AI×スマートグラスで街を物語化 原宿を読み解く新観光体験「Local Lens AR」実証実験を実施
東急不動産SCマネジメント・STYLY、XREALを活用したソリューションで「案内不足」と「言語の壁」を同時に解消

東急不動産SCマネジメント株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:大久保 次朗、以下「東急不動産SCマネジメント」)と株式会社STYLY(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO:山口 征浩、以下「STYLY」)は、XREAL株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:徐馳、以下「XREAL」)協力のもと、スマートグラスを活用したAR観光案内ソリューション「Local Lens AR」の実証実験を、2026年3月19日〜3月22日の4日間、東急プラザ原宿「ハラカド」館内にて実施しました。
本実証では、AIとARによる多言語ガイドを通じて、その街の文化や歴史など、日本の奥深い魅力をARで体験できるだけでなく、訪日外国人旅行者が抱える「言語の壁」を同時に解消することを目的として行われました。アンケートでは、「案内不足」と「言語の壁」を同時に解消しながら、従来のスマートフォン型ガイドを上回る没入感を感じたという声や、街の歴史・文化を新しい形で理解できたという評価を得られ、今後の事業可能性が検証されました。
■ 実証背景
スマートグラスをはじめとしたXR※1デバイスの進化、生成AIの急速な普及により、今後さらに現実空間とデジタルをつなぐ体験への関心が高まりつつあり、街中の情報提示の在り方においても、大きな転換点を迎えています。一方で、訪日外国人旅行者の増加に伴い、標識や掲示物だけでは十分に情報が伝わらない多言語対応などの「案内不足」や「言語の壁」、スマートフォンを見ながら移動することによる安全面の課題が依然として存在しています。
原宿は、国内外から多様な来訪者が集まる都市観光拠点であり、新たな観光体験の社会実装を検証する場として最適な環境です。本プロジェクトでは、視線を下げずに情報を受け取れるAR観光案内によって、街歩き体験の質を根本から変える可能性を探ります。
※1 XR:VR(仮想現実)・ AR(拡張現実)・ MR(複合現実)の総称
■ 「Local Lens AR」について
「Local Lens AR」は、その土地のローカル情報をテーマに、地図アプリを超える感覚で地域の文化や歴史をARで体験できる次世代型観光ソリューションです。スマートグラスを装着するだけで、かつての原宿の姿と現代の街並みを重ね合わせて表示し歴史的背景や文化的意義をリアルタイムで解説するほか、館内のおすすめ店舗やメニュー表示などのARならではの空間情報を直感的に提示します。
■ ローカルメディア「OMOHARAREAL」の協力の元、原宿という街の成り立ちや文化的背景を提供
本実証では、スマートグラスを通して映し出される現代の街並みに、原宿の「かつての姿」を重ね合わせるAR観光案内を提供します。映し出される貴重な過去の写真は、表参道・原宿のローカルメディア「OMOHARAREAL(オモハラリアル)」の協力提供によるものです。同メディア内の人気企画「オモハラみんなのフォトアルバム」にアーカイブされた、地域に根ざした写真を活用し、同メディアによる歴史的背景の解説とともに、時空を超えたようなリアルタイムの没入体験を提供しました。
【実証実験の概要】
・実施期間:2026年3月19日(木)〜2026年3月22日(日)
・実施時間:12:00~20:00
・所用時間:約30分
・参加人数:訪日外国人旅行者144人
・参加料金:無償
・実施場所:東急プラザ原宿「ハラカド」館内
・内 容:訪日外国人旅行者を対象としたAR観光案内の提供(街の歴史・文化情報の提示、店舗情報の空間表示と空間操作、テラスからの街並みへの都市ランドマーク情報提示と花火演出による体験)およびアンケート調査
【検証課題】
本実証では、スマートグラスを用いた館内回遊型AR体験を通じて、訪日旅行者が視線を下げずに安全かつ直感的に情報を得ながら、原宿という街の文脈理解と店舗利用促進につなげられる“新しい観光案内”が成立するかを検証しました。
【検証項目】
1.体験価値・コンテンツの独自性
①「スマホを超える」体験の創出
デジタルとリアルの融合によって、従来のスマートフォン型観光案内では得られない没入感や身体性を伴う体験が生まれているかを検証します。
②直感的な情報取得の実現
スマートグラス装着時に視線を下げずに情報を得られることで、館内回遊時の情報取得の直感性が確保されているかを検証します。
③街の歴史・都市観光・文化コンテンツの受容性
原宿という街の成り立ちや文化的背景、施設の魅力といった「文脈的価値」が利用者の共感を得られているかを検証します。
2.収益性・継続性
本サービスに対して利用者が金銭的価値を感じ、継続的に利用したいと考えるかを検証します。
■ 検証結果
本実証実験のアンケート結果から、訪日外国人旅行者のNPSスコア21(顧客推奨度平均値7.8)となり、あわせて支払意思額や飲食エリアにおける行動意向に関する示唆が得られました。

1. 体験価値・コンテンツの独自性
① 「スマホを超える」体験の創出
アンケート回答者の65%が「従来のスマートフォン型観光案内よりも良い」または「圧倒的に良い」と評価しました。また、ARで飲食エリアの情報を見た後、84%の参加者が当該飲食店への関心を示し、うち65%が実際に入店への意欲を示す回答をしました。スマートグラスによるAR体験がデジタルと現実を融合した新たな観光体験として受け入れられ、施設内の回遊向上、店舗送客効果への寄与を示唆する結果となりました。


② 直感的な情報取得の実現
スマートグラスに掲示されるメニューや案内情報をジェスチャーで操作する「エアタップ」機能について、アンケート回答者のうち「すぐにできた」「やや簡単」の合計が67%となり、スマートグラスという新しいデバイスへの操作習熟が、初回体験においても高い水準で達成されることが示されました。
また、操作性について「簡単」と回答した人と「難しい」と回答した人のNPS平均は1.3の開き、即時来店意向には25ポイントの開きがあり、操作性の改善によって全体数値の大幅改善が見込まれることがわかりました。
③街の歴史・都市観光・文化コンテンツの受容性
「最も印象的だった体験(WOW体験)」を問う設問では、全4種の体験の中で、館内6階テラスでのランドマーク情報が建物に重なるシティガイド体験が44%でトップ評価を獲得し、次いでフィナーレの花火演出が38%で2番目に高い評価となりました。歴史や文化コンテンツが評価の高い体験となり、訪問者のエンゲージメント向上に寄与する可能性が示されました。

|
エアタップ機能の操作性 |
「簡単」と回答 |
「難しい」と回答 |
差異 |
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NPS平均 |
8.1 |
6.8 |
1.3 |
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即時来店意向 |
69% |
44% |
25ポイント |
2.収益性・継続性
アンケート回答者のうち、約30分の体験に対して86%が有料課金への意欲を回答し、金額については2,000〜3,000円を妥当とする回答が最多(36%)となりました。これにより、有料サービスとしての課金ポテンシャルが確認されました。
本実証で得られた、スマートフォンを超える体験の創出や地域の歴史・文化理解への受容、および飲食エリアでの情報提示が訪日外国人旅行者の意思決定を後押しし得る手応えを踏まえ、「Local Lens AR」は訪日外国人旅行者向けのAR観光案内として、「案内不足」と「言語の壁」の解消に貢献する次世代の観光案内ソリューションとして、事業化を含めた展開の可能性を検討していきます。
■ 各社の役割
本プロジェクトは、以下3社による連携のもと実施しました。
・東急不動産SCマネジメント株式会社:商業施設運営の知見を活かした都市実装および検証環境の提供
・株式会社STYLY:都市空間におけるXRプラットフォームの提供およびコンテンツ開発
・XREAL株式会社:スマートグラス機材提供および技術協力
●東急不動産SCマネジメント株式会社
東急不動産 SC マネジメントは、東急不動産ホールディングスグループの一員として、「商業施設」を専門に運営(マネジメント)する会社です。東急プラザ、キューズモールなど、東急不動産の開発した施設の運営によって培ったノウハウを基に、企画、コンサルティング業務等の幅広いサービスを、全国のオーナーさま、テナントさま、お客さまへ提供し、「夢ある未来」へ向け、街や施設の新たな価値創造に取り組んでいます。
https://www.tokyuland-scm.co.jp/
●株式会社STYLY
株式会社STYLYは、デジタルとフィジカルを繋ぐ空間レイヤープラットフォーム「STYLY」を提供する会社です。「人類の超能力を解放する」ことをミッションに掲げ、XR技術を主軸にランドオーナーや街づくりに携わる方々に対して、WebARからLBE(ロケーションベースド・エンターテインメント)まで幅広くソリューション提供を行っています。今後も世界中の事業者やクリエイターとともに新たな文化・産業の創出を行い、人類の進化に貢献することを目指しています。
●XREAL株式会社
XREALは、AR(拡張現実)分野で急成長を遂げるグローバル企業です。物理世界とデジタル世界を融合させる革新的なハードウェアとソフトウェアを開発し、次世代のユーザー体験を創出しています。誰もが身近に利用できる ARの未来を目指し、日々研究開発と普及活動に取り組んでいます。(Brand director 中澤)
協力
表参道・原宿ローカルメディア「OMOHARAREAL」:https://omoharareal.com/
オモハラみんなのフォトアルバム:https://omoharareal.com/navi/album
東急不動産ホールディングスが出資するCVCファンドTSVF1
東急不動産ホールディングスが出資するCVCファンド「TSVF1投資事業有限責任組合」を通じて、2023年3月にSTYLYへ出資を行いました。AR/VRは不動産業界と親和性が高く、にぎわいを創出するための様々な仕掛けづくりに大きく関係するコンテンツであり、本プロジェクトは広域渋谷圏※2を舞台とした体験価値創出の実現を目指した取り組みとなります。
※2 広域渋谷圏:東急グループが渋谷まちづくり戦略において定める、渋谷駅から半径約 2.5km のエリア
【本件に関するお問い合せ先】
株式会社 STYLY 森逸崎
info@styly.inc
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