ノバルティス、堅調な業績を継続、 第3四半期に売上高10%増、コア営業利益20%増、研究開発における重要なマイルストーンを達成、2024年通期業績予想を上方修正
2024年第3四半期の売上高は10%増(実質ベース1、米ドルベース 9%増)、コア営業利益は20%増(実質ベース、米ドルベース 17%増)
o エンレスト(実質ベース 26%増)、コセンティクス(実質ベース 28%増)、Kisqali(実質ベース 43%増)、ケシンプタ(実質ベース 28%増)、Pluvicto(実質ベース 50%増)、レクビオ(実績ベース119%増)などの製品が、引き続き増収を牽引
o コア営業利益率は、主に売上高の伸びが寄与し、3.4ポイント増(実質ベース)の40.1%
2024年第3四半期の営業利益は123%増(実質ベース、米ドルベース 106%増)、純利益は121%増(実質ベース、米ドルベース 111%増)
2024年第3四半期のコアEPSは、20%増(実質ベース、米ドルベース 18%増)の2.06米ドル
2024年第3四半期のフリーキャッシュフロー[1]は、60億米ドル(米ドルベース 18%増)となり、営業活動からのキャッシュフロー(純額)の増加が寄与
2024年1-9月期の売上高は11%増(実質ベース、米ドルベース 9%増)、コア営業利益は20%増(実質ベース、米ドルベース 17%増)
2024年第3四半期の研究開発における主なマイルストーン:
o Kisqali– HR陽性HER2陰性早期乳がん(ステージⅡおよびⅢ)の適応が、米国食品医薬品局(FDA)の承認ならびに欧州医薬品委員会(CHMP)の承認勧告を得る
o ファビハルタ(イプタコパン)– IgA腎症適応がFDAに迅速承認される
o Pulvicto– タキサン系化学療法前の転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)適応をFDAに申請
2024年通期業績予想を上方修正[2]
o 売上高は、10%台前半の成長率を予想(一桁台後半から10%台前半の成長率へ上方修正)
o コア営業利益は、10%台後半の成長率を予想(10%台半ばから後半の成長率へ上方修正)
2024年10月29日、スイス・バーゼル発― ノバルティスCEOのヴァス・ナラシンハンは、2024年第3四半期の業績について、次のようにコメントしています。
「ノバルティスは、第3四半期も10%の増収とコア営業利益の20%の増益を達成するなど、力強い業績を達成しました。すべての主要な成長製品が好業績に寄与しました。ノバルティスは米国において、Kisqaliの早期乳がん適応ならびにファビハルタのIgA腎症適応の効能追加を取得したほか、PluvictoのPSMAfore試験のデータを申請しました。事業ならびにパイプラインの好調に伴い、私たちは、再び2024年の通期業績予想を上方修正することができ、中期見通しの達成に自信を持っています」
戦略
事業の集中
2023年、ノバルティスは、革新的医薬品に特化した製薬企業への転換を完了しました。ノバルティスは、4つのコア疾患領域(循環器・腎臓・代謝、イムノロジー、中枢神経、オンコロジー)に明確に焦点を合わせ、この4つの疾患領域のそれぞれに、負担が大きい疾患に対する治療薬であり、大きな成長の可能性を持つ複数の上市済みならびに開発中の製品を持っています。また、ノバルティスは、既存の2つの技術プラットフォーム(低分子医薬品、抗体医薬品)に加え、新たに3つのプラットフォーム(遺伝子・細胞治療、放射性リガンド療法、核酸医薬品)の研究開発力および生産規模の拡大に、優先的かつ継続的に投資しています。地理的な面では、優先地域である米国、中国、ドイツ、日本での成長にフォーカスしています。
優先課題
成長を加速:すべてのコア疾患領域における豊富なパイプラインにより、価値の高い医薬品(新規化合物)の供給に再注力するとともに、優れた上市活動にフォーカス
株主への還元:卓越した事業運営と財務業績の改善を継続。資本配分における規律と株主中心の継続、ならびに資金生成と、資本の柔軟性を支える強力な資本構成の実現
基盤の強化:社員の能力の最大化、データサイエンスおよび技術の規模拡大、社会との信頼関係構築の継続
財務業績
2023年9月15日の株主によるサンドの独立の承認後、ノバルティスは、当期ならびに過去の会計年度の連結業績報告書を「継続事業」と「非継続事業」に分けて報告しています。
継続事業には、イノベーティブ メディスン事業ならびに継続する企業活動からなるノバルティスに残る事業が含まれます。非継続事業には、サンド事業部門およびサンドの事業に関連する一部の企業活動、さらに、独立に関わる特定の費用が含まれます。
この後の説明は、継続事業に関するものが中心ですが、非継続事業についての情報も提供しています。
継続事業
2024年第3四半期(7~9月)
2024年第3四半期の売上高は、販売量の12ポイントの貢献があり、128億米ドル(9%増、実質ベース 10%増)となりました。ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響は2ポイント、価格による影響はありませんでした。
営業利益は、減損費用の減少と売上高の増加が研究開発費の拡大により一部相殺されたことが主な要因となり、36億米ドル(106%増、実質ベース 123%増)となりました。
純利益は、主に営業利益の増加により、32億米ドル(111%増、実質ベース 121%増)となりました。1株当たり純利益(EPS)は、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、1.58米ドル(116%増、実質ベース 127%増)となりました。
コア営業利益は、売上高の増加が研究開発費の拡大により一部相殺されたことが主な要因となり、51億米ドル(17%増、実質ベース 20%増)となりました。コア売上高営業利益率は、2.7ポイント増(実質ベース 3.4ポイント増)の40.1%となりました。
コア純利益は、主にコア営業利益の増加により、41億米ドル(15%増、実質ベース 17%増)となりました。コアEPSは、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、2.06米ドル(18%増、実質ベース 20%増)となりました。
継続事業のフリーキャッシュフローは、継続事業にかかわる営業活動からのキャッシュフロー(純額)の増加が寄与し、前年同期の50億米ドルから60億米ドル(米ドルベース 18%増)に増加しました。
2024年1-9月期(1~9月)
売上高は、販売量の14ポイントの伸びに牽引され、372億米ドル(9%増、実質ベース 11%増)となりました。ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響は2ポイント、価格低下によるマイナス影響は1ポイントでした。
営業利益は、売上高の増加と減損費用および事業再編費の減少によるプラス効果が、前年同期に係争関連の一時的な収入があったこと、ならびに研究開発費の上昇に伴うマイナス効果により一部相殺され、110億米ドル(53%増、実質ベース 61%増)となりました。
純利益は、主に営業利益の増加が寄与し、91億米ドル(54%増、実質ベース 62%増)となりました。1株当たり純利益(EPS)は、4.50米ドル(58%増、実質ベース 67%増)となり、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与しました。
コア営業利益は、売上高の増加による増益効果が、研究開発費の増加により一部相殺されたことが主な要因となり、146億米ドル(17%増、実質ベース 20%増)となりました。コア売上高営業利益率は、2.5ポイント上昇(実質ベース 3.2ポイント増)し、39.4%となりました。
コア純利益は、主にコア営業利益の増加により、118億米ドル(15%増、実質ベース 18%増)となりました。コアEPSは、発行済み株式数の加重平均値の減少によるプラスの影響があり、5.83米ドル(18%増、実質ベース 21%増)となりました。
継続事業のフリーキャッシュフローは、継続事業にかかわる営業活動からのキャッシュフロー(純額)の増加に伴い、前年同期の110億米ドルから126億米ドル(米ドルベース 15%増)に増加しました。
非継続事業
非継続事業の業績には、サンドのジェネリック医薬品およびバイオシミラー事業部門、サンドに関連する一部の企業活動、さらに、サンドの事業の独立に関わるそのほかの特定の費用が含まれます。
2024年第3四半期(7~9月)
サンドの独立は2023年10月3日に完了したため、2024年第3四半期には非継続事業の業績の計上はありません。2023年第3四半期の非継続事業の売上高は25億米ドル、営業損失は86百万米ドル、純利益は250百万米ドルでした。詳細は、要約版業績報告書(英文オリジナル版)の注記3(Significant acquisition of businesses and spin-off of Sandoz business)ならびに注記11(Discontinued operations)をご覧ください。
2024年1-9月期(1~9月)
サンドの独立は2023年10月3日に完了したため、2024年1-9月期には非継続事業の業績の計上はありません。2023年1-9月期の非継続事業の売上高は74億米ドル、営業利益は265百万米ドル、純利益は440百万米ドルでした。詳細は、要約版業績報告書(英文オリジナル版)の注記3(Significant acquisition of businesses and spin-off of Sandoz business)ならびに注記11(Discontinued operations)をご覧ください。
ノバルティス全体
2024年第3四半期(7~9月)
2024年第3四半期のノバルティス全体の純利益は、前年同期の18億米ドルから32億米ドルに、基本EPSは、前年同期の0.85米ドルから1.58米ドルに増加しました。ノバルティス全体の営業活動からのキャッシュフローの純額は63億米ドル、フリーキャッシュフローは60億米ドルでした。
2024年1-9月期(1~9月)
2024年上半期のノバルティス全体の純利益は、前年同期の64億米ドルから91億米ドルに、基本EPSは、前年同期の3.05米ドルから4.50米ドルに増加しました。ノバルティス全体の営業活動からのキャッシュフローの純額は134億米ドル、フリーキャッシュフローは126億米ドルでした。
2024年第3四半期の成長の主な原動力
第3四半期の業績は、以下を含む主な成長製品への継続的なフォーカスに下支えされました(第3四半期の売上高の伸びに対する貢献順):
研究開発関連のアップデート ― 第3四半期の主な進捗
資本構成および純負債額
事業への投資と強力な資本構成、魅力ある株主還元の適切なバランスを保つことを今後も引き続き優先します。
2024年1-9月期に、ノバルティスは、スイス証券取引所のセカンド・トレーディングラインを通じて、合計5,270万株の自己株式を57億米ドルで買い戻しました。これには、2023年7月に発表された最大で150億米ドルの自己株式購入(最大で79億米ドルの資金が残る)の一環としての4,540万株(48億米ドル)が含まれています。加えて、社員持ち株制度に伴う希釈化影響を緩和するため、730万株(9億米ドル)が買い戻され、2024年第4四半期にも同じ目的で残りの自己株式の買い戻しを行う予定です。さらに、110万株(株式価値1億米ドル)が、社員から買い戻されました。同じく2024年1-9月期に、社員持ち株制度関連の株式受け渡しにより、910万株(株式価値8億米ドル)が受け渡されました。この結果、発行済み株式総数は、2023年12月31日時点と比べて4,470万株減少しました。これらの自己株式の取引により、株主資本が50億米ドル減少するとともに、55億米ドルの現金が支出されました。
2024年9月30日現在の純負債額は、2023年12月31日時点の102億米ドルから163億米ドルに増加しました。増加の主な要因は、76億米ドルの年間配当金の支払いと、55億米ドルのM&Aおよび無形資産の取引による現金支出(純額)、55億米ドルの自己株式の取引による現金支出(純額)が、フリーキャッシュフロー126億米ドルによって一部相殺されたことです。
2024年第3四半期現在のノバルティスの長期信用格付けは、ムーディーズ・レーティングスがAa3、S&Pグローバル・レーティングがAA-となっています。
主な前提条件:
業績予想を目的として、ノバルティスは、タシグナ、Promacta(レボレード)、エンレストのジェネリック医薬品が、2025年半ばに米国で上市されると想定しています
外国為替の影響
2024年10月後半の為替レートが2024年の残りの期間も継続すると仮定した場合、2024年通期での外国為替の影響は、売上高に対してマイナス1ポイント、コア営業利益に対してマイナス3~4ポイントとなると予想しています。業績への為替影響の予想は、ノバルティスのウェブサイトで毎月提供されています。
免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了承ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。
ノバルティスについて
ノバルティスは、革新的医薬品の研究、開発、製造、販売を行うグローバル製薬企業です。ノバルティスは、患者さん、医療従事者、社会全体と共に病に向き合い、人びとがより充実した健やかな毎日が過ごせるため「医薬の未来を描く (Reimagining Medicine)」ことを追求しています。ノバルティスの医薬品は、世界中で2.5億人の患者さんに届けられています。詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.com
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