絶滅危惧種マナヅルとその繁殖地モンゴルの湿地保全のための寄付キャンペーンを開始「草原の国、ツルのふるさと~命が集う水辺を守る~」
公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(東京都港区、会長:末吉竹二郎、以下WWFジャパン)は、絶滅危惧種であるマナヅルとその繁殖地モンゴルの湿地保全のための寄付キャンペーン「草原の国、ツルのふるさと~命が集う水辺を守る~」を本日2025年3月3日(月)よりWWFジャパンウェブサイトにて開始しました。https://www.wwf.or.jp/campaign/da/
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🔳絶滅危惧種のマナヅルを守る意味
マナヅルは、春から夏にかけてはモンゴルを含むアジア北東部を繁殖地とし、日本の九州や中国の揚子江中流域などを越冬地としている渡り鳥です。比較的浅い湿地やその周辺の草地、農地を生息地としています。推定個体数は6,700~7,700羽で絶滅の危機にあり、国際自然保護連合(IUCN)の「レッドリスト」において「VU(危急種)」(2018年)とされ、日本の環境省のレッドリストでも「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」に選定されています。
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マナヅルの繁殖地は中国北部やロシアにもありますが、特に生息数の減少が顕著なのが、主にモンゴルで繁殖し、中国南部で越冬する西部個体群です。
繁殖地であるモンゴルは、降水量が少なく、気候変動による湿地の消滅も起きており、水辺という環境はどの生きものにとっても大変貴重です。マナヅルは浅い水の中に草を積み上げて巣を作るため、川岸や湖のほとり、湿原などは営巣に適した環境です。しかし近年、家畜の過放牧が大きな要因となり、野生生物の利用できる水辺が減少し、さらに、糞尿による水質汚染も起き、マナヅルに影響を与えています。
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🔳WWFジャパンのマナヅルとその生息地の保全活動、寄付キャンペーンの概要
マナヅルを守るには、その繁殖地、越冬地、中継地において適切な生息環境が保たれていることが重要です。WWFジャパンは、日本国内では、鳥インフルエンザのような感染症の拡大を回避するため、地域関係者や自然保護団体の方々と越冬地の分散を図るための検討を実施。2024年4月からはWWFモンゴルが取り組む、繁殖地での調査と保全活動への支援を開始しました。WWFジャパンはWWFモンゴルとともに、家畜や犬によるマナヅルの生息地への侵入を防ぐフェンスの設置といった被害対策や、農家や遊牧民の方々など現地コミュニティに対して、マナヅルと湿地環境の抱える課題の共有などを行なっています。
モンゴルでの取り組みについてはスタッフのブログでも紹介しています。
「湿地を再生したら、マナヅルがやって来た!」
https://www.wwf.or.jp/staffblog/activity/5906.html
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本日開始した寄付キャンペーンは、マナヅルが絶滅の危機に瀕している状況を多くの方に知っていただくとともに、マナヅルとその生息地を保全するWWFの活動へのご支援を呼びかける目的で実施します。寄付の一部は、WWFジャパンが行なうマナヅルとその生息地の保全活動費に充てられます。
WWFジャパン 専門オフィサーのコメント
自然保護室 淡水グループ 羽尾芽生
モンゴルの大平原に立つと、健やかな水を育む湿地の環境が、マナヅルにも、この地に暮らす人々にも、いかに大切なものかを実感します。この想いを力にして、WWFモンゴルのスタッフや地元の子どもたちと共に、活動を広げていけたらと願っています。
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■ご参考
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モンゴルでの活動について紹介動画(1分53秒)
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モンゴルと日本をつなぐ渡り鳥 絶滅危機種マナヅルの保全プロジェクト
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「世界渡り鳥の日」~モンゴルでのマナヅル保全活動
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「世界湿地の日」 ツル舞う日本の原風景
WWFについて
WWFは100カ国以上で活動している環境保全団体で、1961年に設立されました。人と自然が調和して生きられる未来をめざして、失われつつある生物多様性の豊かさの回復や、地球温暖化防止などの活動を行なっています。 https://www.wwf.or.jp
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