TENTIAL、GenkiGroupと「特許技術と高機能素材を使用したインソールが高齢者の転倒リスクに与える影響の検証試験」を実施。転倒リスクの軽減と歩行機能の改善を示す結果に
健康に前向きな社会の実現を目指し、コンディショニングブランドを展開する株式会社TENTIAL(所在地:東京都品川区、代表取締役CEO:中西裕太郎、以下「テンシャル」)は、介護福祉・医療・教育分野を中心に複数の事業運営を行うGenkiGroupの医療法人社団鴻愛会(本社:埼玉県鴻巣市、理事長:神成 文裕)と「特許技術と高機能素材を使用したインソールが高齢者の転倒リスクに与える影響の検証試験」を実施いたしました。施設利用者の転倒リスクの軽減や歩行機能の改善に貢献する結果となり、機能性インソールが高齢者の転倒防止に役立つ可能性を示しました。
テンシャルは、コンディショニングの思想に共感いただいた共創パートナーとともに、日常の健康課題の解決に向けた取り組みを実施しております。今回新たに共創パートナーとなったGenkiGroupと共に、今後も施設利用者や介護従事者の方々の健康課題の解決に取り組んでまいります。
取り組みの背景
高齢者の転倒は、超高齢化社会に突入する日本において大きな社会課題として考えられています。転倒をきっかけに、骨折などを伴い、その結果として寝たきりとなり介護が必要になってしまうケースも多々あり、介護施設で暮らす高齢者も同様のリスクをはらんでいます。介護労働安定センターの調査*1によると、介護施設内で発生する事故のうち最も多いのが転倒、転落で7割近くを占めており、介護施設利用者の健康維持において転倒防止の取り組みが非常に重要であるといえます。世界に先駆けて超高齢化社会となる日本において、高齢者の方々が長く健康でいられることに貢献する取り組みは社会的にも意義深いと考え、今回、GenkiGroupの医療法人社団鴻愛会こうのす共生病院と共同で、介護施設入居者41名(平均年齢 89.3±4.9歳)の歩行の自律している方を対象に、特許技術と高機能素材を使用したインソールを6カ月間に渡り使用していただき、高齢者の転倒リスクを低減する可能性を検証しました。評価項目としてFRI-21 (転倒リスクスコア)、10m歩行タイム、足指筋力を製品利用開始から6か月間にわたり測定しました。また、実際に施設で生じた転倒数も記録しました。
*1公益財団法人 介護労働安定センター「介護サービスの利用に係る 事故の防止に関する調査研究事業」
実験結果
結果①:特許技術と高機能素材を使用したインソールにより、高齢者の転倒リスクが低減され、その効果が6カ月間持続した
まず始めに、転倒リスクに対する総合的な影響を評価するために、臨床現場でも使用される指標であるFRI-21(転倒予測スコア)を用いた高齢者の転倒リスクについての客観評価を行いました。この尺度は、身体機能・老年症候群・環境要因の3つの項目について、全21個の質問に対する回答でスコアが算出されます。21点を最大値とし、カットオフ値10点以上で将来的な転倒リスクが高いとされています。6カ月間の特許技術と高機能素材を使用したインソールの使用により、合計スコアはインソールの使用後すぐに下降し、その後全計測期間において機能が持続する結果となりました。スコアの内訳を紐解くと、「身体機能面」および「老年症候群(加齢に伴う心身の機能の衰えによって様々な症状が現れ、医師の診察や看護、介護を必要とする状態)」の項目において、インソールの使用による即時的なスコア減少と機能の持続が明らかになりました。一方、環境要因に関してはスコアに変化がみられませんでした。この結果から、特許技術と高機能素材を使用したインソールの使用は、身体機能面および老年症候群等に影響をあたえることで、高齢者の転倒リスクを総合的に軽減させることが明らかとなりました。
結果②:特許技術と高機能素材を使用したインソールにより、高齢者の歩行速度が上昇した
次に、特許技術と高機能素材を使用したインソールの使用がどのように転倒リスクの低減に繋がるのかを明らかとするために、歩行解析デバイスAYUMi-EYE medicalを用いた歩行解析を行いました。その結果、10mの距離を歩行するのにかかる時間が、インソールの使用後3カ月時点において、使用開始前よりも約2秒短くなり、歩行速度が増大していることが明らかとなりました。この結果より、歩行速度の増大が、FRI-21の身体機能面の向上を反映していると考察しています。インソールの使用後6か月の時点で歩行時間が伸びてしまっている点については、老化による影響が製品の機能を上回っていることが原因だと考察しています。
結果③:特許技術と高機能素材を使用したインソールにより、歩行時の即時的な足指筋力が増大した
また、足趾把持筋力測定器を用いた客観評価においては、立方骨が上がることにより足指が使いやすくなり、インソール使用後すぐに足趾把持筋力が向上しました。その後は緩やかに筋力が低下する方向にありましたが、インソール使用前と比較して有意な差はありませんでした(p =0.12, paired t-test, 使用前 versus 使用6ヶ月)。一方で、一般的に施設利用の高齢者では、6カ月間で大幅に筋力が低下してしまいますが、今回の結果から、特許技術と高機能素材を使用したインソールの活用により歩行時の筋力の低下が抑えられていると考えられます。
最後に、今回ご協力いただいた3施設における転倒数を、インソール利用者とインソール非利用者に分けて解析を行いました。その結果、インソール利用者30名において、インソール着用前の総転倒数が12回に対してインソール着用後においては総転倒回数が6回となり、減少する傾向が確認されました。一方、同期間で計測したところ、インソール非利用者60名においては総転倒数が15回から20回と微増する傾向が確認されました。今回の結果だけでは結論づけることは難しいと考察していますが、インソール着用により実際の転倒数が減少する可能性は十分にあり得る結果だと考えています。
今後は介護施設への特許技術と高機能素材を使用したインソールの展開などを通して、介護における健康課題をさらに解決できる可能性があると考えます。
医療法人社団鴻愛会 こうのす共生病院理事長 理事長 神成文裕 コメント
「高齢者の方々の転倒」は、不慮の事故による死亡の第2位であり、交通事故よりもお亡くなりになる方が多いというのが現状です。今回、我々が行った研究では、「TENTIAL社製のインソールが、85歳以上の超高齢者の方々の歩行機能とバランス機能の改善に寄与する」という結果でした。つまり、インソールが転倒リスクを減らし、健康寿命を延伸させる可能性を示唆している、大変興味深い結果といえます。
医療法人社団鴻愛会では、皆さんの健康を支援することができる可能性がある研究を継続してすすめていきます。どうぞ今後とも、よろしくお願いいたします。
株式会社TENTIAL 執行役員CRO / コンディショニング研究所 所長 舟山 健太 コメント
高齢者の転倒は、直接的に寝たきりに繋がる可能性も高く、超高齢社会の日本において大きな社会課題として捉えられています。人生100年時代を迎えるにあたり、可能な限り長く健康でいることがとても重要です。今回の研究結果は、健康を届けることに本気で向き合っているTENTIALの製品が、高齢者の転倒を防止する可能性を示すものです。インソールという誰しもが簡単に利用できる製品を活用していることも着目すべきポイントであり、「健康に前向きな社会」を創るために現実的な社会実装まで見据えていることからも、非常に意義深い取り組みだと考えています。
株式会社TENTIALについて
株式会社TENTIALは「健康に前向きな社会を創り、人類のポテンシャルを引き出す。」をミッションに、コンディショニングブランド「TENTIAL」を展開しています。アスリートの知見や最新の技術・研究を活用し、機能性を軸とした製品を展開。24時間365日、日常生活から疲労回復をはじめ、パフォーマンス向上のために心身を整える活動をサポートしています。
会社概要
社名:株式会社TENTIAL
設立:2018年2月
資本金:1億円(2023年2月1日時点)
代表者:代表取締役CEO 中西裕太郎
所在地:〒141-0001 東京都品川区北品川6-7-29 ガーデンシティ品川御殿山 西館5階
コーポレートサイト: https://corp.tential.jp/
事業内容:『TENTIAL』 https://tential.jp/
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