太宰府天満宮の自然と向き合い、10年の歳月を重ねて描いた清新な世界。日本画家・神戸智行の初の作品集を4月25日(木)より刊行。
美術出版社(東京都品川区)は、菅原道真公1125年 太宰府天満宮式年大祭記念『神戸智行――千年を描く――』を2024年4月25日(木)に刊行します。38歳で制作の場を太宰府に移した神戸智行は、10年という長きにわたり太宰府の自然、人、祭典、神事などを丁寧に取材し24面に及ぶ襖絵を描きあげました。令和9年(2027年)の「菅原道真公1125年 太宰府天満宮式年大祭」にて奉納されるこの襖絵を含む、初期作、代表作を一堂に集めた、初の作品集です。
本書概要
日本画家・神戸智行は、下地に箔を敷き詰めた上に彩色、極薄の和紙、また彩色を施し、これを何層も重ねてゆく独自の技法で、季節の移ろいや小さな生き物など自然を描いてきました。独特な遠近感や光に満ちた作品には、自然の営みへの感謝や畏怖が備わっています。
本書では、大作を中心に代表作58点を拡大図も合わせて収録。屏風など横長の大作が多い神戸作品、その迫力を大画面で味わっていただけるよう、開きの良い製本など仕様にもこだわりました。読み物も充実しており、日比野克彦(アーティスト)によるエッセイ、青木忍(高崎市タワー美術館学芸員)による論考を収録しています。神戸のこれまでの画業を振り返りつつ、制作におけるアーティストの身体感覚、小さな生き物の描写や、箔を用いた独自の技法、古典から学ぶ創作の姿勢などを丁寧に紐解きながら、神戸作品の魅力と未来へ込められた願いに迫ります。さらに、西高辻󠄀信宏(太宰府天満宮宮司)との対談では、アメリカ・ボストンでの出会いから襖絵作成までの軌跡を振り返ります。巻末には、展覧会はもちろんワークショップやメディアへの執筆・出演までを記録した年譜を掲載。すべてのテキストを日英バイリンガルで掲載しており、日本美術に関心のある海外の方にも楽しんでいただける仕様になっています。神戸のこれまでの画業を詳細に検証するとともに、生命の豊かさに溢れた作品世界を存分に味わうことのできる1冊です。
目次
ごあいさつ 文=西高辻󠄀信宏
展覧会によせて 文=神戸智行
図版
1章 季節の移ろい
2章 生き物たちへの眼差し
3章 光の中で
4章 祈りのかたち
5章 千年を描く
博多の老舗和菓子店「鈴懸」の掛け紙と包装紙
寝ても覚めても一筆一筆 文=日比野克彦
千年に習い、千年を描く 文=青木 忍
一瞬の永遠 ―運命の出会いから未来を語らう 神戸智行×西高辻󠄀信宏
年譜
作品リスト
書誌情報
菅原道真公1125年 太宰府天満宮式年大祭記念『神戸智行――千年を描く――』
著者:神戸智行
企画:太宰府天満宮
編集:米津いつか、アンダーソン依里(太宰府天満宮文化研究所)
アートディレクション:前田 景
発行:カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
発売:美術出版社
価格:3,000円+税
発売日:2024年4月25日(水)より順次
仕様:A4変形、並製本、200ページ
ISBN:978-4-568-10578-0
購入はこちら|https://www.amazon.co.jp/dp/4568105781
美術出版社
1905年の創業以来、一貫して良質な美術図書の出版を手掛けてきました。『美術手帖』『ワイナート』などの定期雑誌、『カラー版美術史シリーズ』をはじめとする美術・デザイン・建築などの芸術全般にわたる書籍の出版、美術展のカタログ制作のほか、アートと人々をつなぐ多彩な事業を行っています。
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