大学3・4年生の親の6割が「卒業後すぐ就職できるか心配」 4年生の親の37.7%が「子どもの就職・進路情報」を自らも収集
大学生の保護者の意識調査
大学3・4年生の親の6割が「卒業後すぐ就職できるか心配」
4年生の親の37.7%が「子どもの就職・進路情報」を自らも収集
~「海外留学経験させたい」には、43.1%の親が肯定的回答~
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株式会社ベネッセコーポレーション(本社:岡山市、以下ベネッセ)の社内シンクタンク「ベネッセ教育研究開発センター」では、2012年3月に、大学生の子どもを持つ全国の父親・母親、それぞれ3,000人を対象に、保護者の大学教育へのニーズや子どもや大学との関わりについて、インターネット調査を実施しました。これまで、全国規模で量的に把握されることが少なかった「大学生の保護者」の意識調査により、大学・大学生を取り巻く課題を、改めて明らかにします。
主な調査結果は以下の通りとなります。
①「大学生活の心配ごと」に関して、3・4年生の親の約25%が卒業後にすぐ就職できるか「とても心配」と回答、約60%が「とても心配+まあ心配」と回答しています。父親よりも母親の方が心配に思っている比率は高く、特に、「3・4年生の男の子をもつ母親」の場合、「とても心配」は30%を超えます。
②「大学から提供してほしいと思う情報」に関して、「卒業生の詳細な就職率、就職先」と48.2%の親が回答しています。実際には、「卒業生の詳細な就職率、就職先」の情報を75.3%の親が「提供された」と答えていますが、「十分ではない」と54.3%の親が感じています。
③「就職・進路への関与」に関して、「子どもの進路に関する情報を、インターネットや雑誌・書籍などから情報収集した」と4年生の親の37.7%が回答、「大学の説明会や相談窓口を利用して、子どもの進路に関する相談をした」と15.3%が回答しています。一方で、「就職に関して、親ができることは少ない」と、4年生の親の72.3%が感じています。
④「子どもの大学選択で重視したこと」に関して、学生数の最も多い社会科学系統(法・経済・経営・社会)学部の母親の回答では、「子どもが専攻したい学問分野があること」が、他の学部系統では選択肢中で最も高い60%前後あるのに対し、44.3%にとどまります。また、「大学時代に力を入れてほしいこと」に関して、「学部の専門的な勉強」が社会科学系統の選択率では41.0%にすぎず、「将来の進路や生き方を考えること」が最も高くなっています。
⑤「海外留学に対する親の意識」に関して、43.1%の親が「子どもに海外留学を経験させたい」(とても+まあ計、以下同)と回答しています。留学経験が有る親では、80.5%と増加します。
⑥「子どもの卒業後の進路」に関して、15.0%の親(1~3年生)が「海外で活躍して欲しい」(とても+まあ計)と回答する一方、45.8%が否定的な回答(あまり+全くあてはまらない)をしています。
今回の調査からは、子どもの就職を心配し、自らも就職情報を集めるなど子どもの就職支援に熱心な親の姿が浮かび上がりました。一方で、大学の3分の1を占める社会科学系統に子どもが通っている親は、「学部の専門的な勉強」への期待が相対的に低くなっていることがわかりました。このような状況から、大学側は、専門教育を含めた総合的な教育内容、社会との接続について再検討する必要があるのではないかと考えられます。また、親は「子どもの自立を促す」という観点から、どこまで子どものサポートをするのか、どこから任せるのか冷静に考える必要があるでしょう。
海外留学に関しては、前向きに捉えつつも卒業後の進路に関しては必ずしも海外での活躍をイメージしていない親の状況が見て取れます。グローバル化の進展に伴い海外経験の重要性が言われる中、将来に向けどのような勉強や経験を重ねていくのか、親・子ともに考え、話し合うといったことが必要であると考えます。
●調査概要
【名称】
大学生の保護者の意識調査
【調査テーマ】
①これまで全国規模で量的に把握されることが少なかった、大学生の親の立場からみた大学教育に対するニーズや要望、大学への関わり方などの実態を明らかにすること。
②子どもの大学選びや大学生活、就職活動などに対する、親のさまざまな関与の実態を明らかにすること。
【調査方法】
インターネット調査
【調査時期】
2012年3月24日~27日
【調査対象】
大学1~4年生の子どもをもつ保護者6,000名(父親3,000名、母親3,000名)インターネット調査会社の約130万人のモニター母集団のうち、子どもをもつ父親または母親(38歳から66歳)約40万人に対して予備調査を実施。このうち、大学生の子ども(18~24歳、日本の大学校・海外の大学に通う場合を除く)をもつ父親または母親にアンケートの協力を依頼。子どもが在籍している大学の入試難易度(偏差値)を「55以上」「50~54」「45~49」「45未満」の4つのグループに分け、父親全体3,000サンプル、母親全体3,000サンプルを確保することを目標に、それぞれのグループの人数比率にできるだけ近くなるようなサンプル構成を目指して回収を行った。
【調査項目】
(1)大学選択への関わり
(2)大学生活への期待
(3)保護者と大学との関わり
(4)子ども・大学生活への関わり
(5)就職・進路選択への関わり
(6)海外留学
●Benesse 教育研究開発センターの活動/Benesse 教育情報サイトでの情報提供について
・Benesse 教育研究開発センター(http://benesse.jp/berd/)では、今後も、時代の変化に即したテーマで調査や研究活動を行い、その結果を広く社会に開示することで、さまざまな方々との議論の輪を広げていきたいと考えています。
・Benesse 教育情報サイト(http://benesse.jp/)では、ベネッセが保有する教育関連のデータを公開しています。
大学3・4年生の親の6割が「卒業後すぐ就職できるか心配」
4年生の親の37.7%が「子どもの就職・進路情報」を自らも収集
~「海外留学経験させたい」には、43.1%の親が肯定的回答~
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株式会社ベネッセコーポレーション(本社:岡山市、以下ベネッセ)の社内シンクタンク「ベネッセ教育研究開発センター」では、2012年3月に、大学生の子どもを持つ全国の父親・母親、それぞれ3,000人を対象に、保護者の大学教育へのニーズや子どもや大学との関わりについて、インターネット調査を実施しました。これまで、全国規模で量的に把握されることが少なかった「大学生の保護者」の意識調査により、大学・大学生を取り巻く課題を、改めて明らかにします。
主な調査結果は以下の通りとなります。
①「大学生活の心配ごと」に関して、3・4年生の親の約25%が卒業後にすぐ就職できるか「とても心配」と回答、約60%が「とても心配+まあ心配」と回答しています。父親よりも母親の方が心配に思っている比率は高く、特に、「3・4年生の男の子をもつ母親」の場合、「とても心配」は30%を超えます。
②「大学から提供してほしいと思う情報」に関して、「卒業生の詳細な就職率、就職先」と48.2%の親が回答しています。実際には、「卒業生の詳細な就職率、就職先」の情報を75.3%の親が「提供された」と答えていますが、「十分ではない」と54.3%の親が感じています。
③「就職・進路への関与」に関して、「子どもの進路に関する情報を、インターネットや雑誌・書籍などから情報収集した」と4年生の親の37.7%が回答、「大学の説明会や相談窓口を利用して、子どもの進路に関する相談をした」と15.3%が回答しています。一方で、「就職に関して、親ができることは少ない」と、4年生の親の72.3%が感じています。
④「子どもの大学選択で重視したこと」に関して、学生数の最も多い社会科学系統(法・経済・経営・社会)学部の母親の回答では、「子どもが専攻したい学問分野があること」が、他の学部系統では選択肢中で最も高い60%前後あるのに対し、44.3%にとどまります。また、「大学時代に力を入れてほしいこと」に関して、「学部の専門的な勉強」が社会科学系統の選択率では41.0%にすぎず、「将来の進路や生き方を考えること」が最も高くなっています。
⑤「海外留学に対する親の意識」に関して、43.1%の親が「子どもに海外留学を経験させたい」(とても+まあ計、以下同)と回答しています。留学経験が有る親では、80.5%と増加します。
⑥「子どもの卒業後の進路」に関して、15.0%の親(1~3年生)が「海外で活躍して欲しい」(とても+まあ計)と回答する一方、45.8%が否定的な回答(あまり+全くあてはまらない)をしています。
今回の調査からは、子どもの就職を心配し、自らも就職情報を集めるなど子どもの就職支援に熱心な親の姿が浮かび上がりました。一方で、大学の3分の1を占める社会科学系統に子どもが通っている親は、「学部の専門的な勉強」への期待が相対的に低くなっていることがわかりました。このような状況から、大学側は、専門教育を含めた総合的な教育内容、社会との接続について再検討する必要があるのではないかと考えられます。また、親は「子どもの自立を促す」という観点から、どこまで子どものサポートをするのか、どこから任せるのか冷静に考える必要があるでしょう。
海外留学に関しては、前向きに捉えつつも卒業後の進路に関しては必ずしも海外での活躍をイメージしていない親の状況が見て取れます。グローバル化の進展に伴い海外経験の重要性が言われる中、将来に向けどのような勉強や経験を重ねていくのか、親・子ともに考え、話し合うといったことが必要であると考えます。
●調査概要
【名称】
大学生の保護者の意識調査
【調査テーマ】
①これまで全国規模で量的に把握されることが少なかった、大学生の親の立場からみた大学教育に対するニーズや要望、大学への関わり方などの実態を明らかにすること。
②子どもの大学選びや大学生活、就職活動などに対する、親のさまざまな関与の実態を明らかにすること。
【調査方法】
インターネット調査
【調査時期】
2012年3月24日~27日
【調査対象】
大学1~4年生の子どもをもつ保護者6,000名(父親3,000名、母親3,000名)インターネット調査会社の約130万人のモニター母集団のうち、子どもをもつ父親または母親(38歳から66歳)約40万人に対して予備調査を実施。このうち、大学生の子ども(18~24歳、日本の大学校・海外の大学に通う場合を除く)をもつ父親または母親にアンケートの協力を依頼。子どもが在籍している大学の入試難易度(偏差値)を「55以上」「50~54」「45~49」「45未満」の4つのグループに分け、父親全体3,000サンプル、母親全体3,000サンプルを確保することを目標に、それぞれのグループの人数比率にできるだけ近くなるようなサンプル構成を目指して回収を行った。
【調査項目】
(1)大学選択への関わり
(2)大学生活への期待
(3)保護者と大学との関わり
(4)子ども・大学生活への関わり
(5)就職・進路選択への関わり
(6)海外留学
●Benesse 教育研究開発センターの活動/Benesse 教育情報サイトでの情報提供について
・Benesse 教育研究開発センター(http://benesse.jp/berd/)では、今後も、時代の変化に即したテーマで調査や研究活動を行い、その結果を広く社会に開示することで、さまざまな方々との議論の輪を広げていきたいと考えています。
・Benesse 教育情報サイト(http://benesse.jp/)では、ベネッセが保有する教育関連のデータを公開しています。
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