ノバルティス、2024年通期に売上高および利益率の大幅な伸びを継続、研究開発における重要なマイルストーンを達成

この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2025年1月31日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、英語が優先されます。英語版は、https://www.novartis.comをご参照下さい。

2024年通期

  • 売上高は12%増(実質ベース[1]、米ドルベース 11%増)、コア営業利益[1]は22%増(実質ベース、米ドルベース 19%増)

    o 売上高の伸びは、エンレスト(実質ベース 31%増)、コセンティクス(実質ベース 25%増)、ケシンプタ(実質ベース 49%増)、Kisqali(実質ベース 49%増)、Pluvicto(実質ベース 42%増)、レクビオ(実質ベース 114%増)の好調継続に牽引される

    o コア売上高営業利益率1は、主に売上高の伸びが寄与し、3.3ポイント増(実質ベース)の38.7%

  • 営業利益は55%増(実質ベース、米ドルベース 49%増)、純利益は45%増(実質ベース、米ドルベース 39%増)

  • コアEPS[1]は、24%増(実質ベース、米ドルベース 21%増)の7.81米ドル

  • フリーキャッシュフロー[1]は163億米ドル(米ドルベース 24%増)となり、営業活動からのキャッシュフロー(純額)の増加が寄与

2024年第4四半期

  • 売上高は16%増(実質ベース[1]、米ドルベース 15%増)、コア営業利益[1]は29%増(実質ベース、米ドルベース 27%増)

    o エンレスト(実質ベース 34%増)、ケシンプタ(実質ベース 49%増)、Kisqali(実質ベース 52%増)、コセンティクス(実質ベース 24%増)、レクビオ(実質ベース 83%増)が引き続き好調で売上高の伸びを牽引

  • 研究開発における主なマイルストーン:

    o セムブリックス 慢性期のフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病に対する一次治療薬(1L Ph+ CML-CP)としての適応が、FDAに迅速承認される

    o Kisqali ステージⅡおよびⅢのHR陽性HER2陰性早期乳がん(HR+/HER2- eBC)の適応が欧州委員会(EC)の承認を取得

    o ファビハルタ(イプタコパン) C3腎症(C3G)適応をFDAに申請;優先審査品目に指定される

    o OAV101 IT 脊髄性筋萎縮症(SMA)患者を対象とした第Ⅲ相STEER試験の肯定的なデータを入手

配当金および2025年通期業績予想

  • 2024年の年間配当金は、6.1%増の1株当たり3.50スイスフランを提示

  • 2025年通期業績予想[2] ― 売上高は一桁台半ばから後半の成長率、コア営業利益は一桁台後半から10%台前半の成長率を予想

2025年1月31日、スイス・バーゼル発 ― ノバルティスCEOのヴァス・ナラシンハンは、2024年第4四半期の業績について、次のようにコメントしています。

「革新的医薬品に特化した製薬企業としてのノバルティスの初めての通期業績は、売上高が実質ベース12%増、コア営業利益が実質ベース22%増と、これまでで最も優れた業績を示した年となりました。また、私たちは、新たな承認や数多くの開発プロジェクトの新規データの入手など、中長期での成長を促進する重要なイノベーションにおけるマイルストーンを達成しました。事業が好調を維持していることから、2025年も力強い売上高および利益率の拡大が続くと予測しており、中期業績予想の達成に向け順調に歩みを進めています。将来に向け、私たちは、今後数年間にわたる申請のための15件の新規データの入手や、長期的に差別化可能で成長が見込まれる30以上のプロジェクトを含めたパイプラインの前進にフォーカスしています。私たちは、引き続きバランスのとれた資本配分のアプローチを採用するとともに、株主への持続的な価値創造にコミットしていきます」

主要数値

1 実質ベースの数値、コアベースの業績ならびにフリーキャッシュフローは、国際会計基準(IFRS)に準拠していません。IFRSに準拠していない数値の説明は、要約版業績報告書(英文オリジナル版)の47ページに記載されています。本リリースに掲載される成長率は、特に記載のある場合を除き、すべて前年同期に対するものです。2 業績予想の前提条件に関する詳細は、7ページ(英文オリジナル版プレスリリース)をご覧ください。3要約版業績報告書(英文オリジナル版)の35ページに記載されるとおり、継続事業には、イノベーティブ メディスン事業ならびに継続する企業活動からなるノバルティスに残る事業活動が含まれ、非継続事業には、サンド事業の業績が含まれます。

戦略

事業の集中

2023年、ノバルティスは、革新的医薬品に特化した製薬企業への転換を完了しました。ノバルティスは、4つのコア疾患領域(循環器・腎臓・代謝、イムノロジー、中枢神経、オンコロジー)に明確に焦点を合わせ、この4つの疾患領域のそれぞれに、負担が大きい疾患に対する治療薬であり、大きな成長の可能性を持つ複数の上市済みならびに開発中の製品を持っています。また、ノバルティスは、既存の2つの技術プラットフォーム(低分子医薬品、抗体医薬品)に加え、新たに3つのプラットフォーム(遺伝子・細胞治療、放射性リガンド療法、核酸医薬品)の研究開発力および生産規模の拡大に、優先的かつ継続的に投資しています。地理的な面では、優先地域である米国、中国、ドイツ、日本での成長にフォーカスしています。

優先課題

  1. 成長を加速:すべてのコア疾患領域における豊富なパイプラインにより、価値の高い医薬品(新規化合物)の供給に再注力するとともに、優れた上市活動にフォーカス

  2. 株主への還元:卓越した事業運営と財務業績の改善を継続。資本配分における規律と株主中心の継続、ならびに資金生成と、資本の柔軟性を支える強力な資本構成の実現

  3. 基盤の強化:社員の能力の最大化、データサイエンスおよび技術の規模拡大、社会との信頼関係構築の継続

財務業績

2023年9月15日の株主によるサンドの独立の承認後、ノバルティスは、連結業績報告書を「継続事業」と「非継続事業」に分けて報告しています。

継続事業には、イノベーティブ メディスン事業ならびに継続する企業活動からなるノバルティスに残る事業が含まれます。非継続事業には、サンド事業部門およびサンドの事業に関連する一部の企業活動、さらに、独立に関わる特定の費用が含まれます。

この後の説明は、継続事業に関するものが中心ですが、非継続事業についての情報も提供しています。

継続事業

2024年第4四半期(10~12月)

売上高は、販売量増加による15ポイントの貢献があり、132億米ドル(15%増、実質ベース 16%増)となりました。ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響は1ポイントとなったほか、主に米国における収入控除調整が寄与し、価格によるプラス影響が2ポイントありました。

営業利益は、売上高の増加が研究開発費の拡大により一部相殺されたことが主な要因となり、35億米ドル(37%増、実質ベース 39%増)となりました。

純利益は、営業利益の増加によるプラス効果が、主に当期の税引き前利益の増加ならびに前期の経常外の税制優遇に伴う法人税の増加により一部相殺されたことが主な要因となり、28億米ドル(7%増、実質ベース 6%増)となりました。1株当たり純利益(EPS)は、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、1.42米ドル(10%増、実質ベース 10%増)となりました。

コア営業利益は、売上高の増加が研究開発費の拡大により一部相殺されたことが主な要因となり、49億米ドル(27%増、実質ベース 29%増)となりました。コア売上高営業利益率は、3.4ポイント増(実質ベース 3.7ポイント増)の36.9%となりました。

コア純利益は、主にコア営業利益の増加により、39億米ドル(26%増、実質ベース 29%増)となりました。コアEPSは、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、1.98米ドル(29%増、実質ベース 33%増)となりました。

継続事業のフリーキャッシュフローは、継続事業にかかわる営業活動からのキャッシュフロー(純額)の増加が寄与し、前年同期の21億米ドルから36億米ドル(米ドルベース 18%増)に増加しました。

2024年通期(1~12月)

売上高は、販売量の14ポイントの伸びに牽引され、503億米ドル(11%増、米ドルベース 12%増)となりました。ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響は2ポイント、価格による影響はありませんでした。

営業利益は、売上高の増加と減損費用、減価償却費ならびに事業再編費の減少によるプラス効果が、前年に係争関連の一時的な収入があったこと、ならびに研究開発費の上昇に伴うマイナス効果により一部相殺され、145億米ドル(49%増、実質ベース 55%増)となりました。

純利益は、営業利益の増加によるプラス効果が、主に当期の税引き前利益の増加ならびに前期の経常外の税制優遇に伴う法人税の増加により一部相殺されたことが主な要因となり、119億米ドル(39%増、実質ベース 45%増)となりました。1株当たり純利益(EPS)は、5.92米ドル(43%増、実質ベース 49%増)となり、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与しました。

コア営業利益は、売上高の増加によるプラス効果が、研究開発費の増加により一部相殺されたことが主な要因となり、195億米ドル(19%増、実質ベース 22%増)となりました。コア売上高営業利益率は、2.7ポイント上昇(実質ベース 3.3ポイント増)し、38.7%となりました。

コア純利益は、主にコア営業利益の増加により、158億米ドル(17%増、実質ベース 21%増)となりました。コアEPSは、発行済み株式数の加重平均値の減少が寄与し、7.81米ドル(21%増、実質ベース 24%増)となりました。

継続事業のフリーキャッシュフローは、継続事業にかかわる営業活動からのキャッシュフロー(純額)の増加に伴い、前年の132億米ドルから163億米ドル(米ドルベース 24%増)に増加しました。

非継続事業

非継続事業の業績には、サンドのジェネリック医薬品およびバイオシミラー事業部門、サンドにかかわる一部の企業活動、さらに、サンドの事業の独立に関わるそのほかの特定の費用が含まれます。

2024年第4四半期(10~12月)

サンドの独立は2023年10月3日に完了したため、2024年および2023年の第4四半期には非継続事業にかかわる営業上の業績の計上はありません。2023年第4四半期の非継続事業の純利益は、サンド グループAG株のノバルティスAG株主への配分に伴う国際会計基準(IFRS)ベースでの非現金非課税収益(純額)59億米ドルを含め、58億米ドルでした。詳細は、要約版業績報告書(英文オリジナル版)の注記3(Significant acquisition of businesses and spin-off of Sandoz business)ならびに注記11(Discontinued operations)をご覧ください。

2024年通期(1~12月)

サンドの独立は2023年10月3日に完了したため、2024年通期には非継続事業の業績の計上はありません。2023年通期の非継続事業の売上高は74億米ドル、営業利益は265百万米ドルでした。2023年通期の非継続事業の純利益は、サンド グループAG株のノバルティスAG株主への配分に伴う国際会計基準(IFRS)ベースでの非現金非課税収益(純額)59億米ドルを含め、63億米ドルでした。詳細は、要約版業績報告書(英文オリジナル版)の注記3(Significant acquisition of businesses and spin-off of Sandoz business)ならびに注記11(Discontinued operations)をご覧ください。

ノバルティス全体

2024年第4四半期(10~12月)

2024年第4四半期のノバルティス全体の純利益は、前年同期の85億米ドルから28億米ドルに、基本EPSは、前年同期の4.14米ドルから1.42米ドルに減少しました。減益は、前年同期にサンド グループAG株のノバルティスAG株主への配分に伴う国際会計基準(IFRS)ベースでの非現金非課税収益(純額)59億米ドルが計上されたことによるものです。ノバルティス全体の営業活動からのキャッシュフローの純額は42億米ドル、フリーキャッシュフローは36億米ドルでした。

2024年通期(1~12月)

2024年通期のノバルティス全体の純利益は、前年の149億米ドルから119億米ドルに、基本EPSは、前年の7.15米ドルから5.92米ドルに減少しました。減益は、前年にサンド グループAG株のノバルティスAG株主への配分に伴う国際会計基準(IFRS)ベースでの非現金非課税収益(純額)59億米ドルが計上されたことによるものです。ノバルティス全体の営業活動からのキャッシュフローの純額は176億米ドル、フリーキャッシュフローは163億米ドルでした。

2024年第4四半期の成長の主な原動力

第4四半期の業績は、以下を含む主な成長製品への継続的なフォーカスに下支えされました(第4四半期の売上高の伸びに対する貢献順):

2024年第4四半期および通期 売上高上位20製品

研究開発関連のアップデート ― 第4四半期の主な進捗

資本構成および純負債額

事業への投資と強力な資本構成、魅力ある株主還元の適切なバランスを保つことを今後も引き続き優先します。

2024年通期に、ノバルティスは、スイス証券取引所のセカンド・トレーディングラインを通じて、合計7,750万株の自己株式を83億米ドルで買い戻しました。これには、2023年7月に発表された最大で150億米ドルの自己株式購入(最大で54億米ドルの資金が残る)の一環としての6,880万株(73億米ドル)が含まれています。加えて、社員持ち株制度に伴う希釈化影響を緩和するため、870万株(10億米ドル)が買い戻されました。さらに、120万株(株式価値1億米ドル)が、社員から買い戻されました。同じく2024年通期に、社員持ち株制度関連の株式受け渡しにより、980万株(株式価値11億米ドル)が受け渡されました。この結果、発行済み株式総数は、2023年12月31日時点と比べて6,890万株減少しました。これらの自己株式の取引により、株主資本が74億米ドル減少するとともに、83億米ドルの現金が支出されました。

2024年12月31日現在の純負債額は、2023年12月31日時点の102億米ドルから161億米ドルに増加しました。増加の主な要因は、83億米ドルの自己株式の取引による現金支出(純額)と、76億米ドルの年間配当金の支払い、63億米ドルのM&Aおよび無形資産の取引による現金支出(純額)、が、フリーキャッシュフロー163億米ドルによって一部相殺されたことです。

2024年第4四半期現在のノバルティスの長期信用格付けは、ムーディーズ・レーティングスがAa3、S&Pグローバル・レーティングがAA-となっています。

主な前提条件:

  • 業績予想を目的として、ノバルティスは、タシグナ、Promacta(レボレード)、エンレストのジェネリック医薬品が、2025年半ばに米国で上市されると想定しています

外国為替の影響

2025年1月後半の為替レートが2025年の残りの期間も継続すると仮定した場合、2025年通期での外国為替の影響は、売上高に対してマイナス2ポイント、コア営業利益に対してマイナス3ポイントとなると予想しています。業績への為替影響の予想は、ノバルティスのウェブサイトで毎月提供されています。

免責事項

本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了承ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。

ノバルティスについて

ノバルティスは、革新的医薬品の研究、開発、製造、販売を行うグローバル製薬企業です。ノバルティスは、患者さん、医療従事者、社会全体と共に病に向き合い、人びとがより充実した健やかな毎日が過ごせるため「医薬の未来を描く (Reimagining Medicine)」ことを追求しています。ノバルティスの医薬品は、世界中で2.5億人の患者さんに届けられています。詳細はホームページをご覧ください。

https://www.novartis.com

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以上

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ビジネスカテゴリ
医薬・製薬

会社概要

URL
https://www.novartis.co.jp
業種
製造業
本社所在地
東京都港区虎ノ門1丁目23番1号 虎ノ門ヒルズ森タワー
電話番号
03-6899-8000
代表者名
ジョンポール・プリシーノ
上場
未上場
資本金
60億円
設立
1997年04月