国際NGOプラン・インターナショナルが、スーダンでの人道支援車列への攻撃に対する声明を発表
人道支援への攻撃は国際人道法の重大な違反であり、栄養不良と飢餓に直面する数十万人の市民とりわけ子どもたちへの甚大な影響を懸念
国際NGOプラン・インターナショナル(所在地:東京都世田谷区 理事長:池上清子 以下、プラン)は、2025年6月2日に北ダルフール州アル・コマ付近で発生した国連の合同人道支援車列への攻撃について声明を発表しました。当該攻撃は国際人道法を著しく侵害するものであり、北ダルフール州で栄養不良と飢餓に直面する数十万人の市民、とりわけ子どもたちに甚大な影響を及ぼす恐れがあります。
プラン・インターナショナル・スーダンの国統括事務所長 モハメド・カマルのコメント
「初期報告によれば、人道支援トラックへの攻撃により5名が犠牲となりました。これは、スーダン全土で急速に悪化する治安状況を示す重大な警鐘です。人道支援関係者や市民が今後どれほど同様の暴力にさらされるのか、私たちは愕然とすると同時に強い憤りを覚えています。
スーダンは東アフリカで栄養不良率が最も高く、400万人の子どもと100万人超の妊娠・授乳中の女性が急性栄養不良に陥っています¹。支援を最も必要とする人々に援助が届くことが不可欠です。
ダルフールへの人道アクセスはすでに著しく制限されており、雨季が間近に迫っています。道路が冠水すればこれら地域へのアクセスは極めて困難となり、深刻な飢餓に直面するコミュニティはさらに危機的状況に陥るでしょう。このような非人道的行為はただちに止めなければなりません。
私たちは犠牲者の方々に深い哀悼の意を表するとともに、尊い仲間を失った人道支援組織と連帯します。人道支援関係者と援助物資は攻撃の正当な対象ではなく、これらへの攻撃は明確に国際人道法に違反します。
スーダン各地で攻撃が激化するなか、子どもや女の子、その家族が生命線とする食料や医薬品などの人命救助支援を届けることは極めて困難になっています。国連は、スーダンから周辺国へ避難した人々が400万人を超えたと発表しました。スーダンの紛争は壊滅的な影響を及ぼしており、その影響は国境を越えて広がっています。」
¹Far from the Headlines: Sudan crisis continues
プラン・インターナショナル・ジャパン 専務理事・事務局長 棚田雄一のコメント
「私は2025年4月にスーダンに行き、我々が実施している緊急支援物資や食料の配布、給水活動のモニタリングを行いました。
その際に、プラン・インターナショナルで支援を開始する国内避難民が暮らすサイトで会った避難民の女性はこう話していました。
『水と食料が本当に必要です。ここではマラリア、デング熱、コレラに罹る人たちが増えています。子どもたちは栄養不足により夜に目が見えないなど心配な状況です。夜はサソリや蛇に襲われることもあり安心して眠ることもできません。』
人道支援を継続するためには、人道支援に従事するスタッフたちが困難な状況にある人々にアクセスできる状況を確保し続ける必要があります。国際人道法は、人道支援関係者や援助物資への攻撃を認めていません。
報道の機会は非常に少ないですが、スーダンの人道状況は非常に深刻です。支援を待っている人々は数百万人という単位で存在しています。スーダンを忘れられた紛争にしてはなりません。」


プラン・インターナショナルは、すべての当事者に対し国際人道法上の義務を順守し、スーダン国内の数百万の脆弱な人々へ生命維持・人道援助を安全に送達する責任を果たすよう強く求めます。
※4月にスーダンを視察したプラン・インターナショナル・ジャパン事務局長棚田への取材を承ります。広報担当者までお問い合わせください。
国際NGOプラン・インターナショナルは、誰もが平等で公正な世界を実現するために、子どもや若者、さまざまなステークホルダーとともに世界80カ国以上で活動しています。子どもや女の子たちが直面している不平等を生む原因を明らかにし、その解決にむけ取り組んでいます。子どもたちが生まれてから大人になるまで寄り添い、自らの力で困難や逆境を乗り越えることができるよう支援します。
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