【開発資本 実態調査】AIが品質に与えた影響を、自社データで説明できない組織が3社に1社

開発責任者・マネジメント層185名への「開発資本」実態調査を公開

ファインディ

エンジニアプラットフォームを提供するファインディ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:山田 裕一朗、以下「当社」)は、開発組織を管掌する開発責任者・マネジメント層185名を対象に、AI時代の開発組織の競争力「開発資本」に関する実態調査を実施し、調査レポートを公開いたしました。調査の結果、AI生成コードが品質に与えた影響について「比較できる実績・データがない/把握していない」と答えた組織が36%と、3社に1社にのぼりました。さらに、AIを活用している開発工程の数と事業成果の間には関連が確認できず、事業成果と関連していたのは、Speed・Quality・Controlからなる「開発資本」の3軸でした。

◆ 調査背景:AI投資は「導入したか」ではなく「何が積み上がったか」を問われるフェーズに

生成AIの開発現場への導入は急速に進んでいます。本調査でも、実装工程でAIを継続的に活用している組織は98%に達しています。一方で、経営の視点では「そのAI投資が事業成果にどう効いたのか」を説明する必要性が増しています。同時に、AI活用による生産性向上を実感したとしても、収益成長まで到達していない、もしくは到達したかどうかを測れないという課題も顕在化しています。

当社は、企業がソフトウェアを通じて価値を生み続けるために組織へ蓄積された能力・知識・基盤を「開発資本」と捉え、2026年5月から提唱しています。「AI時代の開発資本」は、開発組織の状態を単一のスコアで測るものではありません。重要なのは、Speed、Quality、Controlの3つの観点から、自社の開発力のどこにボトルネックがあるのかを見極めることです。本調査は「開発資本」の概念の検証として、AI時代の開発組織の実態を調査いたしました。

「開発資本」の3軸

観点

見るべきこと

Speed

速く作り、出し、学べているか。

実装だけでなく、レビュー、CI、デプロイ、結果の観測まで含めた変更と学習のサイクルの速さを捉えます。

Quality

手戻りなく前に進めているか。

作り直しや差し戻し、障害、保守性の低下を抑え、継続的に価値を届けられているかを捉えます。

Control

AIを使っても変更を制御できているか。

変更の影響範囲、検証、承認、ロールバック、複雑性を組織として扱えているかを捉えます。

◆ 調査サマリー

  1. AIの活用は実装98%・コードレビュー97%と開発プロセス全体に浸透。一方で、開発スピードが事業要求を下回る組織は42%

  2. 開発で得た知見を全社で形式知化できている組織は4%、AI利用ルールの遵守状況をモニタリング/監査できている組織は6%にとどまる

  3. AI生成コードが品質に与えた影響について「比較できる実績・データがない/把握していない」組織が36%と、3社に1社。AI利用のログを取得していない、または一部のみの組織は60%

  4. ハーネスの整備について60%以上がチームで対応しているのに対し、組織でルール順守状況を確認できているのは全体の6%

◆ 調査概要

  • 実施期間:2026年7月1日〜7月15日

  • 実施方法:Webアンケート

  • 有効回答:185名

  • 対象:Findy Team+導入企業を中心とした開発責任者・マネジメント層

  • 調査主体:ファインディ株式会社

  • 関連の分析:順位相関にもとづく統計的検定(有意水準5%を目安)

◆ AI活用工程の数は事業成果と関連せず、関連していたのは「開発資本」の3軸

Speed・Quality・Controlのいずれの軸も、事業成果の手応えと正の関連が見られ、最も明瞭だったのはQualityでした。一方で、AIを活用している開発工程の数と事業成果の間には、関連を確認できませんでした。AIをどれだけ広く使っているかよりも、事業が求める速さに追従できているか、負債や複雑な変更を扱いきれているかという開発の基礎体力が、事業成果の手応えと結びついています。

※関連は因果関係(開発資本を高めれば成果が出る)を意味しません。

開発資本3軸とアウトカムの関連

【Speed】

◆ AIが開発プロセス全体に浸透するも、4割の組織は事業が求める開発スピードに追いついていない

継続的にAIを活用している工程を尋ねると、実装が98%、コードレビューが97%、設計が92%、調査・情報収集が91%でした。要件定義とデバッグも7割を超えており、AIの利用は特定の工程に閉じていません。開発フローへの組み込み度では「主要な工程にAIが組み込まれている」が54%と最も多く、「フロー全体に組込・定着」が20%でした。

一方、事業要求に対する開発スピードの追従度では、「事業要求を下回るペース」と「大きく下回るペース」の合計が42%を占めました。事業・プロダクトの成果についても、「目標をやや下回る手応え」と「大きく下回る手応え」の合計が34%です。AIの導入が進んだこと自体は、事業の手応えに結びついていません。

◆ 開発で得た知見を40%の企業はチームで共有しているが、全社で共有できている組織は4%にとどまる

知見の共有範囲は「チーム内で共有される」が41%で最多、「チーム横断で共有される」が30%、「全社で形式知化され誰でも参照・再利用できる」は4%でした。知見のプロセスへの反映も「折を見て反映される(タイミングは不定)」が65%を占めます。個人とチームの経験は増えているのに、それを組織の資本として積み上げる仕組みは整っていません。

【Quality】

◆ AIが品質を上げたのか下げたのか、判断する材料を持たない組織が3社に1社

AI生成コードに起因する本番のバグや障害について、最も多かった回答は「比較できる実績・データがない/把握していない」で、36%を占めました。この割合は役割によってほとんど変わりません(経営層35%、エンジニアリングマネージャー38%)。特定の立場から見えていないという問題ではなく、組織として観測する基盤がない可能性を示しています。

◆ AI利用のログも、AIコストに対する成果も、多くの組織では把握されていない

観測の空白は品質だけではありません。AI利用のログ取得と監査証跡は、全16設問のなかで最も整備が進んでいない領域で、「ログは取得していない」と「一部のツールでログが残る程度」の合計が60%を占めます。投下したAIコストに対する成果についても、「評価していない(戦略的投資のため)」と「わからない/コストを把握していない」の合計が33%です。AI投資の判断に必要な材料が、組織の側に用意されていないことが明らかになりました。

◆ AI出力の手直しと技術的負債が、引き続き成果を左右している

AI出力を採用する前の手直しについて、「コード出力の半分程度で、手直しが必要」以上の回答が59%でした。過去6か月で技術的負債が生産性を「かなり阻害された」以上と答えた回答は39%、「ある程度阻害された」を含めると82%に達します。

【Control】

◆ ハーネスの整備について60%以上がチームで対応しているのに対し、組織でルール順守状況を確認できているのは全体の6%

指示ファイルや規約といったハーネスの整備状況は「チームで基本的なものを整備している」が62%で最多で、「チームを超えて部門や開発全体で整備・標準化されている」は18%、「継続的にメンテ・遵守され、組織全体で整備・運用されている」は4%でした。AI利用ルールについては明文化まで進んだ組織が合計83%に達する一方、「ルールの更新に加え、遵守状況をモニタリング/監査している」は6%にとどまります。ルールをつくることと、守られているかを確かめることの間に差があります。

◆ 複雑で影響範囲の大きい変更にAIを使いきれている組織は少なく、影響範囲の見落としも起きている

複雑で影響範囲の大きい変更については「一部の作業で使える」が33%で最も多く、「ほぼ全ての場面でAIを利用している」は17%でした。変更の影響範囲と依存関係のコントロールでは「把握を試みているが、影響をしばしば見落とす」が29%あります。AIを使える範囲を広げるには、変更の影響を予測できる状態が前提になります。

◆調査レポート全文について

本調査の全データ・詳細分析を収録したレポート全文は、以下よりダウンロードいただけます。

レポートのダウンロード:https://jp.findy-team.io/download/engineering-capital-report1/

◆データの引用・お問い合わせについて

本調査結果データを一部引用・二次利用等される場合は、「ファインディ株式会社調べ」と表記の上、リンクのご協力をお願いいたします。お問い合わせ先は以下の通りです。

◆経営と開発現場をつなぐAI時代の開発資本プラットフォーム「Findy Team+」とは

「Findy Team+」は、経営と開発現場をつなぐAI時代の開発資本プラットフォームです。AI活用の基盤構築を支援するコンサルティングから、開発状況や投資対効果のデータ化までを網羅し、開発現場の改善から経営判断までを一気通貫で支援します。

当社は、2026年5月からAI時代のソフトウェア開発力を経営資産と捉える「開発資本」という概念を提唱しています。エンジニアの「人的資本」とAI投資などの「技術資本」を掛け合わせ、開発組織を企業成長を支える「経営資産」として強化します。現在はスタートアップから大手まで約1,400社(トライアル含む)へ導入されています。

◆ ファインディ株式会社について

2016年に事業を開始した当社は「挑戦するエンジニアのプラットフォームをつくる。」というビジョンを掲げ、ITエンジニア領域における個人・組織それぞれの課題解決に取り組んでいます。

現在は、IT/Webエンジニアの転職サービス「Findy」、ハイスキルなフリーランスエンジニア紹介サービス「Findy Freelance」、経営と開発現場をつなぐAI時代の開発資本プラットフォーム「Findy Team+(チームプラス)」、開発ツールのレビューサイト「Findy Tools」、及びテックカンファレンスのプラットフォーム「Findy Conference」の5つのサービスを提供しています。サービスの累計会員登録数は約29万人、国内外のスタートアップ企業から大企業までの約5,400社にお使いいただいております。(※)

また「技術立国日本を取り戻す」という設立趣意に基づき、2024年のインド進出を皮切りに、現在、韓国・台湾でも「Findy Team+」を展開。企業成長の源泉であるソフトウェア開発において日本発のイノベーションを増やし、世界市場で競争力を持つ日本のIT企業を1社でも多く生み出すことを目指し、まずは当社がグローバルマーケットで通用する企業になることを企図しています。

  • 会社名: ファインディ株式会社 / Findy Inc.

  • 所在地: 東京都品川区大崎1-2-2 アートヴィレッジ大崎セントラルタワー 5階

  • 代表者: 代表取締役 山田 裕一朗

  • コーポレートサイト : https://findy.co.jp/

(※)Findy 転職、Findy Freelance、Findy Team+、Findy Tools、Findy Conference の5サービス累計での登録企業数及び会員登録数です。なお、1社又は1名の方が複数のサービスに登録している場合は、そのサービスの数に応じて複数のカウントをしており、Findy Team+のトライアル導入企業数も含まれます。

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会社概要

ファインディ株式会社

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URL
https://findy.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都品川区大崎1-2-2 アートヴィレッジ大崎セントラルタワー 5階
電話番号
-
代表者名
山田裕一朗
上場
未上場
資本金
18億5043万円
設立
2016年07月