【ソフトウェア開発組織に関する市場調査】AI活用は「情報収集・技術調査」中心で5割越えも、「実装」「コードレビュー」といった開発の中核工程では3割未満

~より広い開発工程でのAI活用の浸透が今後の課題に~

ファインディ

エンジニアプラットフォームを提供するファインディ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:山田 裕一朗、以下「当社」)は、ソフトウェア開発組織に関わる方を対象とした市場調査(以下「市場調査」、n=873)にて、開発組織におけるAI活用の実態および技術・概念のトレンドに関する調査を実施しましたので、その結果をお知らせいたします。本調査の結果を通じて、日本国内の開発組織におけるAI活用の現在地を明らかにするとともに、今後の展望を考察します。

◆ 調査結果サマリー

① AIの日常業務での活用は7割弱も、活用率は立場によって差

個人ごとにAIを日常業務で継続的に活用している割合は、68.5%となりました。「リーダー層以上」「専門職・エキスパート」に比べて「一般社員・その他」のAI活用割合は低く、立場による差が見られました。

② AI活用環境の整備状況はチーム規模で異なり、100名以上と5名以下で20ポイント超の差

「AI活用に必要なツールや環境が整っている」に「とても当てはまる」と回答した割合は、全体で15.1%でした。開発チームの規模別に見ると、100名以上では25.7%だったのに対し、5名以下では5.2%にとどまり、20.5ポイントの差が見られました。

③「実装」「コードレビュー/リファクタリング」といった開発の中核工程におけるAI活用は3割未満

AIを活用している工程について、「情報収集・技術調査」が53.2%で最も高く、「実装」は26.6%、「コードレビュー/リファクタリング」は23.7%にとどまりました。「実装」が「情報収集・技術調査」のおよそ半分、「コードレビュー/リファクタリング」はそれ以下の水準であることが明らかになりました。

④ 重要と考える割合・組織での取り組み率が最も高い技術・概念は「CI/CD」

「プロンプトエンジニアリング」「フィジカルAI」に関する認知率は7割超となりました。一方、重要と考える割合や組織での取り組みの割合では、「CI/CD」が調査対象とした技術・概念の中で最も割合が高くなりました。

⑤ 組織課題は「人材育成・スキル開発」が最も高く、AI駆動開発の導入組織ほど各テーマへの課題感が強い

開発組織の課題は「人材育成・スキル開発」が36.9%で最も高く、「品質・テスト管理」(33.3%)、「開発プロセスや進め方」(30.5%)と続きます。「AI駆動開発」導入有無での回答の傾向を比較すると、AI駆動開発を導入した組織は未導入の組織と比べて各テーマの課題の回答率がいずれも高い傾向であることがわかりました。

また、「開発状況の把握・改善」を組織全体で継続的に実施している割合は22.5%、「AIの利用状況や効果の把握」は17.3%でした。

◆ 調査概要

【ソフトウェア開発組織に関する市場調査】

  • 調査方法:インターネット調査

  • 調査期間:2026年4月24日(金)~4月25日(土)

  • 調査対象:全国の20~69歳の男女のうち、ソフトウェア開発に関わり、以下のいずれかに該当する方

    • 自社のソフトウェアプロダクト、SaaS、Webサービスを開発・提供している

    • 自社の業務やサービスのために、社内でソフトウェア開発を行っている

    • IT受託開発・SIを主業としている

    • ソフトウェア開発を主業とはせず、限定的に行っている

  • サンプルサイズ:873サンプル

  • 調査主体:ファインディ株式会社

  • 調査実施機関:株式会社マクロミル

※市場調査の割り付けは、「役職」と「企業規模」の組み合わせに基づいて設計しています。属性別のクロス集計は、原則としてn=30以上のセグメントのみ掲載しています。

◆ 個人のAI活用は7割弱に到達、一般社員はリーダー層・専門職と16ポイント超の差

自身のAI活用状況について、「AIを日常業務の中で継続的に使っている」に「当てはまる」または「やや当てはまる」と回答した人の割合は、68.5%となりました。(図1)

(図1)自身の現在のAI活用状況

立場別に見ると、同項目に「当てはまる」または「やや当てはまる」と回答した人の割合は、「リーダー層以上」が75.2%、「専門職・エキスパート」が72.2%であったのに対し、「一般社員・その他」は58.6%にとどまり、立場による差が見られました。(図2)

(図2)ご自身の現在のAI活用状況「AIを日常業務の中で継続的に使っている」【立場別】

◆ 開発チームでのAI活用の裾野は広がる一方、環境整備は道半ば。100名以上と5名以下で20ポイント超の差

所属する開発チームのAI活用状況について尋ねたところ、「AIを日常業務で活用するメンバーが一部の人だけでなく一定数いる」に「当てはまる」または「やや当てはまる」と回答した人の割合は66.9%で、全6項目のうち最も高い結果となりました。

一方、「AI活用に必要なツールや環境が整っている」に肯定的な回答をした人の割合は52.0%でした。このうち「とても当てはまる」と回答した人は15.1%にとどまり、6つの項目の中で「とても当てはまる」の回答が最も低い結果となりました。(図3)

(図3)所属する開発チームのAI活用状況

同項目の「とても当てはまる」と回答した人の割合を開発チームの人数別に見ると、チームの規模が小さいほど低くなる傾向が見られました。「100名以上」では25.7%だったのに対し、「5名以下」では5.2%となり、両者には20.5ポイントの差がありました。(図4)

(図4)所属する開発チームのAI活用状況「AI活用に必要なツールや環境が整っている」【開発チーム人数別】

◆ 開発プロセスごとのAI活用は「情報収集・技術調査」が最多。実装・コードレビューへの浸透は3割未満

所属する開発チームでAIが活用されている工程について、「情報収集・技術調査」が53.2%と最も高かった一方、「実装」は26.6%、「コードレビュー/リファクタリング」は23.7%にとどまりました。(図5)

(図5)AIが活用されている工程

◆ AI関連の新概念は認知先行、組織に根付いているのは従来型の「CI/CD」

全15項目の技術・概念について、認知計(「内容まで理解している」+「聞いたことがある」の合計)の割合は「プロンプトエンジニアリング」(70.4%)「フィジカルAI」(70.2%)で7割超となり、ほぼ同程度の水準となっています。

一方、重要度を尋ねたところ、重要計(「非常に重要」+「やや重要」の合計と回答した人の割合)の割合は、「CI/CD」が61.7%と最も高くなりました。認知度と重要度ではやや傾向が異なることがわかりました。

また、所属する開発組織での導入状況について、導入計(「本番環境で運用している」+「一部で試験導入やPoC(概念実証)を実施している」の合計)と回答した人の割合も、重要度と同様に「CI/CD」が40.1%と最も高い結果となりました。一方、「CI/CD」以外の技術・概念については、いずれも3割台にとどまりました。(図6)

(図6)技術・概念の認知・重要度・組織での取り組み状況

◆ 大規模チームほど進む「AI駆動開発」、20名以上では導入予備軍も2割超に

組織での「AI駆動開発」の取り組み状況について、開発チームの人数別で見ると、「本番環境で運用している」「一部で試験導入やPoC(概念実証)を実施している」ともに規模が大きいチームほど実施率が高くなる傾向であることがわかりました。また、現状で導入はしていないものの「導入に向けて検討・企画をしている」の回答は20名以上の組織でいずれも2割超となっています。(図7)

(図7)組織での「AI駆動開発」の取り組み状況【開発チームの人数別】

◆ 組織課題として「人材育成・スキル開発」が最多。AI駆動開発が進むほど課題感が強まる傾向

所属する開発組織の課題では、「人材育成・スキル開発」が最も高く36.9%となり、「人材の採用・確保」(29.1%)と比べ7ポイント超高くなっています。そのほかで3割超となったのは「品質・テスト管理」(33.3%)、「開発プロセスや進め方」(30.5%)が続きます。また、「AI活用の推進や定着」(25.4%)は相対的に課題感が高くない結果となりました。(図8)

(図8)所属する開発組織での課題(複数回答)

また、組織での取り組みとして「AI駆動開発」の導入有無で分析したところ、「AI駆動開発」導入計(「本番環境で運用している」と「一部で試験導入やPoC(概念実証)を実施している」の合計)では、未導入計(それ以外の回答計)と比べて課題の回答率がいずれも高い傾向であることがわかりました。

また、「AI駆動開発」導入計では、最も回答率が高いのは「開発プロセスや進め方」が40.2%で、全体では最も高かった「人材育成・スキル開発」を上回る結果となっています。(図9)

(図9)所属する開発組織での課題(複数回答)【AI駆動開発 導入有無別】

所属する開発組織での「開発状況の把握・改善に関する取り組み」について、「開発組織全体で継続的に実施している」と回答した人の割合は22.5%でした。

一方、「AIの利用状況や効果に関する取り組み」では17.3%と、開発状況の把握・改善と比べて5.2ポイント低い結果となりました。また、「ほとんど実施していない」と回答した人の割合は13.1%となりました。(図10)

(図10)開発状況やAI活用の状況把握に関する取り組み

◆ 今後の展望・考察

今回の調査から、現状の日本のソフトウェア開発組織におけるAI活用について、いくつかの傾向が見えてきました。個人単位でのAI活用は立場による差が見られ、特に一般社員では、リーダー層以上や専門職・エキスパートと比べて活用率が低い結果となりました。

また、開発チームでAIが活用されている工程は「情報収集・技術調査」など周辺業務にとどまる割合が高く、実装やコードレビュー/リファクタリングなどの開発の中核を担う工程に活用出来ている組織はまだ限定的です。開発組織が抱える課題は「人材育成・スキル開発」が最多で、技術・概念の重要性が認識されている一方で、実際の導入や組織的な取り組みには至ってないケースも多く、認識と実施の間に隔たりがあることもうかがえます。

以下では、今回の調査結果を基にした、ソフトウェア開発組織における今後のAI活用について、5つの展望と考察を示します。

① 組織全体へのAI活用の拡大には、一般社員のAI活用の底上げがカギに

調査結果からは、一般社員とリーダー層や専門職・エキスパートとの間で、日常業務におけるAI活用状況に差が見られました。AI活用を組織全体で進めるためには、一般社員が日常業務の中でAIを活用できる環境を整え、活用の裾野を広げることが重要です。

その際、AI活用による業務スピードや効率の向上だけでなく、AIによる生成物を正しく理解し、検証する能力を併せて育成する必要があります。

② 小規模組織のAI環境整備は、実績づくりと外部知見の活用が有効な打ち手に

AI活用に必要なツールや環境の整備は、開発チームの規模が小さいほど十分ではない傾向が見られました。

AIは開発投資を伴うことから、特に小規模組織においては実績がない状態で新しい追加コストを許容するのは難しいと考えられます。そのような組織でAI活用を広げていくには、すでにAI活用を積極的に行っている担当者やチームをAI推進者に任命し、PoC(概念検証)での実績づくりなどを経て、着実なツール・環境の整備が求められます。また、小規模組織では、ツール選定や導入設計を専任で担う人的リソース自体が不足していることも障壁となります。そのため、社内でのPoC推進に加え、AI活用が進む他社の知見や外部のAI導入支援サービスの利用なども選択肢の一つです。

③ 実装やコードレビューなどへのAI活用には、大きな伸びしろがある

AIが活用される工程として「情報収集・技術調査」といった周辺業務が中心で、実装やコードレビュー/リファクタリングといった開発の中核を担う工程での活用は限定的でした。実装やコードレビューは、情報収集・技術調査などと比べるとAI活用の検証負荷が高く、大規模なシステム開発環環では、AI活用のハードルが高いなど、浸透が進みにくい理由は多く挙げられます。一方で、それらの領域へのAI活用によって開発スピードや品質の改善、競争力の向上など、市場全体での伸びしろは非常に大きいと考えられます。

④ AI駆動開発を「PoC止まり」から本番導入へどうつなげるかが次の課題に

技術や概念ごとの重要度と組織での取り組み状況を見ると、「CI/CD」は、重要度(61.7%)・取り組み状況(40.1%)で調査対象の技術や概念の中で最も高く、基礎的な技術として認識され取り組まれていることがうかがえます。

一方で、「AI駆動開発」の重要度は57.4%、組織での取り組み状況は36.2%となっています。開発チームの人数別に見ると、いずれの規模においても「一部で試験導入やPoC(概念実証)を実施している」の回答割合が「本番環境で運用している」を上回っています。重要性の認識や試験的な導入は一定程度進んでいるものの、本導入まで至っている組織はまだ限定的であり、PoCから本導入へとつなげる推進力が今後求められます。

⑤ 把握の仕組み化を通じて、組織や事業への改善につなげる

所属する開発組織の課題について、AI駆動開発を導入している組織では「開発プロセスや進め方」を課題に挙げている割合が約4割で最も高くなっています。AI活用が一定程度進んでいるからこそ、現状の見直しや最適化を図りたいと考えているのではないかと推測できます。

このような課題に対し、状況把握の仕組み化は、主観ではない客観データに基づいた組織や事業の改善につなげるための有効な取り組みといえます。

当社としての取り組み

AI時代における開発組織の状況を把握するうえで、「Four Keys」といった従来の開発生産性に関する指標に加え、新たな指標が必要であることから、当社では2026年5月より、AI時代の開発生産性を企業の競争力を支える資産として捉える新概念「開発資本」を提唱し、開発組織の状態を図る新指標として「Speed・Quality・Control」の3軸を定義しています。

開発資本の詳細については、下記ページをご覧ください。

https://jp.findy-team.io/engineering-capital/

◆ 調査レポート全文について

本調査の詳細分析を収録したレポートは、Findy Team+ Webサイトよりダウンロードいただけます。

https://jp.findy-team.io/download/ai-utilization-survey-2026_report/

◆ データの引用・お問い合わせについて

本調査結果データを一部引用・二次利用等される場合は、「ファインディ株式会社調べ」と表記の上、リンクのご協力をお願いいたします。お問い合わせ先は以下の通りです。

企業の方

● 問い合わせフォーム:https://jp.findy-team.io/download/inquiry/

報道関係者の方

● ファインディ株式会社 広報担当宛:press@findy.co.jp

◆ 経営と開発現場をつなぐAI時代の開発資本プラットフォーム「Findy Team+」とは

「Findy Team+」は、経営と開発現場をつなぐAI時代の開発資本プラットフォームです。AI活用の基盤構築を支援するコンサルティングから、開発状況や投資対効果のデータ化までを網羅し、開発現場の改善から経営判断までを一気通貫で支援します。

当社は、2026年5月からAI時代のソフトウェア開発力を経営資産と捉える「開発資本」という概念を提唱しています。エンジニアの「人的資本」とAI投資などの「技術資本」を掛け合わせ、開発組織を企業成長を支える「経営資産」として強化します。現在はスタートアップから大手まで約1,400社(トライアル含む)へ導入されています。

◆ ファインディ株式会社について

2016年に事業を開始した当社は「挑戦するエンジニアのプラットフォームをつくる。」というビジョンを掲げ、ITエンジニア領域における個人・組織それぞれの課題解決に取り組んでいます。

現在は、IT/Webエンジニアの転職サービス「Findy」、ハイスキルなフリーランスエンジニア紹介サービス「Findy Freelance」、経営と開発現場をつなぐAI時代の開発資本プラットフォーム「Findy Team+(チームプラス)」、開発ツールのレビューサイト「Findy Tools」、及びテックカンファレンスのプラットフォーム「Findy Conference」の5つのサービスを提供しています。サービスの累計会員登録数は約29万人、国内外のスタートアップ企業から大企業までの約5,400社にお使いいただいております。(※)

また「技術立国日本を取り戻す」という設立趣意に基づき、2024年のインド進出を皮切りに、現在、韓国・台湾でも「Findy Team+」を展開。企業成長の源泉であるソフトウェア開発において日本発のイノベーションを増やし、世界市場で競争力を持つ日本のIT企業を1社でも多く生み出すことを目指し、まずは当社がグローバルマーケットで通用する企業になることを企図しています。

  • 会社名: ファインディ株式会社 / Findy Inc.

  • 所在地: 東京都品川区大崎1-2-2 アートヴィレッジ大崎セントラルタワー 5階

  • 代表者: 代表取締役 山田 裕一朗

  • コーポレートサイト : https://findy.co.jp/

(※)Findy 転職、Findy Freelance、Findy Team+、Findy Tools、Findy Conference の5サービス累計での登録企業数及び会員登録数です。なお、1社又は1名の方が複数のサービスに登録している場合は、そのサービスの数に応じて複数のカウントをしており、Findy Team+のトライアル導入企業数も含まれます。

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

ファインディ株式会社

48フォロワー

RSS
URL
https://findy.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都品川区大崎1-2-2 アートヴィレッジ大崎セントラルタワー 5階
電話番号
-
代表者名
山田裕一朗
上場
未上場
資本金
18億5043万円
設立
2016年07月