第87回SCCJ研究討論会にて最優秀発表賞を受賞 リポソーム製剤が形成するラメラ構造に着目した肌効果メカニズムの解明
株式会社コーセー(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小林 一俊)は、日本化粧品技術者会(SCCJ) 第87回研究討論会(2021年12月3日、オンライン開催)にて「リポソーム製剤が形成するラメラ構造に着目した肌効果メカニズムの解明」について発表し、最優秀発表賞を受賞しました。今回の研究討論会では、化粧品技術に関する27件の口頭発表の中から、当社のものが最も優れた発表として評価されました。
リポソーム製剤が形成するラメラ構造に着目した肌効果メカニズムの解明
◆発表者/研究者
株式会社コーセー 黒木 純子(発表者)、山下 美香、大成 宏樹、池田 裕政
関西学院大学 理学部 中沢 寛光、加藤 知
◆研究の概要
リポソームは、肌に含まれる生体成分であるリン脂質がたまねぎ状に多重層となった0.1~0.2μmの微小なカプセルであり、保湿やバリア機能などの肌効果が認められていますが、そのメカニズムは十分に解明されていませんでした。そこで本研究では、リポソーム製剤を肌に塗布した際に形成される構造体に着目し、その構造解析を実施することで肌効果のメカニズムを検証しました。
リポソーム製剤を塗布した角層の構造解析(SPring-8やKEK-PFといった放射光施設におけるX線小角散乱測定)を行ったところ、皮膚バリアに対して重要な役割を果たすラメラ構造由来のピークが大きくなることが分かりました。また同試料を電子顕微鏡で観察したところ、角層内の細胞間脂質の厚みが増していることも確認され、リポソーム製剤は角層表面および角層内部の両方でラメラ構造を形成することが明らかとなりました。さらに、コレステロールやフィトステロールと呼ばれる油剤を配合したリポソーム製剤にすることで、このラメラ構造の形成や、そのバリア特性である水分閉塞性が向上することも分かりました。以上の結果より、リポソーム製剤は角層の内外にラメラ構造を形成し、その閉塞性が肌効果に関与していることが明らかになりました。
https://www.kose.co.jp/company/ja/research/secretstory/liposome/
- 受賞研究
リポソーム製剤が形成するラメラ構造に着目した肌効果メカニズムの解明
◆発表者/研究者
株式会社コーセー 黒木 純子(発表者)、山下 美香、大成 宏樹、池田 裕政
関西学院大学 理学部 中沢 寛光、加藤 知
◆研究の概要
リポソームは、肌に含まれる生体成分であるリン脂質がたまねぎ状に多重層となった0.1~0.2μmの微小なカプセルであり、保湿やバリア機能などの肌効果が認められていますが、そのメカニズムは十分に解明されていませんでした。そこで本研究では、リポソーム製剤を肌に塗布した際に形成される構造体に着目し、その構造解析を実施することで肌効果のメカニズムを検証しました。
リポソーム製剤を塗布した角層の構造解析(SPring-8やKEK-PFといった放射光施設におけるX線小角散乱測定)を行ったところ、皮膚バリアに対して重要な役割を果たすラメラ構造由来のピークが大きくなることが分かりました。また同試料を電子顕微鏡で観察したところ、角層内の細胞間脂質の厚みが増していることも確認され、リポソーム製剤は角層表面および角層内部の両方でラメラ構造を形成することが明らかとなりました。さらに、コレステロールやフィトステロールと呼ばれる油剤を配合したリポソーム製剤にすることで、このラメラ構造の形成や、そのバリア特性である水分閉塞性が向上することも分かりました。以上の結果より、リポソーム製剤は角層の内外にラメラ構造を形成し、その閉塞性が肌効果に関与していることが明らかになりました。
グラフの横軸からは構造の種類に関する情報が、縦軸からはその存在量に関する情報が得られます。ここでは、ピークの位置やパターンから構造を特定し、そのピークの大きさから構造の量を推定しています。図内3本のラインは3回の個別の測定結果を示しています。
- 今後の展望
- 当社のリポソーム研究について
https://www.kose.co.jp/company/ja/research/secretstory/liposome/
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