グリーンインフラへの民間投資拡大を目指し、横浜市で市民参加型の実証を開始

いきもの探しの参加データから、市民の意識・行動変容を分析

株式会社三菱総合研究所

株式会社三菱総合研究所(代表取締役 社長執行役員:籔田健二、以下 MRI)は、このたび株式会社バイオーム(代表取締役:藤木庄五郎、以下 バイオーム)と連携し、国土交通省「グリーンインフラの新技術開発支援事業」[1]の一環として、神奈川県横浜市を実証フィールドに、市民参加型の「グリーンインフラいきもの探しクエスト」(正式名称:まちとみどりのむすびつき グリーンインフラでいきもの探し in よこはま)を開始しました。クエスト結果の分析と参加者へのアンケートを通して市民の意識・行動変容を検証し、民間投資や政策・制度設計に必要な要件を整理します。

1. 背景

グリーンインフラとは、自然が持つ多様な機能を活用した社会資本であり、将来にわたり持続可能で魅力ある国土・都市・地域づくり及びウェルビーイング(※1)向上に貢献するものです。国土交通省は「グリーンインフラ推進戦略2030」[2]を策定し、グリーンインフラのさらなる実装に向けた環境整備を進めています。2027年3月から開催される「GREEN×EXPO 2027」の機会を最大限活用し、グリーンインフラの普及・啓発を強力に推進するとされています。

自然災害の激甚化・頻発化や生物多様性の損失が深刻化する中、グリーンインフラは持続可能な地域づくりに不可欠な取り組みです。その普及には行政による取り組みに加え、民間投資の拡大が必要です。一方でグリーンインフラは環境・社会・経済にわたる多面的な機能を持っており、その評価手法はいまだ研究途上です。便益を享受する市民や、開発を担う建設・不動産事業者、金融機関等の関係者がその価値を共通に理解し、投資判断に活用できる評価基盤は十分に整っていません。政府や自治体が掲げる生物多様性保全目標と、民間事業者の投資判断に必要な経済的インセンティブとをつなぐ仕組みが求められています。

こうした課題を踏まえ、MRIは、独自の生物分布ビッグデータを持つ京都大学発のスタートアップ企業、バイオームと連携し、グリーンインフラの機能の類型化、市民参加型企画による意識・行動変容の把握、民間投資拡大に向けた業界動向調査に関する実証を一体的に行います。

 
   図表1 グリーンインフラいきもの探しクエスト キービジュアル(バイオーム提供)

※1 身体的、精神的、社会的に満たされた状態。

2. 実証の概要

(1)市民参加型「グリーンインフラいきもの探しクエスト」の実施

バイオームが開発したいきものコレクションアプリ「Biome」[3]において、横浜市内のいきものを探して投稿する期間限定のクエスト(※2)を実施します。バイオームは、保有する生物分布データに、レーザー測量による樹木の高さ・ボリューム、土地利用、水辺の配置、ハザードマップなどの情報を組み合わせ、横浜市内のグリーンインフラの機能を5つに類型化しました。「いきものを探す」という身近な体験を入口として、市民が緑地や水辺を訪れ、その場所が持つ機能を体験的に学ぶ機会を提供します。

        図表2 バイオームによるグリーンインフラの5つの機能類型

※2 テーマに沿った条件やミッションを期間内にクリアしていきもの探しを楽しむゲーム機能。

(2)市民参加型「グリーンインフラいきもの探しクエスト」の概要

  • 正式名称

    まちとみどりのむすびつき グリーンインフラでいきもの探し in よこはま

  • 期間

    2026年10月5日から12月4日

  • 対象地域

    横浜市内

  • 参加費

    無料

  • 参加方法

    アプリ「Biome」にログインし、ホーム画面の「いきものクエスト」から対象クエストの概要を確認します。期間内に対象エリアで見つけたいきものを投稿することで参加できます。クエストへの参加にはアカウント登録が必要です。横浜市民だけでなく、誰でも参加可能です。

  図表3 市民参加型「グリーンインフラいきもの探しクエスト」の参加方法(バイオーム提供)

    図表4 アプリ「Biome」上でのグリーンインフラ表示イメージ(バイオーム提供)

(3)クエストによる市民の意識・行動変容の分析

MRIは、参加者へのアンケートおよびアプリから得られるユーザーの活動データを分析し、クエストの体験がグリーンインフラや生物多様性への理解、保全への関心、ウェルビーイング、地域への愛着、回遊・にぎわいに与える効果などを検証します。

これらの行動変容の分析結果を用いて、建設・不動産事業者や金融機関へのインタビュー調査を行うことで、民間投資拡大に必要な根拠や投資判断を促す要因、グリーンインフラ推進に必要な政策・制度上の支援要件を把握します。

バイオームの生物多様性の知見とMRIの自然分野における政策や社会・経済評価の知見を組み合わせ、グリーンインフラの評価手法の高度化、民間投資の拡大、「自然共生社会」の実現に貢献することを目指します。

関連情報

[1] 国土交通省「グリーンインフラの新技術開発支援事業」

https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo10_hh_000370.html 

https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo10_hh_000372.html 

[2] グリーンインフラ推進戦略2030

https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/environment/content/001978321.pdf 

[3]  いきものコレクションアプリ「Biome」

「そこにもきっと、いきものがいる」をコンセプトにした、バイオーム開発のいきものコレクションアプリ。スマホがあれば、誰でも気軽にいきもの探しを楽しめるプラットフォームとして、アプリの累計ダウンロード数は130万を突破。投稿データは全て生物多様性の保全に活用されることが特徴。日々リアルタイムの生物データが寄せられており、独自の生物分布ビッグデータとして蓄積されたデータは、1,150万件を超える。

https://biome-app.com/ 

 

株式会社バイオームについて

「生物多様性の保全を社会の当然に」を掲げる京都大学発のスタートアップ。国内最大級のリアルタイム生物分布データベースの構築を目指し、データ収集のツールとして独自の名前判定AIを搭載した、いきものコレクションアプリBiomeを開発・運営しています。

2026年10月までに1,150万件を超える生物データを蓄積。このビッグデータを活用し、企業の自然関連財務情報開示(TNFD)の支援や、自然共生サイトの認定支援、都市開発における生物多様性評価などを行っています。地域の実測データに基づく分析・解析を通じて、ネイチャーポジティブ推進上のボトルネックを解消し、環境保全と経済的合理性が両立する社会基盤の創出に取り組んでいます。

https://biome.co.jp/ 

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会社概要

株式会社三菱総合研究所

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URL
https://www.mri.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区永田町2-10-3
電話番号
03-5157-2111
代表者名
籔田 健二
上場
東証プライム
資本金
63億3624万円
設立
1970年05月