JAXA事業「有人与圧ローバー開発に係る技術管理支援業務」に採択
日揮ホールディングス株式会社(代表取締役会長CEO 佐藤 雅之)は、海外EPC事業会社である日揮グローバル株式会社(代表取締役社長執行役員:ファルハン・マジブ 以下「日揮グローバル」)が、本年2月19日に、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)が公募する競争入札事業「2024年度・2025年度 有人与圧ローバー開発に係る技術管理支援業務」(以下、本業務)に採択されたことをお知らせします。
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有人与圧ローバーは、米国が主導する「アルテミス計画」において月面探査を行うための主要な要素であり、「居住機能」と「移動機能」を併せ持ち、月面上の広い範囲を長期間にわたり移動可能なモビリティです。JAXAとトヨタ自動車株式会社が2019年3月、技術検討を協力して加速することに合意し(※1)、2024年4月には、日米間で「与圧ローバーによる月面探査の実施取決め」に署名し、日本がアルテミス計画において有人与圧ローバーを提供・運用することが規定されました(※2)。JAXAは2031年の打ち上げを目標に開発を進めており、この世界初のシステム開発を実現するため、技術管理の一端を担うパートナーとして日揮グローバルが選ばれました。
日揮グローバルは、本業務において主に以下の3点を実施する予定です。
1. NASAとの技術的な調整の支援
2. プロジェクト遂行に必要な文書類の案作成およびトレーサビリティ管理
3. システム仕様の設定に伴うレイアウト検討および熱解析等の各種解析業務
日揮グループは、創業以来90年以上に亘って、エネルギー関連分野や社会・産業インフラ分野における幅広い分野のプラント・施設の設計・調達・建設(EPC)事業に携わってきました。その実績は80か国2万件以上におよび、砂漠やジャングル、極北、海上など様々な環境でプロジェクトを遂行してきました。また、1980年代から2000年代初頭にかけて、国際宇宙ステーションを利用した微小重力環境利用サービスの提供や、安全・品質保証分析などの宇宙関連ビジネスにも携わってきました。今回の採択にあたっては、日揮グローバルのプロジェクト遂行能力や調整力、宇宙でも活用できるエンジニアリング技術が評価されたものと考えています。
日揮グローバルは、2018年から社内有志メンバーによって宇宙関連ビジネスへの参画を検討し、2020年12月に月面での燃料(水素)供給プラントの実現に向けた検討組織「月面プラントユニット」を設置しました。2021年6月には、JAXAと月面推薬生成プラントの構想検討に係る連携協力協定を締結し、約2年間をかけて月の水資源を利用した月面推薬生成プラント構想に関する概念検討を行い、その実現に必要な技術要素、研究課題の洗い出しおよび研究開発計画の検討を実施しました。また2023年12月にはJAXA事業「月面推薬生成プラントの実現に向けたパイロットプラントの概念検討」(※3)に、2024年11月には「月面推薬生成プラントの実現に向けた地上実証プラントの概念設計及び要素試作試験」に採択(※4)され、月面および地上での実証プラントに関する概念検討や実証計画の立案などを行っています。
日揮グローバルは本業務を通じて、宇宙事業に係る技術開発の実績と知見を蓄積し、人類の宇宙における持続的な活動の実現に貢献してまいります。
※1 2019年3月 JAXA、トヨタ自動車ニュースリリース「JAXAとトヨタ、国際宇宙探査ミッションへの挑戦に合意」(https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/26986678.html)
※2 2024年4月 文部科学省 “国際宇宙探査(与圧ローバによる月面探査の実施取決めの署名について)” (https://www.mext.go.jp/a_menu/kaihatu/space/jigyou/detail/1347482_00017.html)
※3 日揮ホールディングス 2023年度プレスリリース “JAXA事業「月面推薬生成プラントの実現に向けたパイロットプラントの概念検討」に採択”(https://www.jgc.com/jp/news/2023/20231206.html)
※4 日揮ホールディングス 2024年度プレスリリース “JAXA事業「月面推薬生成プラントの実現に向けた地上実証プラントの概念設計及び要素試作試験に採択"(https://www.jgc.com/jp/news/2024/202411061.html)
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