub Copilotは、Microsoft傘下のGitHub社が提供する、開発者がより迅速かつ効率的にソースコードを記述できるように支援するツールです。開発者がコードを書く際、GitHub Copilotは開発者が記載する前後のソースコードから内容を理解し、新しいコード行や関数全体、テスト、さらには複雑なアルゴリズムまで瞬時に処理を提案してくれるため、プログラミング作業を大幅に効率化します。
※5 カスタマーゼロとは
カスタマーゼロ(Customer Zero)とは、製品やサービスを開発・提供する企業自身がその最初のユーザー(顧客)となることを指します。企業が自社の製品を内部で積極的に使用し、フィードバックを得て改善することで、製品の品質やユーザー体験を向上させるアプローチです。
たとえば、ソフトウェア会社が自社開発のツールを社内で最初に導入し、実際の業務でテストする場合、これがカスタマーゼロの例です。このプロセスにより、外部顧客に提供する前に問題を特定し、製品を洗練させることができます。この概念は、特にテクノロジー企業やスタートアップでよく使われ、顧客視点での製品開発を強化する戦略として重要視されています。
■AI駆動開発/バイブコーディングCoE支援サービスとは
センター・オブ・エクセレンス(CoE:Center of Excellence)とは、組織内で特定の分野(ここではAI駆動開発やバイブコーディング)の導入・活用を推進し、最適化とガバナンスを担う専門チームまたは組織です。
CoEは特定分野に関する専門知識、ベストプラクティス、リソースの集約拠点として機能し、各プロジェクトが組織の戦略目標に沿って推進され、確実にビジネス価値を創出することを支援します。特に、AI駆動開発やバイブコーディングのような新しい技術領域では、ノウハウが社内の各部署や個人に散在しがちであり、そのままでは非効率で、成果も不安定になりやすいとされています。
「GitHub Copilot Coding Agent」(※6)「Devin」(※7)「Windsurf」(※8)などに関する専門知識を有するCoEを設置することで、社内のサイロ化を解消し、知見やリソースを一元管理します。これにより、重複作業の削減や標準化による効率向上を図り、組織全体でAI駆動開発やバイブコーディングを円滑かつ効果的に展開するための推進役として、企業支援を行います。
※6 GitHub Copilot Coding Agentとは
GitHub Copilotの新しい機能であるGitHub Copilot Coding Agentは、Issue(課題)にCopilotを担当者としてアサインするだけで、AIがタスクを解析し、コーディングを自律的に開始します。コードの実装、修正、テスト、ドキュメント作成、プルリクエストの作成といった一連の開発タスクをAIが自律的に行うことができます。
※7 Devinとは
Devin(デビン)とは、Microsoft社が提携するAIスタートアップ企業Cognitionが開発した、世界初の完全自律型AIソフトウェアエンジニアです。ソフトウェア開発の全工程(要件定義、設計、コーディング、テスト、デプロイ)を人間の指示なしに自律的に実行できる革新的なツールです。
※8 Windsurfとは
Windsurfとは、OpenAI社が買収したWindsurf社が提供するAIを活用したコード補完ツールで、リアルタイムのコード予測や補完が可能になり、プログラミングの効率を大幅に向上させます。 特にスピーディーに開発を進めたいエンジニアや、コードの品質を向上させたい方に最適です。 使い方はシンプルで、対応エディタにプラグインを導入するだけで利用できます。
①トレーニングとワークショップ
CoEでは、社内エンジニアや関係者のスキル向上を目的に、定期的にトレーニング、ワークショップ、セミナーを開催します。生成AIコーディングの入門ハンズオンから、プロンプトエンジニアリング(AIへの効果的な指示の出し方)研修、さらには応用事例を交えた勉強会まで、習熟度に応じた段階的なプログラムを企画・提供します。
②ツールとリソースの提供
CoEでは、AI駆動開発やバイブコーディングに必要となる共通ツール群や開発環境を整備し、全社で利用できるようにします。たとえば、コード自動生成AIを利用するためのクラウド環境(Azure OpenAIや社内サーバ上の大規模言語モデル)、データサイエンティスト向けのGPUクラスタ、機械学習フレームワーク、ライブラリ、社内コードのナレッジベースなどを、CoEが構築・管理します。
また、社内専用のAIコーディングアシスタントを導入してIDEと統合するほか、プライベートなプロンプト管理システムの提供など、独自リソースの整備も進めます。
③ベストプラクティスとガイドライン策定
CoEの重要な役割の一つは、AI駆動開発やバイブコーディングにおける社内標準の策定です。
具体的には、AIを用いたコーディング手法や生成AIの利用に関するベストプラクティス集の整備、既存のコーディング規約に対する拡張、プロンプト文法やテスト基準のガイドライン作成、個人ごとにばらつきがあるプロンプト品質を組織推奨型に自動変換するプロダクトの提供などを行います。
④サポートとメンタリング
CoEは専門チームとして、日常的な問い合わせ対応や技術支援も担います。
AI駆動開発に取り組むプロジェクトチームからの質問対応、プロンプトの改善提案、各チームへのメンターのアサインによる伴走支援などを行います。たとえば「生成AIが出力したコードにバグが多いが、どう対処すべきか」といった相談に対しては、CoEのエキスパートが原因分析や修正方針の助言を行います。また、経験豊富なエンジニアが各部署のメンバーに対してコーチングやペアプログラミングを実施し、AI駆動開発の定着を支援します。
■今後について
当社は、現状のAI駆動開発について、ITアーキテクトやフルスタックエンジニアなどのシニアエンジニアを代替するレベルとして使うには困難であると考えています。一方で、指示通りにコーディングを行う作業者としての代替は、近い将来に始まる可能性があるとの見解を持っています。
今後、AIを使いこなすプログラマーとそうでないプログラマーの価値は二極化すると見込まれます。AIを扱うシニアエンジニアを多数擁するヘッドウォータースでは、AI駆動開発を積極的に導入し、AIエージェントの監督者やAI駆動開発の設計・企画者を増やすことで、AIによる労働力の拡充を図る基盤を構築し、さらなる差別化と高付加価値化を目指します。
当社プロダクト「SyncLect AI Agent」では、AI駆動開発向けのAIエージェントやプロンプトテンプレートを提供することで、AI駆動開発における学習コストを低減し、顧客の内製開発者が誰でも業務効率化を実現できるスキームの構築を進めてまいります。
■参考
・GPTモデルを活用したAIプログラミングアシスタント 「GitHub Copilot for Business」の全社導入を開始
https://www.headwaters.co.jp/news/gptai_github_copilot_for_business.html
・ヘッドウォータース、GitHubテクノロジーパートナーとして認定
https://www.headwaters.co.jp/news/github_technology_partner.html
・「Azure OpenAI Service OpenAI o1」や「GitHub Copilot」などの生成AIをマイグレーションに活用する「マイグレーションAIエージェント サービス」を開始
https://www.headwaters.co.jp/news/migration_aiagent_service.html
・マイクロソフト ジャパン パートナー オブ ザ イヤー 2024において 「AI イノベーション パートナー オブ ザ イヤー アワード」を受賞
https://www.headwaters.co.jp/news/microsoft_Japan_partner_year_award_2024.html
■商標について
Microsoft、Azure、Microsoft 365は、米国 Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。Microsoft 365は、Microsoft Corporationが提供するサービスの名称です。その他、記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
■会社情報
会社名:株式会社ヘッドウォータース
所在地:〒163-1304 東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー4階
代表者:代表取締役 篠田 庸介
設 立:2005年11月
URL :https://www.headwaters.co.jp
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