ピクシーダストテクノロジーズと福地組、沖縄にて戦闘機騒音・オフィス騒音への音響メタマテリアル技術の実証実験を完了

〜戦闘機騒音とオフィス残響音を対象に、“静けさをつくる構造”の有効性を確認〜

ピクシーダストテクノロジーズ株式会社

2025年11月25日 12時00分

ピクシーダストテクノロジーズ株式会社（本社：東京都中央区、代表取締役会長：落合陽一、代表取締役社長：村上泰一郎、以下「PxDT」）と株式会社福地組（本社：沖縄県嘉手納町、代表取締役社長：福地一仁）は、沖縄県嘉手納町にて実施した音響メタマテリアル技術「iwasemi™」を用いた音環境改善の実証実験を完了し、その成果を確認しました。

実証の結果、基地周辺では低周波帯含む幅広い周波数帯域(63～16,000Hz)で8dBの音圧低減、オフィス空間では会話帯域（500〜1,000Hz）の残響時間を約18％削減（1.05秒）するなど、異なる環境下で「構造による静けさの創出」に成功しました。

本成果を踏まえ、PxDTは今後、建築現場や都市空間における騒音・残響対策への応用を進め、音環境改善の新たなスタンダード構築を目指します。

ピクシーダストテクノロジーズと福地組、沖縄にて戦闘機騒音・オフィス騒音への音響メタマテリアル技術の実証実験を完了

■実証開始の背景

沖縄県では、米軍基地の戦闘機離着陸による騒音や、オフィス空間での反響など、生活と職場環境の双方に関わる音の課題が長年の地域課題となっています。従来の対策は、遮音材や密閉構造による物量的手法が中心であり、コストやデザイン性、通気性との両立が難しいという制約がありました。

PxDTと福地組は、音を素材でなく構造で制御するという発想のもと、音響メタマテリアル技術「iwasemi™」を活用し、屋外と屋内それぞれの音課題に対して新たなアプローチを検証しました。

■実証結果

1.基地周辺の戦闘機騒音を対象とした実証

嘉手納町の福地組オフィス外部において、戦闘機の離着陸時に発生する低周波帯域を含めた測定を実施しました。実証結果では、従来構造と比較して約8dBの音圧低減を確認しました。この成果は、開放型環境における通気性を保ちながらの騒音低減に対して、音響メタマテリアル構造が有効であることを示しています。

2.オフィス内の反響音を対象とした実証

福地組本社オフィス内にiwasemi™吸音パネルを設置し、会話帯域（500〜1,000Hz）における残響時間を測定しました。導入前は1.28秒だった平均残響時間が、導入後は1.05秒（設置前比約18％削減）に短縮され、「ざわついたカフェが静かな図書館になったような」体感変化が確認されました。

■実証概要

＜目的＞

沖縄における代表的な騒音課題（戦闘機騒音・屋内反響音）に対し、音響メタマテリアル技術を用いた音響改善の可能性を検証する

＜実施内容＞

沖縄県嘉手納町の福地組オフィスにて、下記を実証しました

・米軍基地周辺のオフィスにて、音響メタマテリアル吸音パネルによる遮音性能の評価

・反響音の多いオフィスにて、iwasemi吸音パネルによる吸音環境の改善効果を検証

＜パートナー＞

株式会社福地組（設置および建築連携）

　所在地：〒904-0204 沖縄県中頭郡嘉手納町字水釜112

　設立：1978年4月（創業：1953年4月）

　代表者：代表取締役社長　福地一仁

　事業内容：総合建設業、一級建築設計事務所、宅地建物取引業等

■技術概要：メタマテリアルをベースとした独自の音響制御技術「iwasemi」

メタマテリアルをベースとしたPxDT独自の音響制御技術。素材の選択自由度と加工自由度の高さ、吸音・遮音周波数帯域の柔軟な設計、「通気×遮音」「軽量×吸音」といったこれまでのトレードオフ関係を破壊できることが提供価値です。これらの提供価値を活かしながら、さまざまな産業分野での騒音課題の解決に貢献します。