北海道の小さな町で起きた奇跡の物語に満場の拍手 東京の公開初日は完売 北海道テレビ放送初製作のドキュメンタリー映画 上白石萌音のナレーションに感動の声
2月23日から東京の銀座・丸の内TOEIで上映が始まった「奇跡の子 夢野に舞う」は北海道テレビ放送(以下HTB)が開局55周年記念として初めて製作・配給を手掛けたドキュメンタリー映画だ。舞台は札幌市にほど近い長沼町。過疎化に直面している町に、絶滅危惧種のタンチョウを呼び戻そうと奮闘する農家たちの姿をHTBのカメラが7年にわたって追い続けた。治水対策の遊水地を自然豊かな湿地に変え、北海道東部にしか生息しなかったタンチョウを町に飛来させることに成功するまでの様々なトラブルや農家の苦労を、美しい田園風景とともに描いている。東京での公開初日となった23日は300席以上の劇場チケットが完売。関東在住の北海道出身者や野鳥愛好家らが小さな町で起きた奇跡の記録を一目見ようと会場にかけつけた。
上映後の舞台に立ったHTBの沼田博光監督は集客が難しいドキュメンタリー映画の世界で満席となる観客が劇場に足を運んだことに感謝の言葉を伝えた。作品で人と野生生物の共生を描いたことについては「タンチョウが町の風景に解け込む、日常の中に当たり前のようにタンチョウがいる光景を願いながら、作品が完成するぎりぎりまで撮影を行なった」と製作の苦労を話した。
また、上映後のトークゲストとして登壇した猛禽類医学研究所代表で獣医師の齊藤慶輔氏は「長沼町の取り組みは、人間中心の考え方で野生生物を連れてくるというのはではなく、タンチョウに来てもらえるような豊かな自然環境を先に作った。こういうアクションはこれまで聞いたことがなかった。こうした1つの雫を落とすような活動が波紋のように周辺の町にも広がっていけば、タンチョウの生息地が広がることにも繋がっていく」と長沼町の農家の活動の意義を語った。
また沼田監督はナレーションを担当した俳優の上白石萌音さんについて「主人公の気持ちに寄り添うように、作品の世界観を理解しながら役作りをして収録に臨んでくれた。タンチョウのイメージカラーの衣装を着て現場に来てくれたのは感動した」と収録の舞台裏を明かした。
作品を見た観客からは「小学校とか中学校とかのお子さんにいっぱい見てもらって未来につなげてもらいたい」といった声や「ナレーターの上白石萌音さんの語りが優しくて素敵だった」という感想が聞かれた。また、児童からも「タンチョウを増やそうとして何年も活動を続けていることがすごいと思った」という声も聞かれた。
なお、この作品で描かれた、タンチョウが生息していない地域で人工的に造られた施設にタンチョウが生息して繁殖したという事例は世界初の快挙と言われ、これを映像として記録した本作品に対して環境省は17年ぶりに映画作品に対し「推薦」を出している。
この作品について上白石萌音さんは「人と動物が土地を分け合うというのはどういう事なのか?という大切なテーマが、ありのままに映っていて、とても勉強になった」と話している。
映画「奇跡の子 夢野の舞う」は東京・丸の内TOEIで公開中のほか、各地での上映についてはホームページで随時更新されている。
公式ウェブサイト:https://www.htb.co.jp/kisekinoko
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