教育現場の新聞活用を考え合うＮＩＥ神戸大会が７月31日、８月１日に神戸で開かれます。確かな情報と、どう向き合えばいいのか。作家小川洋子さん、ジャーナリスト池上彰さんらを招き、情報社会の明日を見つめます

一般参加も大歓迎！　申し込みは、６月30日締め切り。それ以後は事務局までご連絡ください。

神戸新聞社

2025年6月25日 12時30分

　教育現場で新聞を活用して探究と学びを深める第３０回ＮＩＥ全国大会神戸大会が、７月３１日に神戸ポートピアホテル、８月１日に甲南大学岡本キャンパスで開かれる。開会式には世界的指揮者で、心の復興を掲げて誕生し、今年で20周年を迎えた兵庫県立芸術文化センターの芸術監督の佐渡裕さん、「言葉は人をつなぐ」と題した記念講演には芥川賞作家の小川洋子さん、「情報で、いのちを守る」をテーマにしたパネル討議にはジャーナリストの池上彰さん、古田大輔さんらが登壇し、真偽不確かな情報があふれるインターネット社会の課題について考え合う。

　ＮＩＥは「 Newspaper in Education（教育に新聞を）」の略。学校で、新聞を通じて子どもたちの時事への関心を高めて学びを深め、生きる力、民主主義を育んでいく活動。大会は日本新聞協会が主催、神戸新聞社と兵庫県ＮＩＥ推進協議会が主管。毎夏、全国の教育関係者や新聞関係者が参加して各地持ち回りで開かれている。

https://www.kobe-np.co.jp/info/nie2025/　←参加申し込みは、ココから！

　神戸大会のスローガンは「時代を読み解き、いのちを守るＮＩＥ」。阪神・淡路大震災から３０年の節目で、日本のＮＩＥ活動とインターネット発展の歩みも重なる。第二次大戦後８０年の今なお世界で災害や紛争が絶えない中、真偽不明の情報は暮らしや命をも脅かす時代になり、確かな情報と向き合える能力「メディアリテラシー」の重要性が指摘されている。大会ではＮＩＥの意義、現状の課題を共有し、未来を考え合う。

　初日は午後１時から記念の演奏や講演、パネル討議など。２日目は午前９時からＮＩＥに取り組む学校の公開授業や実践発表があるほか、各会場でパネル展示やポスター発表もある。
　問い合わせは、ＮＩＥ神戸大会事務局（神戸新聞社内）ＴＥＬ０７８・３６２・７００３

初日プログラム

７月31日(木) 　神戸ポートピアホテル・ポートピアホール（神戸市中央区港島中町6-10-1）

12:00　開場・受付

13:00　開会式

　　　　兵庫県立芸術文化センター佐渡裕芸術監督の指揮でスーパーキッズ・オーケストラが開幕演奏

13:30　主催者・来賓挨拶

13:50　記念講演「言葉は人をつなぐ」　芥川賞作家・小川洋子さん

　　　　聞き手：サンテレビ　榎木麻衣アナウンサー
15:00　基調提案　竹内弘明大会実行委員長

15:10　パネル討議　テーマ：「情報で、いのちを守る」

　　　　司会：池上　彰さん

　　　　パネリスト：古田大輔さん、阪本真由美さん、渋谷仁崇さん、長沼隆之さん

16:40　次回開催地主管社挨拶　中国新聞社

17:00　交流会　古田大輔さんのミニトークコーナー

18:15　終了

※会場にて
●世界で活躍するアートパフォーマー「新聞女」西沢みゆきさんが、全国の2025年元日の新聞で制作する巨大作品をはじめ、「しまんと新聞バッグ」などの新聞アート作品を展示
●新聞関係者による「しまんと新聞ばっぐ」の傑作集を展示
●阪神・淡路大震災30年を振り返るパネル展示

●新聞社や企業による教育関連事業の紹介ブース

指揮者・兵庫県立芸術文化センター芸術監督
佐渡　裕さん

さど・ゆたか　1961年京都市生まれ。京都市立芸術大卒業。レナード・バーンスタイン、小澤征爾らに師事。89年ブザンソン指揮者コンクール優勝。兵庫県立芸術文化センター芸術監督、新日本フィルハーモニー交響楽団音楽監督、オーストリアのトーンキュンストラー管弦楽団音楽監督などを務める。芦屋市在住。

芥川賞作家　小川洋子さん

おがわ・ようこ　1962年岡山市生まれ。早稲田大卒。「妊娠カレンダー」で芥川賞、「博士の愛した数式」で本屋大賞など、多くの賞を受けた。「密やかな結晶」が、英国のブッカー賞で翻訳書部門の最終候補になるなど、海外での評価も高い。芥川賞選考委員。大の阪神タイガースファンで甲子園球場にも足を運ぶ。西宮市在住。

ジャーナリスト　池上彰さん

いけがみ・あきら　1950年長野県生まれ。慶應義塾大学卒業後、73年にＮＨＫに入局し報道記者に。94年から11年間、「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍。 2005年からフリージャーナリストとして国内外を取材。ニュースを幅広く解説するかたわら、コラムや書籍の執筆を通じて人気を得ている。

ジャーナリスト　　　　古田大輔さん

ふるた・だいすけ　メディアコラボ代表。早稲田大政経学部卒。朝日新聞記者、バズフィード・ジャパン創刊編集長を経て独立。2020-22年Google News Labティーチングフェロー。22年９月に日本ファクトチェックセンター編集長に就任。その他主な役職にデジタル・ジャーナリスト育成機構事務局長など。　　　　

兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科教授　　阪本真由美さん

さかもと・まゆみ　国際協力機構（JICA）を経て京都大大学院博士後期課程修了。博士（情報学）。人と防災未来センター主任研究員、名古屋大減災連携研究センター特任准教授を経て現職。ひょうご震災記念２１世紀研究機構理事、日本災害復興学会理事などを務める。専門は減災コミュニケーション、防災教育、地域防災。　　　　　　　　

西宮市立浜脇中学校主幹教諭　渋谷仁崇さん

しぶたに・よしたか 1978年西宮市生まれ。約20年前にNIE活動を始め、西宮市立上甲子園中学校、苦楽園中、平木中で実践、2019年に浜脇中へ。学校教育目標にNIE活動を掲げる同中で、全校生約800人が作成する「NIEノート」（記事スクラップ）や、産学と連携し、まちづくりに関わる取り組みを推進。　　　　　　　

神戸新聞社論説副委員長　　長沼隆之さん

ながぬま・たかゆき　1967年西宮市生まれ。報道部長などを経て2021年から現職。阪神・淡路大震災で自宅が全壊し家具の下敷きになったが、直後から取材に奔走。被災地の復興、東日本大震災など災害・防災報道を担当し、兵庫県政キャップも務めた。論説委員室では政治、地方自治、災害・防災などを担当。防災士。　　　　　　　　　　