スペースデータ、孤立集落をロボットが自律で捜索する「RobotBrain」の災害対応機能を開発

自律型・群制御型の空間知能×フィジカルAIを災害対応に適用し、発災直後の被害把握と救助実施を想定したシミュレーションで、言葉による指示から地形に合わせた自律捜索までを示す

株式会社スペースデータ

株式会社スペースデータ(本社:東京都港区、代表取締役社長:佐藤航陽、以下「スペースデータ」)は、ロボットの導入・運用・学習基盤「RobotBrain(ロボットブレイン)」で、置くだけで機体が自律して動く災害対応の機能を開発し、豪雨で孤立した集落の捜索を再現したシミュレーションを作成しました。自律型・群制御型の空間知能×フィジカルAIのコンセプトを災害対応に適用したもので、災害対応サイクルのうち発災期の被害把握と救助実施を想定しています。任務は日本語のチャットや音声で指示でき、地形の三次元データから電波の届き方や対象を識別できる位置、経路を計算して、歩行・走行・ドローンの3種の機体の行動計画として示します。

背景

2024年1月の能登半島地震では、道路の寸断などにより多くの集落が孤立し、被害状況の把握や要救助者の捜索に時間を要しました。豪雨による土砂災害でも、道路や橋が寸断されて集落が孤立する事態が起きています。山間部の集落では、地形によって電波が届きにくく、ドローンを遠隔で操縦し続けることが難しい場合があります。また、発災直後に操縦に習熟した要員を現地で十分に確保できるとは限りません。

災害への対応は、発災期の被害把握や救助実施、復旧期の応急対応や地域再建、復興期のレジリエンス強化へと続くサイクルとして捉えられます。このうち発災期は、限られた人員と通信環境のもとで、現地の状況をいち早く把握し、救助につなげることが求められる段階です。こうした認識のもと、スペースデータは、地形などの空間を情報化して機械が自律的に動けるようにする空間知能と、現実の環境で動くフィジカルAIを組み合わせ、複数の機体が自律して連携する「自律型・群制御型」の仕組みを開発しています。今回の機能は、その災害対応版として、発災期の被害把握と救助実施を想定して開発したものです。

機能の概要

孤立した集落までの電波の届き方(色分け)と見守る位置を地形から計算する画面(出典:国土地理院)

1. 言葉による任務の指示と機体条件の自動検査

被害状況と任務を日本語のチャットや音声で伝えると、任務の窓口が内容を命令の形式に解釈し、機体の性能や運用上の制限に照らして実行できるかを検査します。

2. 三次元地形からの行動計画の計算と下見

地形の三次元データから、電波の届き方、要救助者など対象を識別できる位置、土砂や浸水を避けた進入路を計算し、機体の行動計画として示します。土石流が川をせき止めてできた天然ダムの位置や、ヘリコプターによる吊り上げに適した位置も地形から割り出します。

3. 置くだけで動く自律行動と、人が判断する範囲の明示

機体は所定の位置に置くと自律的に動き始めます。あらかじめ許可した範囲の行動は自動で実行し、範囲の外の行動が必要な場合だけ人に判断を求めます。どこまで機体に任せているかは、画面上で色分けして表示します。

シミュレーションの内容(孤立した集落の捜索)

歩行ロボットのカメラ映像(画面左上)で要救助者を見つけ、位置と映像を救助隊へ引き継ぐ場面(出典:国土地理院)

シミュレーションでは、豪雨による土石流と川の増水で道路と橋が寸断された集落を想定し、歩行・走行・ドローンの各機体が林道の終点から集落へ自律的に進みます。到着後は家屋の損壊や土砂の状況を報告し、要救助者を見つけると光と音で呼びかけたうえで、位置と映像、吊り上げ位置を消防の救助隊へ引き継ぎます。監視の継続や記録、帰還も自動で行います。なお、シミュレーションに登場する機体・人物・地点はすべて架空のものです。

走行ロボットが道路の通行止めを確認する場面(出典:国土地理院)

実機での検証

実機での動作の検証も、自社の拠点で進めています。四輪で走るロボットカー、サーモカメラを載せた四足歩行ロボット、カメラとGPSを備えた据え置きの端末の3種類の機体を使い、今回の機能のうち、計画どおりに動くこと(2. の行動計画)、置くだけで自律的に動き始めること(3. の自律行動)、人を見つけて機体どうしで引き継ぐことが、実機でも成り立つかを確かめています。

具体的には、次のとおりです。

  • 四輪ロボットカー:前進・後退・横移動・旋回の移動の計画と、超音波センサーによる距離の計測、回りながら周囲を測る動きを確かめました(2. の行動計画に対応)。電源を入れると常駐の任務を自ら始め、360度見回して人を探します(3. の自律行動に対応)。10月31日の人探しの試験では、2回人を見つけています。

  • 四足歩行ロボット:撮影・温度の計測・動きの計画を確かめました(2. の行動計画に対応)。

  • 据え置きの端末(一部はサーモカメラと人感センサーも搭載):撮影・温度・位置・人の検知を確かめました。人感センサーが反応すると四足歩行ロボットが確認に向かう流れも確かめており、複数の機体が連携して動く仕組みに対応します。

想定する利用者と活用場面

自治体の防災担当部署、消防、インフラ事業者などでの活用を想定しています。発災直後に操縦に習熟した要員が現地にいなくても、配置した機体で被害の把握や要救助者の捜索を始められます。平常時は、地形に合わせた捜索計画を作成し、訓練に用いることもできます。

RobotBrainについて

RobotBrainは、現場で動くロボットの導入・運用・学習を支えるスペースデータの基盤です。デジタルツインや物理シミュレーション、空間知能の技術を土台に、ロボットが現場の環境を理解して自律的に動けるようにする仕組みを開発しています。詳細は https://catalog.robotbrain.space/ をご覧ください。

今後の展望

スペースデータは、RobotBrainを通じて自律型・群制御型の空間知能×フィジカルAIの開発を進めます。災害対応では、複数の機体の連携や浸水被害の確認などに対象を広げるとともに、自治体や防災関係機関と連携した実地での検証を進め、発災期から復旧・復興期までの災害対応サイクルを支える仕組みとして実用化を目指します。

株式会社スペースデータについて

株式会社スペースデータは、宇宙を誰もが活用できるインフラへと変える「宇宙の民主化」を使命に、宇宙をはじめとするあらゆる空間の知能化(MAKE SPACE INTELLIGENT)に取り組むテクノロジースタートアップです。

空間を情報化し、AIに物理を学ばせ、機械が自律的に動けるようにする「空間知能」の技術を活用して、宇宙開発から都市開発、防災、安全保障まで、次の未来を支えるデジタルプラットフォームの構築を国内外で進めています。

スペースデータの公式サイトでは、「NEWS」にて最新の取り組みや発表をご紹介しています。詳細は https://spacedata.jp/news をご覧ください。

社名:株式会社スペースデータ

代表:佐藤航陽

所在地:東京都港区虎ノ門1-17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー 15階

資本金:15億1300万円

事業内容:宇宙開発に関わる投資と研究

HP:https://spacedata.jp

NEWS:https://spacedata.jp/news

X:https://x.com/spacedatainc

LinkedIn:https://www.linkedin.com/company/spacedatajp/

採用情報:https://www.wantedly.com/companies/spacedata/projects

本件に関するお問い合わせ

下記のお問い合わせフォームからご連絡ください。

https://spacedata.jp/contact

すべての画像


関連リンク
https://spacedata.jp
ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

株式会社スペースデータ

48フォロワー

RSS
URL
https://spacedata.jp
業種
情報通信
本社所在地
東京都港区虎ノ門 1-17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー 15階
電話番号
-
代表者名
佐藤 航陽
上場
未上場
資本金
15億1300万円
設立
2017年01月