ジェイテクト、人中心の自動操舵制御システム「Pairdriver™」を新開発
~人と自動化システムの調和により安全・安心・快適な自動運転に貢献~
【自動運転市場の現状とニーズ】
自動運転のレベルは、運転の主体や走行可能エリアなどによって「0」(運転自動化なし)から「5」(完全運転自動化)まで段階的に区分けされています。物流から自家用、走る楽しみを追い求めたものまでモビリティの使用用途は多岐にわたり、それぞれの使い分けに応じた自動運転技術の開発が求められています。
【Pairdriverとは】
電動パワーステアリング(EPS)を介して自動運転システムと運転者の「意思」をつなげるシステムです。運転者の入力トルク(ハンドル操作)などの情報と、車内外に取り付けられたセンサーによって検知・解析された車両運動とを統合し、その「システムの意思」をハンドルの振動や反力を通じて運転者に伝えます。この「人とシステムとの直感的なコミュニケーション」による運転アシストで、今までにない安全・安心を提供する運転環境を実現します。
自動運転走行中にシステムが運転者の操舵を検知すると、操舵補助を伴いながらスムーズに運転者の操舵意思を反映し、システムと運転者の意思を同調させながら車両を操舵していきます。高度なセンシング技術と制御技術により、スイッチの操作など明確な切り替え動作不要で安全で快適な運転を楽しむことができます。
【開発の背景】
レベル0(運転自動化なし)からレベル4(高度運転自動化)まであらゆるレベルにおいて、人と自動化システムの調和が重要なテーマとされています。安全・安心のためにはレーントレース性能と人にとって違和感や誤解のない操舵性能が求められています。ジェイテクトはEPSセンサー技術や制御技術を応用・発展させ、自動化システムの意思を運転者に的確に伝える技術として本製品を開発しました。2017年の開発着手から信頼性向上を継続し、この度「Pairdriver」として発表に至りました。
【名称とロゴのコンセプト】
Pairdriverは「人とシステム、2つのドライバーが対等な関係で協力し合うこと」を意味します。システムに依存するだけの自動運転ではなく、人とシステムが調和し手を取り合うことで生まれる安心感や協調性を込めて表現しています。
【今回の開発品を通じて達成可能なSDGsの目標とターゲット】
【3.6】2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。
【11.2】2030年までに、脆弱な立場にある人々、女性、子供、障害者及び高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、全ての人々に、安全かつ安価で容易に利用できる、持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する。
【今後の展望】
国内外の自動車メーカーに対し、既存のステアリングシステムと合わせて本製品の提案を進めていきます。Pairdriverのシステム構成は完成車メーカーやサプライヤーの統合制御システムとの親和性が高く、その特長を生かし、自動運転領域における多様なニーズに柔軟かつ迅速に対応するとともに、運転者の安全・安心に貢献してまいります。
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