Salesforce、AIエージェント拡張の最大の障壁である「可視性」と「制御性」を解決する「Agentforce 3」を発表

※本記事は2025年6月23日に米国で公開されたSalesforce Launches Agentforce 3 to Solve the Biggest Blockers to Scaling AI Agents: Visibility and Controlの抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。


AIエージェントの最適化を支援する包括的な可観測性ソリューション「Agentforce Command Center」により、AIエージェントが支援する人間の生産性向上を管理・追跡・拡張可能に

Model Context Protocol(MCP)などのオープンスタンダードにネイティブ対応することで、AIエージェント間のシームレスな相互運用性を実現。強化されたAgentExchangeを通じて、AWS、Box、Google Cloud、IBM、Notion、PayPal、Stripe、Teradata、WRITERなど、30社を超えるパートナーによるプラグ&プレイ型サービスへのアクセスが可能に

推論・パフォーマンス・信頼性の各面で刷新された「Atlasアーキテクチャ」により、優れたエンタープライズ水準に対応。低レイテンシー、高精度、強化されたレジリエンスに加え、Anthropicなどのネイティブホスト型LLM(大規模言語モデル)にも対応

Engine、Grupo Globo、PepsiCo、UChicago Medicine、1-800Accountantなどの顧客が、100種類以上の業種別に事前作成されたアクション、柔軟な価格体系、拡張された可用性により、短期間で高いビジネス価値を実現

米国Salesforce(以下、Salesforce)は、デジタル労働力を生み出すプラットフォームの大幅なアップグレード版となる「Agentforce 3」を発表しました。Agentforce 3は、企業がAIエージェント(英語)を安心して拡張させるために必要な可視性と制御性を提供します。エンタープライズでの導入が加速する中で「チームがAIエージェントの活動を把握できず、十分な速さで改善・進化させられない」という最大の障壁が明らかになっています。Agentforce 3は、こうした課題を解決するために発表されたソリューションです。2024年10月の初期リリース以降、数千件に及ぶAgentforceの導入実績を通じて得られた知見をもとに構築された本プラットフォームは、顧客に明確なビジネス価値をもたらしています。Agentforce 3は、企業のリーダー層が自信を持ってAI労働力を監視・改善・拡張することを可能にします。

新たに導入された完全な可観測性を実現するCommand Center、プラグ&プレイでの相互運用性を可能にするModel Context Protocol(MCP)対応、そして価値創出までの時間を短縮する100種類以上の業種別事前作成済みアクションを備えたAgentforce 3は、順調に機能しているものを拡張し、課題のある部分を修正し、可視性、制御性、スピードを持って、自律型AIの持つ本来の可能性を引き出します。

重要な理由:AIエージェントの導入は今、急増しています。まもなく発表されるSlackの「Workflow Index」によると、AIエージェントの利用は6か月間で233%増加しており、同じ期間中に、8,000社以上の企業がAgentforceを導入するために当社と契約をしています。しかし、これまで既存のAIエージェント・プラットフォームは、エンタープライズ全体に展開するために必要なツール群、ガバナンス、可観測性を十分に備えていませんでした。Agentforce 3はこのギャップを解消します。完全な可視性、安全なツール統合、エンタープライズレベルの制御性を提供し、AIエージェントの生産性を競争優位へと変えます。

Agentforce Command Center ― AIエージェントの監視、測定、最適化を実現:AIエージェントが日常業務を担い、人間であるチームメイトとの連携が深まる中で、デジタル労働力の時代に対応した新たな可観測性レイヤーが求められています。Agentforce Command Centerはまさにその役割を果たすものであり、AIエージェントの健全性を監視し、パフォーマンスを測定し、成果を最適化するための統合ビュー(単一画面)を提供する完全な可観測性ソリューションです。この機能はAgentforce Studioに組み込まれており、大規模にAIエージェントを理解し改善するための強力なツールによって、AIエージェントのライフサイクルを完結させます。

  • インタラクション全体のパターンを可視化し、AIエージェントを最適化:Command Centerは、あらゆるAIエージェントとのやりとりを分析し、特定の会話を掘り下げ、使用傾向を理解することで、タグ付けされた会話タイプに対してAIによるAgentforceの改善提案を提供します。

  • エージェントの健全性を把握し、リアルタイムで対応:レイテンシー、エスカレーションの頻度、エラー率といった指標について、詳細なライブ分析が可能です。さらに、予期しない事象が発生した際にはリアルタイムでアラートが届くため、チームは迅速に対応し、AIエージェントを安定的に稼働させることができます。

  • 効果と改善点の可視化:Command Centerは、AIエージェントの導入状況、フィードバック、成功率、コスト、トピックごとのパフォーマンスなどを追跡できる詳細なダッシュボードを提供します。これにより、チームはどの取り組みが効果を上げているのか、どこに改善の余地があるのかを一目で把握できます。

  • チームがすでに使っているツール上で、AIエージェントの活動を可視化:Agentforceは、すべてのAIエージェントの活動をData Cloud上のネイティブで拡張可能なセッショントレーシングデータモデルに記録し、分析、モニタリング、リアルタイムアラートに活用します。この仕組みはOpenTelemetry標準に基づいて構築されており、Datadog、Wayfoundをはじめとするモニタリングパートナーのツールともシームレスに統合され、既存のスタック全体にわたるエンドツーエンドの可視性を実現します。

  • あらゆるチームに最適化されたカスタマイズ可能なCommand Centerを提供:AIエージェントの活動を人間のチームメンバーと並行して、業務フローの中でリアルタイムにモニタリングできます。この機能は、まずService Cloudから提供を開始します。AIエージェントの活動がリアルタイムのウォールボード上に表示されることで、コンタクトセンターのスーパーバイザーがパフォーマンスを追跡し、即座にエスカレーションできるようになります。今後は、あらゆる部門に対して、それぞれのAIエージェントの最適化されたCommand Centerが順次提供される予定です。

  • AI支援型開発ツールでAIエージェントの構築とテストを迅速化:Agentforce Studioでは、自然言語で入力するだけで、トピック、指示、テストケースを自動生成できます。さらにテストセンターでは、状態注入(コンテキスト変数や会話履歴の入力)やAIによる評価(AI-driven evals)を用いた大規模な動作シミュレーションが可能です。これにより、本番稼働前にAIエージェントに対して徹底的に負荷テストを実施し、確実な運用準備を整えることができます。

MCPおよびA2A対応によるセキュアなエンタープライズ接続の実現:AIエージェントが本来のインパクトを生み出すには、企業が日常的に活用しているツールを使ってアクションを実行する必要があります。Model Context Protocol(MCP)のようなオープンスタンダードの普及により、相互運用性の新たな可能性が広がる一方で、ガバナンス、ID管理、制御に関する課題も生じています。Agentforce 3は、オープンな接続性とエンタープライズレベルの信頼性を組み合わせることで、こうした課題を解決します。AIエージェントに必要なツールへのネイティブなアクセスを提供しつつ、制御性が損なわれることはありません。

  • Agentforceにネイティブに組み込まれたMCPサポート:AgentforceにはMCPクライアントがネイティブに組み込まれ、カスタムコードなしでMCP準拠のあらゆるサーバーにAgentforceのAIエージェントが接続できるようになります。「AI版USB Type-C」のように、企業向けのツール、プロンプト、リソースに対してシームレスにアクセスでき、既存のセキュリティポリシーのもとで管理されます。

  • MuleSoftでAPIを即座にMCPサーバーへ変換:新しいMCPコネクタを活用することで、MuleSoftはあらゆるAPIやインテグレーションを、セキュリティポリシー、アクティビティの追跡、流量制御機能を備えたAIエージェント対応のアセットへと変換します。これにより、チームはマルチエージェントによるワークフローの連携とガバナンスを実現できます。

  • HerokuでカスタムMCPサーバーを容易にホスティング・管理:Heroku Managed InferenceとAppLinkを活用することで、カスタムMCPサーバーのデプロイ、登録、管理、接続が迅速かつ容易に行えます。Herokuの安全なインフラとDevOps自動化機能により、開発者は信頼性の高いカスタムアクションをスムーズにAgentforceへ組み込むことができます。

AgentExchangeの拡張 — AIエージェントファーストのツールを簡単に見つけて利用できる、業界をリードするAIエージェント エコシステムへ:組織がチーム全体にAIエージェントを導入する中で、AgentExchangeはすでに、パートナーが構築したエージェントアクションやテンプレートを通じて、迅速に価値創出できる信頼性の高いツールを簡単に整備できる仕組みを実現しています。今後、企業は30社以上のパートナーが提供するMCPサーバーを利用(英語)できるようになり、新たなサードパーティ製ツールやリソースへの信頼性の高いアクセスが可能になります。これらのサーバーはセキュアなAIエージェントゲートウェイを介してAgentforceとシームレスに接続されます。MCPローンチパートナーには、AWS、Box、Cisco、Google Cloud、IBM、Notion、PayPal、Stripe、Teradata、WRITERなどが名を連ねています。

エンタープライズ対応力を飛躍的に高めるAgentforceアーキテクチャの強化:Agentforce 3のあらゆる新機能は、強化されたAtlasアーキテクチャが基盤となっています。このアーキテクチャは、より低いレイテンシー、より高い精度、グローバルでの可用性、そしてSalesforceインフラ上でホスティングされる新たなLLM(英語)による制御オプションの拡充を通じて、エンタープライズに対応する堅牢な基盤を提供します。

  • AnthropicホスティングによるLLM選択肢の拡充:Agentforceは、Amazon Bedrock経由でホストされるAnthropicのClaude SonnetモデルをSalesforceの信頼性の高い環境内で利用できるようになりました。これにより、コンプライアンス要件の厳しい業界における顧客ニーズに対応できるようになります。この連携強化の一環として、AnthropicはSalesforceと協力し、規制業種の顧客がClaudeを用いてAgentforceの導入をスケールできるよう支援していきます。さらに今年後半には、SalesforceはAgentforce内でGoogleのGeminiモデルの利用も可能にする予定であり、Agentforceは「信頼性と柔軟性を兼ね備えたAIエージェント分野のリーダー」としての地位をより確固たるものにします。

  • 高速なパフォーマンスとレスポンスのストリーミング対応:2025年1月以降、レイテンシーが50%改善されたことで、Agentforceはこれまで以上に高い応答性を実現しています。さらに本リリースではレスポンスのストリーミング機能が一般提供され、ユーザーは回答がリアルタイムで生成される様子を画面上で確認できるようになりました。

  • Web検索とインライン引用による精度向上:Agentforce 3は、Web検索を新たなデータソースとして追加することで、信頼性の高い拡張型グラウンディングを実現します。AIエージェントが社内データだけでなく外部情報にもアクセスし、質問に回答できるようになりました。加えて、回答に使用した情報源へのインライン引用機能も提供され、透明性が向上しています。

  • 対応言語と展開地域の拡大:Agentforce 3は、グローバル展開を拡大し、カナダ、英国、インド、日本、ブラジルでの展開を通じて、各地域内でのAIエージェントのトラフィックに対応可能となります。また、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、日本語、ポルトガル語の6言語が新たに一般提供され、今後数か月以内に30以上の追加言語が順次展開される予定です。

  • 自動フェイルオーバーによるレジリエンスの強化:AIエージェントが常時稼働できるようにするため、Agentforceはレイテンシーに基づく自動フェイルオーバーを有効化しました。これにより、パフォーマンス低下や障害が発生した際に、モデルプロバイダー間でトラフィックを動的に切り替えることが可能になります。

  • FedRAMP High認証を取得し、公共部門向けにもAgentforceを提供:Agentforceは現在、SalesforceのGovernment Cloud Plus(英語)において一般提供が開始されており、公共部門の顧客もAgentforceを導入できるようになりました。これにより、最高水準の信頼性、セキュリティ、コンプライアンスを確保したかたちで、行政機関のミッションにAIエージェントを活用することが可能となります。

即戦力の業界対応力を標準搭載し、AIエージェントによる価値創出を迅速に実現:あらゆる業界のAgentforceの顧客は、200種類以上の業種別に事前作成されたアクションを活用することで、AIエージェントから迅速に価値を引き出すことができるようになります。これらのうち半数は2025年夏に新たに追加予定のもので、患者の予約管理、広告提案書の作成、車両の整備対応などが含まれます。またAgentforce 3では、Sales Cloud、Service Cloud、業界別ソリューション向けの新たなSKUとともに、シンプルかつ柔軟な価格体系(英語)も導入されます。これにより、ユーザーごとの価格設定と、従業員向けAIエージェントによるアクションの無制限利用が可能となり、各チームはスピーディーに導入を開始し、大胆に労働力を拡張できるようになります。

信頼できる専門家とともに、Agentforceを安心して導入・拡張:Accenture(英語)、Deloitte Digital(英語)、NeuraFlash(英語)、PwC(英語)などを含むSalesforceのパートナーエコシステムは、これまでに数千件におよぶAgentforceの導入を支援してきました。在籍する27万2,000人の認定スペシャリストが、戦略的なガイダンスを提供し、ガバナンスを維持しながらビジネス成果を生み出すAIエージェントの導入・稼働を成功へと導いています。


本日よりグローバルで利用可能な製品・機能:

  • Agentforce 3

  • Agentforce定着分析

  • テストセンターの強化

  • 100種類以上の業種別 事前作成アクション

  • 従業員向けアクションの無制限利用を含む新しい Agentforce アドオン SKU

  • Heroku による MCP サーバーのマネージドホスティング

  • 高速化と応答ストリーミングの向上

  • Agentforce データライブラリ における Web 検索機能

  • FedRAMP High 認証を取得した Government Cloud Plus 向け Agentforce

  • グローバル対応の拡大(カナダ、英国、インド、日本、ブラジル)および言語サポート(フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、日本語、ポルトガル語)


現在パイロット版またはベータ版で提供中:

  • Salesforceの信頼境界内でホスティングされるAnthropic Claudeモデル — 7月に一般提供開始

  • MuleSoftのMCPおよびA2Aサポート — 7月に一般提供開始

  • Heroku AppLink — 7月に一般提供開始

  • セッショントレーシング・データモデル — 8月に一般提供開始

  • エージェントの健全性モニタリング — 8月に一般提供開始


近日リリース予定:

  • Agentforce のネイティブ MCP 対応 — 7月

  • Agentforce Command Center および Agentforce Studio アプリ — 8月


詳細情報:

  • Agentforce 3のリリース情報は、こちら(英語)。

  • Agentforceについては、こちら

  • 新しい AgentExchange MCP パートナーコレクションは、こちら(英語)。

  • Command Centerについては、こちら(英語)。

  • Agentforce の MCP 対応については、こちら(英語)。

  • 製品デモは、こちら(英語)。

  • 新しい Agentforce ガイドで素早く始めるには、こちら(英語)。

  • Agentforce の新しい価格オプションは、こちら

  • Dreamforce 2025 への登録は、こちら(英語)。

  • Agentblazer コミュニティに参加して、AI愛好者とつながり、インサイトを共有するには、こちら


Salesforceについて

Salesforceは、あらゆる規模の企業がAIを活用してビジネスを再構築できるよう支援します。企業向けとして初となるデジタル労働力を生み出すプラットフォームであるAgentforceは、Customer 360アプリケーション、Data Cloud、Einstein AIとシームレスに統合し、制限のない労働力を実現します。これにより人とAIエージェントが連携し、信頼性の高い単一のプラットフォームでビジネスを成功に導くことができます。詳細は salesforce.com/jp をご覧ください。

Salesforceのコーポレートサイトにある「ニュース&インサイト」では、日本向けの最新情報をご紹介しています。詳細は、salesforce.com/jp/news/ をご覧ください。

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会社概要

URL
-
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区丸の内1-1-3  日本生命丸の内ガーデンタワー(Salesforce Tower)
電話番号
0120-733-257
代表者名
小出伸一
上場
海外市場
資本金
-
設立
1999年03月