領域を超えていく、その革新性はどこに? 『美術手帖』2025年1月号は、「現代の陶芸」特集。
株式会社美術出版社(東京都 品川区)は、『美術手帖』2025年1月号「AIと創造性」特集を12月6日(金)に発売します。
特集「現代の陶芸」
領域を超えていく、その革新性はどこに?
いま、陶芸と現代アートの接続と融合が生みだす新たな動向に、国際的な注目が集まっている。それは、メディアのひとつとして自身の制作に自由に取り入れるアーティストの陶芸と、陶芸とは何かを追求するなかで必然的な形を生み出していく表現が交差する場所でもある。本特集では、その源流のひとつといえる戦後の現代陶芸の文脈もたどりながら、領域を超えていく現代の陶芸が持つ豊かな可能性を考えてみたい。
陶芸を出自とするアーティストの活躍には目を見張るものがある。巻頭では、陶芸の技法やプロセスのなかから造形にとどまらない表現の必然性を探っている、6名のアーティストに取材。桑田卓郎、安永正臣、川端健太郎、西條茜は、国内外に拠点を持つ現代アートのギャラリーでの取り扱いとなり、国際的な活動の幅を広げている。また、稲崎栄利子のロエベ財団 クラフトプライズ2023大賞受賞は国際的な話題となった。植松永次は、長年にわたる制作の独自性が、2024年の三重県立美術館での個展においてさらなる展開を見せていた。
特集記事ではほかにも、戦後の前衛陶芸家集団・走泥社などから続く、伝統の常識を壊し、表現の幅を拡げる力を持つ作品から現代につながる複数の系譜を見出す「作品からたどる日本の現代陶芸史」や、注目作家15名を紹介する「現代の陶芸作家」、清水穣、川北裕子の論考などを掲載。本特集から、この領域横断的な「現代の陶芸」が持つ豊かな可能性に目を向けてもらいたい。
アーティスト・インタビューは、多様なメディアを駆使し、個々の記憶と社会的な記録のあいだにある権力の力学を可視化する作品を発表し続けるティンティン・ウリアを紹介。広島市現代美術館で個展を開催中の作家に、その芸術的実践の背景にある自身の歴史、そして社会的・政治的変革との紐付けなどについて、文化研究の山本浩貴が話を聞いた。
【目次】
特集「現代の陶芸」
領域を超えていく、その革新性はどこに?
INTERVIEW
桑田卓郎
唐澤昌宏=取材・文
安永正臣
三浦弘子=取材・文
稲崎栄利子
マルテル坂本牧子=取材・文
川端健太郎
入澤聖明=取材・文
植松永次
林いづみ=取材・文
西條茜
花里麻理=取材・文
大長智広に聞く「現代陶芸」の原点とは?
編集部=聞き手・作品解説 小吹隆文=構成
作品でたどる日本の現代陶芸史
川北裕子+坂井基樹=構成・文
現代の陶芸を理解するための技法と基礎知識
坂井基樹=監修 永峰美佳=編集・構成 川合翔子=イラストレーション
滋賀県立陶芸の森 杉山道夫に聞く
カネ利陶料 岩島利幸、日置哲也に聞く
永峰美佳=取材・文
ARTISTS
中井波花/松永圭太/植葉香澄/川井雄仁/五味謙二/藤笠砂都子/牟田陽日/見附正康/和田的/新里明士/谷穹/阿曽藍人/橋本知成/安藤郁子/津守秀憲
岩井美恵子、島崎慶子、黒澤浩美、坂井基樹、川北裕子=選・文
ESSAY
陶芸の裂開
清水穣=文
国際的に拡がる陶芸の現代
川北裕子=文
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ARTIST IN FOCUS
上原沙也加
金惠信=取材・文
Nerhol
中尾拓哉=取材・文
藤倉麻子
中本憲利=取材・文
WORLD REPORT
New York/London/Berlin/Busan
ARTIST INTERVIEW
ティンティン・ウリア
山本浩貴=聞き手
REVIEWS
「橋の下世界音楽祭 SOUL BEAT ASIA 2024」
椹木野衣=文
「LOVE ファッション–私を着がえるとき」展
清水穣=文
書誌情報
美術手帖2025年1月号 12月6日(金)発売
特別定価|2,000円+税
発行|カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
発売|美術出版社
『美術手帖』公式サイト
https://bijutsu.press/books/5531/
Amazonサイト
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美術出版社
1905年の創業以来、一貫して良質な美術図書の出版を手掛けてきました。
『美術手帖』『ワイナート』などの定期雑誌、『カラー版美術史シリーズ』をはじめとする美術・デザイン・建築などの芸術全般にわたる書籍の出版、美術展のカタログ制作のほか、アートと人々をつなぐ多彩な事業を行っています。
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